こんにちは 平です。
私たちはそれぞれ、異性について“好みのタイプ”というものをもっているものです。そして、どうも、それにこだわるあまり、いろいろなチ
ャンスを逃していらっしゃる人が多いように感じられます。
もちろん、好みのタイプをもつことが悪いということはまったくありませんし、かくいう私にも好みのタイプは存在します。が、しかし、そのために、自分のタイプ以外の人に目が向かないのだとしたら、ひょっとして、それは大問題かもしれませんね。
心理学的にいうと、まだまだ十分に成熟していない時代の対人関係では、自分に似ているものに好意を感じる傾向があります。
たとえば、子どものころ、男の子は男の子と、女の子は女の子と一緒に遊ぶのもそのためです。また、海外旅行の初心者は、海外に行ってもなにか不安をもっていますから、現地で日本人に会うとなにかホッとするのも同様です。
しかしながら、あなたが人間として、そして、対人関係においても成熟してくると、こんどは自分がもっていないものをもっている人に好意をもつようになります。
お金がない人はお金持ちに惹かれ、学歴コンプレックスがある人は高学歴の人に惹かれ、また、背が低い人は背が高い人に惹かれ、自分が弱いと思っている人は強い人に惹かれ‥‥というふうに。
自分がないその要素をパートナーを通じてもつことにより。きっと自分はより良くなれると感じるわけです。逆に言えば、その要素がないゆえに、いま、私は苦労している感じているということなのですが‥‥。
ともかく、自分にない要素をもっている人に、人は好意をもつようなのです。
しかしながら、よくよく考えてみると、この考え方は劣等感が土台になっていることが多いようです。
つまり、私たちが“好みのタイプ”にこだわるとき、その深層心理には、「たぶん、一生、私はこのコンプレックスを克服できません。だからこそ、このコンプレックスをもっていない人をパートナーにする必要があるのです」と言っているようなものかもしれません。
自分に自信がない女性は、高学歴で高収入でとてもかっこいい男性を求める傾向があります。
なぜならば、「こんなに優秀で素敵な人が選んだのが私」ということで、彼に選ばれることによって、今までのコンプレックスがすべて消えてしまうように感じるからです。
私たちは、自分のなかにある劣等感‥‥、これは自己嫌悪といってもいいかもしれませんが、その大嫌いな部分をもつ自分をなんとか隠そうといつも努力しているようです。
が、しかし、あまりにもそれにこだわると、その劣等感は隠すどころか、露出してしまうことも多々あります。
たとえば、あなたに学歴コンプレックスがあり、自分はあまり頭がよくないと思っていたとしましょう。
そんなあなたは、分厚い本を持ち歩いて、「こんなに難しい洋書を読んでいるんだぜ。オレってすごいだろう?」とか「こんなに難しい本を愛読してるんだぜ。オレって頭いいだろう?」とアピールしてしまうかもしれません。
が、そんなアピールをすればするほど、コンプレックスがバレてしまうのは目に見えていますよね。
あなたが自分のなかの劣等感を気にしなくなればなるほど、異性に対するこだわりも少なくなり、その意味では、いろいろな人に惚れやすい状況になります。ターゲットがすごく広がるわけです。
「この人となら、こんなおつきあいができそうだ」、「でも、あの人となら、こんなおつきあいもしてみたいなぁ」などと、あなたにゆとりが
できるわけです。
それは、海に行くならマリンレジャー、山に行くなら秘湯でゆっくりと、行き先によって休暇の楽しみ方が変わるのと同じかもしれません。
おつきあいするお相手しだいで、どんなふうにでも有意義につきあえるという自信があなたのなかに生まれてくることともいえるでしょう。
そうなると、ものすごく守備範囲も広くなっていますよね。
「だれかに幸せにしてもらおう」と思っているとき、あなたにとってそのだれかは、完ぺきすぎるほど完ぺきで、素晴らしすぎるほど素晴らしすぎなくてはいけません。
逆に、あなたがその人を「愛してあげよう」という立場で恋愛を進めることができたとしたら、たとえは悪いかもしれませんが、ペットショッ
プでいろいろなペットを眺めているときのような感覚になれるかもしれません。
つまり、ペット一匹ごとに、この子がうちに来たら、どう愛してあげようか、どう一緒に過ごそうかなど、いろいろ考えますよね。それはウキ
ウキワクワクすることであるはずです。
究極的には、「だれでもいいよ、ぼくと縁があるなら、だれだって幸せにしてあげる自信がある」と思えたとしたら、タイプへのこだわりというのも少なくなるようです。
もちろん、誤解のないように‥‥。こだわりをもつなと言うつもりはまったくありません。
ただ、こだわりを手放すことで、ちょっと違う視点でまわりの人を見ることができるようになり、そして、今まで知らなかったような素晴らしい価値に気づくこともあるものなのです。
では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!