こんにちは、平です。
独身時代、私たちは心の中にこんな企みをもっているようです。「大人になってから、うまくいかなかったことの全部を、パートナーシップで解消しよう‥‥」
とくに女性のみなさんは、パートナーシップを最後の切り札として考えがちです。「白馬の王子様の馬の後ろに乗ることさえできれば、いままでがどんな人生であっても逆転できる」というように。
すると、あなたの望むパートナーのタイプも、ちょっとおかしなことになってきてしまいます。
ちょっとおかしなこと?
たとえば、競馬というギャンブルは、「どの馬が勝つかを予想する」ゲームですよね。
ところが、10レース中9レースまで負けが続くと、あなたの興味は、最終レースの中に、「きょうの負けをチャラにできるような配当の馬はいないか」ということに移り、実際、その馬に賭けたりします。
この時点で、あなたは、「どの馬が勝つかを予想する」というルールを、「きょうの負けをチャラにできるような配当の馬を探す」に変えてしまっていますよね。
負けが大きいときほど、配当の高い‥‥、つまり、勝ち目のないレースにあなたはお金を賭け、さらに負けが広がるわけです。
男女関係も、あなたの人生がうまくいっていないときほど、あなた基準でものすごく価値がある男性を見つけざるを得ず、結果的にものすごく高い目標設定をしてしまうことがあります。
そして、そんなときの価値基準は、「どんな男性が好きか」、「どんな男性といると気分がいいか」ではなく、「そのぐらい素晴らしい人に選んでもらわなければ」ということだったりします。それほどあなたのコンプレックスが強くなっている状態といえるわけです。
以前、テレビを見ていたら、劇団ひとりさんが出ていて、大沢あかねさんと結婚したときのエピソードを話していました。
その当時、ひとりさんはものすごい美女とデートを重ねていたそうです。が、彼女のあまりの美しさに緊張し、なかなか話も弾まず、かといって、嫌われたくないためにバカなこともできず、毎回、会っているときはムリしていたのだとか。
そんなとき、大沢あかねさんと出会ったわけですが、バラエティ番組のひな壇もこなす彼女のこと、ひとりさんの話に「それで、それで?」とか「なんでなんだよ!」などと、上手に反応したり、ひとりさんの引き出しを引っぱりだしたりしてくれて、とてもラクにおしゃべりができたそうです。
それで彼は、「結婚して人生をともにするなら、こんな人のほうがいいなぁ」と思い、彼女との結婚を決意したそうです。
強いコンプレックスがあるとき、私たちは「こんなパートナーでなくてはならない」という妄想にしがみついてしまい、パートナー本来の魅力を味わえなくなってしまいます。
しかし、パートナーはあなたのコンプレックスを埋めるための存在ではありません。それより、パートナーに備わった魅力とあなた自身との相性のほうがパートナーシップではずっと重要です。
昔、仕事ができ、気配りもよくできる男性が、自分の部下の、イライラとするほどおっとりした女性と結婚したことがありました。
彼は職場で彼女の教育担当で、「この娘はなんておっとりしていて、気も利かなくて、使えないやつなんだろう」と思っていたそうです。
その後、仕事外で彼女とともに食事する機会があったのですが、そのとき、彼女にこう言われたそうなのです。「そんなにピリピリしていたら、きょうがどんなお天気かもわからないでしょ? お花が咲きはじめたことにも、あなたは気づいていないんでしょう」
それは、彼にとって、自分ではまったく発想もしなかったものの見方で、ものすごく惹きつけられました。そして、まったく評価していなかった彼女が、「自分とはまったく違う」という理由で、彼の役に立つと感じたそうです。
彼女のおかげで、彼は家庭に帰ると、イライラピリピリを離れ、のんびり過ごせる時間という幸せを手に入れたそうです。
では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!