情熱の女

こんにちは、平です。

嫉妬深い彼女とおつきあいしている男性から、こんなご相談をいただくことがあります。

「どんなに誠実にまじめにしていても疑われてしまい、ほんとうにイヤになってきました。彼女はなぜ、こんなに嫉妬したり、疑い深かったりするのでしょうか?」

もちろん、嫉妬深い男性というのも存在していますが、この嫉妬深さや疑い深さの裏にあるものは、「自分自身への評価の低さ」である場合が多いようです。

「自分はつまらない女だ」とか「自分はなんのとりえもない男だ」など、自分に対する評価が低いと、自分が人から愛されるとはまったく思えなくなってしまいます。

「パートナーはきっと私じゃなくて、もっと素晴らしい人のほうに行きたいと思っているはずだ。私が愛されるはずがない。だって、私が男だったら、こんな私のこと、けっして選ばないもの」などと考えてしまうわけです。

もちろん、パートナーであるあなたはまったく逆の評価をしているわけです。「なんて、かわいい娘なんだろう」とか「なんと、セクシーな女性なんだろう」などと思い、彼女に高得点をつけたわけです。

もっといえば、彼女を世界中の女性と比べ、ナンバーワンの評価をしたわけです。

ところが、彼女にはそれがまったく理解できないんですね。

で、あなたのつけた点数を下げようとする‥‥、その行為が、嫉妬や疑いであるのです。

当然、嫉妬されたり、疑われたりすると、イヤな気分になりますよね。

すると、パートナーにつけていた高得点を下げざるを得なくなるわけです。

嫉妬している側からすれば、あなたから「なんだよ、こいつ、ヤなやつだな」と思われるほうが、リアルに信じられたりするわけです。

そして、安心するわけです。「ああ、これでこそやっぱり、私らしい」、と‥‥。ヘンですね。

では、このようなパートナーをもったとしたら、このまま一生、疑われつづけるのでしょうか?

もちろん、そんなことはありません。

たぶん、ひどく嫉妬深く、疑い深いパートナーの場合、あなたがどんなに彼女のことを「素敵だ」、「美しい」などとほめたところで、「うそばっかり」、「そんなわけはないでしょ」、「心にもないことばかり」などと言って、あなたの評価を否定します。

しかし、どんなに否定されても、あなたには彼女の価値を認めつづけていただきたいのです。「そんなことないよ。ほんとに、きみのことが大好きだよ」と。

すると、彼女は「口先ばっかり。ほんとは浮気しようと思ってるんでしょ」などとかわいくないことを言うでしょう。

それにもメゲず、あなたには「そんなこと、考えたことは一度もないよ。きみしか見えない」などと言ってあげてほしいのです。

なぜならば、彼女は心の中で、「もっと言って! もっと私が素敵だと言って!」と思っているからです。

つまり、あなたにもっともっと甘い言葉を言いつづけてもらいたいがゆえに、あなたの愛を否定するのです。

それは、男性のみなさんが彼女に優しくしてもらいときに、「やー、きょうはもう、ほんとうに疲れたー。最悪の日だったよ」などと言うのに似ています。

こんなときは、「おつかれさま。がんばったのね!」などという言葉を期待しますよね。あれとまったくいっしょなのです。

どうか、あなたが見ている彼女の美しさや素晴らしさを伝えつづけてください。「きみが100回否定するなら、僕は101回言うよ。1,000回否定するなら、1,001回言うよ」という気合いで、彼女の価値を認めつづけてください。

そして、いつか、彼女があなたの言うことを否定しなくなる日がきたとしたら、その日から、彼女はすべての情熱を持ってあなたを愛してくれるでしょう。「こんなに私を愛してくれる人は、あなたしかいない」、と。

じつは嫉妬深い女性というのは、情熱的にだれかを愛したい女性でもあるのです。

 

では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!

この記事を書いたカウンセラー

About Author

神戸メンタルサービス/カウンセリングサービス代表。 恋愛、ビジネス、家族、人生で起こるありとあらゆる問題に心理学を応用し問題を解決に導く。年間60回以上のグループ・セラピーと、約4万件の個人カウンセリングを行う実践派。 100名規模のグループワークをリードできる数少ない日本人のセラピストの1人。