こんにちは、平です。
恋愛に関するご相談を受けるようになって、今年で25年目に入ります。
ハウツー的なアドバイスから、その人の深層心理にある問題パターンの解決まで、恋愛相談にもいろいろな種類がありますが、その深層心理に必ずといっていいほど潜んでいるのが“恐れ”です。
たとえば、「彼がいない」、「彼ができない」という場合、意識的には心から「彼がほしい」思っているのですが、深層心理では「もう二度と傷つきたくない‥‥」と思っていらっしゃることが多いようです。
あなたが「傷つきたくない‥‥」と感じているとき、あなたの考え方の奥には必ず、「私を傷つける男性」が存在します。そして、その心の裏側には「どの男もきっと私を傷つける」というものの見方があることが多いようです。
すると、男性とはあなたを傷つけるものであるので、あなたはそんな男性たちに対し、疑いや不信感、さらには攻撃性をもつようになってしまうのです。
さらに、疑いや不信感をあらわに、「どうせ、あんたも‥‥」という目で男性を見ている私が存在したならば、「こんな自分が男性に愛されるはずがない」とも考えてしまいがちです。
こんな話をすると、「そんなに深くまで、ものごとを考えたことないですし‥‥」と多くの女性はおっしゃいます。でも、あなたのマインドはとても臆病で恐がりで、「もう二度と傷つきたくない」という恐れに基づいて、状況をものすごく悪く見てしまう傾向があるようです。
では、なぜ、私たちはこのように「自分ばかりが損をする」とか「また傷つけられてしまうに違いない」などと考えてしまうのでしょう?
それは、“罪悪感”という感情が心のさらなる奥底にあって、それがあなたを支配しているためであるようです。
“罪悪感”とは、「自分は間違ってしまった」、「自分はとんでもないことをしてしまった」、「自分はものすごく悪い人間だ」などと自分を責める感情です。そして、自分を責めるがゆえに、「自分は罰せられるにふさわしい」という思いが生まれてしまうのです。
私たち人間は過去をふり返ったとき、いつも、「ああしておけばよかった」とか「なぜ、ああしなかったのだろう?」などと後悔ばかりして、自分を責めています。そして、この過去の罪悪感というフィルターを通して自分の未来を見てしまうと、「きっとろくなことは起こらないはずだ」とか「どうせ、自分の未来なんて、たかがしれている‥‥」などと感じてしまいがちです。
そして、「きっと私は罰せられるはずだ」という思いは、“恐れ”を作り出します。その思いが強くなると、心はいますぐ絶望し、あきらめてしまうことによって、どんなにひどい未来がやってきても、傷つかないようにと防衛しようとしたりすることもあります。
もう少し簡単に、具体的にお話しすると、私たちはどうやら、小さい子どもだった時代から、「しっかり勉強しないと、ろくな大人にならないわよ」とか「こんなことができないなら、将来、きっと困るわよ」などと怒られたことをいまだに信じているようなのです。
たとえば、病的なまでの潔癖性の人は、一日に何度も手を洗い、うがいをします。それは、「きれいにすることが気持ちよい」というよりも、「手を洗い、うがいをちゃんとしておかないと、必ず病気になってしまう」といった恐れがその行動を支配しているようです。
しかし、何回、手を洗い、うがいをしたとしても、「まだまだ不十分ではないのか?」という恐れがあなたを責め、どんなにきれいにしようが、安心感を手に入れることはできません。
そして、恐れを感じているとき、私たち人間の心は、「うれしい」とか「楽しい」という感情を感じられなくなります。
たとえば、独身で彼がいない女性の多くは、「一生、結婚できずに、だれからも愛されなかったらどうしよう」という恐れを深層心理にもっています。すると、その恐れを中心とした物事の見方や考え方が構築されてしまいます。
でも、じつは未来はどうなるかなんて決まっていないわけです。
ですから、「もし、ものすごく私の理想のタイプの人から、つきあってくれと言われたら、どんなにうれしいかしら!」と考えてみてもいいはずですよね。しかし、ほとんどの人はそういう発想はしません。
エゴはいつも、より悪い未来をあなたに連想させようとします。
でも、そのときに気づいていただきたいのです。あなたのご両親やご家族、あなたの友人たちが、あなたにどうなってもらいたいと思っているかということです。
将来、あなたが結婚することになったとき、披露宴の会場に来てくださったあなたの親族や友人のみなさんは、幸せそうなあなたを見て、心から喜ばれるはずです。
それは、ずっとずっと昔から、あなたが幸せになるように祈っていてくれたからでしょう。
いま現在のあなたに向けられた、たくさんの祈りがあることに気づいてみてくださいね。
では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!