こんにちは、平です。
読者のみなさんからよく“信頼”についての質問をいただきます。
たとえば、「彼が浮気をしているかも‥‥と、薄々ですが感じています。これは、彼を信頼していないということですか?」といったご質問です。
“信頼”と似ているようでいて、じつはまったく違うものに“ウブ”というのがあります。
前述の例でいえば、実際、彼は浮気をしていて、ウブなあなたを「オレを信頼できないのか?」という言葉でコントロールしているという状況です。
あなたは彼が浮気しているという現実を受け入れたくないので、それを否定するために、「彼を信頼しなくっちゃ」、「彼が浮気しているはずなんかない」と自分に言い聞かせ、思い込もうとしているわけです。
が、これは事実から目をそむけようという行為であり、彼を信頼しているとはいえません。
彼が浮気しているのには、さまざまな理由が考えられるでしょう。
あるいは、その理由の一部はあなたの問題かもしれません。
ここでの信頼とは、二人のなかにある「愛を信頼する」ことです。
その信頼を礎に、「問題を解決していこう」という意欲をもつことが必要です。
その際は、彼の問題を解決することに、あなたが意欲的に手を貸そうとすることも大切になってきます。
“ウブ”な状態にある人は、自分の価値がとても低いように感じているようです。
そのため、彼を信頼するふりをしてはいますが、彼が浮気しているという事実が判明した場合、「やっぱり、こんな私じゃ浮気されるんだ」などと思ってしまうことが多いようです。
この彼女に必要なのは、「こんな私」と自分をちっぽけに扱うことではなく、彼のためにも自分のためにも、どんどんいい女になっていただくことなのですが‥‥。
さて、以前、ある奥さまからこんなご相談をいただいたことがあります。
ご主人が秘書である部下の女性と浮気をしたそうのですが、後日、その部下の親御さんが会社に怒鳴りこんでくるという大惨事があったというのです。
奥さまに私はこう聞きました。
「どうしたいですか? ご主人とやりなおしたいですか、それとも、別れたいですか?」
「子どももいることですし、できたら、やりなおしたいです」
「そうですか、じゃあ、これをチャンスにしましょう!」
「こんな大惨事が、なぜ、チャンスに?」と怪訝そうな奥さまでしたが、私がアドバイスしたとおり、後日、「うちの娘になんてことしてくれるんだ!」と怒っている先方のおとうさんにこんなふうに言いました。
「おたくのお嬢さんこそ、私のダンナになんてことしてくれるの! ましてや、結婚していることだって、はなからわかっていたはずなのに。法的に、あなたのお嬢さんに賠償を求める権利が私にはあります!」
こうして、奥さまは先方のおとうさんを蹴散らし、ご主人を窮状から救い出したわけです。
さらに、会社の上司には、「私の監督不行届でした。今後は厳しくしつけます!」と頭を下げたそうですが、そのあまりの迫力に、ご主人には仕事上のおとがめもほとんどなくてすんだようです。
奥さまの「問題を解決していこう」という強い思いが、まさに実を結んだわけです。
そして、ご主人にとっては、奥さまに責められ、罰せられても仕方ないような状況が、その奥さまに守られ、助け出されるという結果になったわけです。
自分をほんとうに愛し、大事にしてくれるのはだれか‥‥、どんなバカな男でも気づきますよね。
で、奥さまはド迫力でご主人に言うわけです。
「二度目はないからね!」
そして、さらに脅すわけです。
「私を味方にするのも敵にするのも、あなたしだいだから!」
その後、ご主人は奥さまの忠犬となり、とても平和に暮らしていらっしゃるそうですが、「あの出来事がなかったら、きっと、“まあ、そんなもんか”ってかんじの夫婦だったでしょうね」と奥さまはいまだにおっしゃいます。
大事なのは、腹をくくって問題に向き合うこと。
そうすれば、ピンチをチャンスに変えられることもあるのですよ。
では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!