こんにちは、平です。
思春期、私たちはだれもが子どもの体から大人の体へと変化する時期を迎えます。
男性ならかわいい声から野太い声へと声変わりしたり、女性なら胸が膨らみ、女性的な体型へと変化したり‥‥。あなたの中にあった子どもの部分がどんどんなくなり、新たに大人の部分が誕生していくわけですね。
しかしながら、この時期の私たちは、大人としてはまだ不完全であり、自分のこの不完全さをなかなか受け入れることができません。
そして、それを外に投影し、さまざまな不完全なものを嫌ったり、拒絶したりすることが多くなります。
たとえば、いちばん学校が荒れることが多いのは中学校だといいますが、それはやはり、この年頃の子どもたちが、“大人の不完全さ”だとか、“社会の不完全さや不公平さ”が許せないという強い思いを抱くことに由来します。
また、自分は不完全だという思いは、完全なるものへの憧れを強めます。
ジャニーズをはじめとしたアイドルのファンは、中学生がいちばん多いといわれますが、その理由の一つもここにあります。
つまり、私たちは、自分が不完全だと思う度合いだけ、完全といえるような人を求めるのですね。
思春期のころ、クラスの中で美男美女といわれる人だけがモテて、それ以外はモテない普通の人たちという構図ができあがったりするのもこれに起因します。
こうした完璧主義は、私たちが成長し、大人になるにしたがって、どんどん崩れていきます。
それまでは、カッコいい彼、カワイイ彼女に気持ちが向いていたのに、やさしい彼、やさしい彼女へと好みもどんどん変わっていきます。
あなた自身が成熟する度合いだけ、完璧なるものを外に求めなくなっていくわけです。
言い換えれば、外見的なものを重視してきたのが、内面的なものを重視するようになっていくということでもあります。
長いカウンセラー人生において、私は離婚にまつわるご相談をたくさんお受けしてきましたが、離婚の理由として「パートナーの外見の変化に耐えられなくて‥‥」といのはただの一度も聞いたことがありません。
そうではなく、そのほとんどは内面的な理由であるわけです。
「誠実ではない」とか「やさしくない」とか「愛されていない」といったものですね。
おつきあいが始まるときは、「カッコいい彼」、「スタイル抜群の彼女」など、外見的な要素に惹きつけられることはかなり多いものです。
が、しばらくすると、それはあたりまえのものになり、ありがたみはなくなってくるようです。
それよりも、おそらくあなたが思っている以上に、「自分は内面的にパートナーから愛されているのか?」ということが重要になるようです。
多くのクライアントさんとお話しした経験からいいますと、「私は愛されていない」と感じている人の多くが、じつは自己評価が低く、「自分は愛される価値がない」という自己概念をもっているとうことが非常によくあるのです。
それがゆえに、この問題は“疑い”や“嫉妬”を生んでいきます。
なぜなら、あなたが愛されていないのではなく、愛されているということをあなた自身が疑い、信じていないからです。
すると、「彼の愛は私には向かわず、私よりも素晴らしい人にいくはずだ」という思い込みが生まれます。そして、いまある彼の愛情をあなたはドブに捨て、彼にうんざりされてしまう‥。往々にして、こんなことが起こってしまうのです。
あなたがなにゆえに愛されるのかの理由は、あなた本人には永遠にわからないものです。
あなたにできることは、あなたを愛してくれるパートナーの愛を、ただ信頼することだけです。
あなたとまったく違う価値観をもつ、あなたのパートナー。
なぜかわからないけれど、彼は自分にはない価値をもつあなたのことを好きになったのです。
でも、あなた自身、「こんな自分はつまらなくて、なんの魅力もない」と思っていますから、まさかそんな自分の中にパートナーが価値を見てくれているなんて、なかなか信じられないわけです。
「私は愛されていない」と感じるとき、それは、ほんとうに愛されていないのではありません。そうではなくて、自分が愛されるということを、あなたが信じられなくなっているときのようですよ。
では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!