こんにちは、平です。
最近は、私どもの受講生から、「結婚します」という報告が数多く寄せられ、喜ばしいかぎりです。
結婚するカップルに、私が常々言っているのが、「多少、無理をしても、新婚旅行には必ず行ってくださいね。それも、できれば海外に」ということです。
新婚旅行というのは、もちろん、どの旅行よりも楽しい旅行といえるでしょう。それととともに、夫婦にとっては、まさに新生活の土台となるものだと私は考えているのです。とくに海外旅行の場合、不安感や恐れがつきものです。それが大きいほど、支え合いながら、いろいろなことに対処したりする機会が増え、二人の距離は必然的に近くなるからです。
私が結婚したときも、新婚旅行は海外に行きましたが、個人旅行としてセッティングして行ってきました。ツアーでは海外旅行をしたことはあったものの、個人旅行は初めてでした。
ヨーロッパに行きたかったので、言葉の壁を心配しました。しかし、私たちより半年ほど前に結婚した友だちから、「思いきって、個人旅行にしたほうが、ぜったい楽しいよ」というアドバイスを受けていたので、入念に準備をして、二人での個人旅行にチャレンジしたのです。
初日にスイスのジュネーヴで泊まったホテルが、高いわりに屋根裏部屋のようなひどいホテルであったり、バウチャークーポンと呼ばれる宿泊券を渡していたにもかかわらず、二重請求されたりと、いろいろなことが起こりました。それを、つたない英語でなんとかクリアしていったわけですが、頼れる者がおたがいしかいないという経験はとても貴重なものでした。
また、日本では見られないような風景に出会った感動を共有できることも、二人をより親密にしてくれますし、まったく未知なる毎日を、「明日はどんな日になるのだろう」とワクワクしながら経験できることも、とても楽しいものでした。
こうした旅行では、もちろん、「彼がまったく頼りにならず、がっかり!」なんてこともありますし、また、「いったい、何様のつもりなんだ!」というぐらい、彼女がタカビーに思えてしまうような場面だってあるかもしれません。でも、ツアーと違い、頼れるものがおたがいしかいないという状況では、仲直りするしかないわけです。
その後、私は何回も海外には行っていますが、ツアーで行こうと考えたことは一度もありません。
ところで、日本の場合、どんなビジネスホテルでも、歯ブラシがおいてあるのはあたりまえなのですが、ヨーロッパでは一流ホテルといえども、歯ブラシがあるホテルはほとんどありません。もちろん、そのことは事前にガイド本を読んで知っていたので、私たちも各自のぶんを持参していました。
その新婚旅行中、私と女房の歯ブラシは、いつも同じコップに並んで立っていました。それを見ているうちに、あるインスピレーションが降りてきたのです。
すでにカウンセラーの仕事をしていた私ですが、女性のクライアントさんのなかには、「彼がようやく私の部屋に遊びにくるような関係になりました。もっと二人が親密になれる方法はないですか?」と質問される方がしばしばいらっしゃいました。そこで、そんな人には、「彼用の歯ブラシを買ってきて、あなたの歯ブラシと一緒にコップに入れておいてください」と提案してみたのです。
このアドバイスは、かなり多くの人にしてきましたが、非常に効果があるようです。歯ブラシは、深層心理的に、生活を共有しているというイメージがとても強いものです。そのため、男性にとっては、彼女と一緒に住んでいるわけでもないのに、まるで自分がこの部屋に住んでいるような、まるでこの部屋に帰ってこなければいけないような、そんな感覚をもたらすようなのです。たった1本の歯ブラシで‥‥。
当然、その後は、彼用のマグカップ、彼用のお茶碗、彼用のお箸と、あなたの部屋には、彼用のグッズがどんどん増えていくのですが、どのグッズよりも、歯ブラシを先に買ったほうがよいようです。なぜか歯ブラシは、彼を惹きつける効果が抜群なのです。
歯を磨くためには、口を開けなければなりません。心理的に見ると、この口を開けるという行為は、とても無防備な行為といえます。
そして、無防備であるときに、自分のそばにいる人というのは、より距離の近い自分の味方になってしまうのです。
だからこそ、コップに2本並んでいる歯ブラシは、二人がとても親密であることの証になるのかもしれませんね。
では、来週の恋愛心理学もお楽しみに!!