こんにちは、平です。
きょうは、とある方のエピソードをご紹介いたしましょう。
昔、私のクライアントだった女性のお話です。
彼女は4人きょうだいの末っ子として生まれたのですが、上3人は男の子で、彼女だけが女の子でした。
おとうさんは会社をいくつも経営していて、人望が厚く、そして、家庭ではとてもやさしいパパでした。
彼女はきょうだいで唯一の女の子ということもあり、それはそれは立派なパパッ子に育ったわけです。
おとうさんは、経営していた会社を、それぞれ3人の息子たちに継いでもらいたいと考えていましたが、娘である彼女にはそれは望まず、幸せなお嫁さんになってもらいたいと思っていたようでした。
じつは、彼女もおにいさんたち同様、「パパの仕事を引き継ぎたい」と思っていたのですが、おとうさんは「おまえには、ママのようなかわいらしいお嫁さんになってもらいたいんだよ」とやさしく言うばかり・・・。
おかあさんはとても美しい人で、彼女はいつも母親と自分を比べ、コンプレックスをもっていました。
小学校の参観日などは、自分のおかあさんがだれよりもきれいで自慢でした。しかし、成長するにつれ、「おかあさんはあんなにきれいなのに・・・」という声が耳に入ったりするようになって、彼女の女性としてのコンプレックスはすさまじいものになっていったのです。
彼女が大学3年生のとき、最愛のおとうさんが病気で亡くなりました。
3人のおにいさんたちは、それぞれ、おとうさんの会社を継いだわけですが、彼女も「どうしても、自分の会社を経営したい」と思いました。
そして、友人がみな就職活動をしているとき、彼女はいっさいそれをせず、「自分はどんな会社を作ろうか?」ということばかり考えていたのでした。
実際、大学卒業後、彼女はさまざまなビジネスを経験していくのですが、大きな失敗をしなかった代わりに大きな成功をすることもなく、30代の半ばになっていたのです。
また、彼女は女性としてのコンプレックスが強かったことから、男女関係にもまったく興味をもたずに生きていました。
その彼女が、友人と遊びにいった東南アジアで優雅なエステというものをはじめて体験し、ハマッてしまったのです。
自分の女性性に投資するということがほとんどなかった彼女ですが、オイルマッサージを受け、フラワーバスに入り、紅茶を飲み、そして、ゆっくりとした時間を過ごすという経験をし、彼女は人生ではじめて、こんな感情を感じたのです。
「女性を楽しむって、いいわね」
それ以降、彼女とおかあさんの距離がググッと縮まりました。
というのも、おかあさんはそれこそ、ブランドもの大好き、エステ大好き、優雅なことが大大大好きという人だったからです。
これまで、女性であることを嫌い、男性のように生きてきた彼女には、そんなおかあさんは別世界の人のようでした。
しかし、今回のことをきっかけに、二人の仲が近くなり、おかあさんは、母親として彼女にしてあげたかった女性的なことのすべてを彼女にしてあげました。
“美の女神”とまでいわれた彼女のおかあさんのセンスのおかげで、彼女は女性としてものすごくチューンナップされてきたのです。
そして、彼女が新たに始めたのが美容関係のビジネスだったのですが、この続きは来週のお楽しみとしましょう。
では、次回の恋愛心理学もお楽しみに!!