攻撃する母

相談者名
うーたん
 ご相談したいのは、母による父への虐待です。「虐待」と言ってもうちの場合は珍しいケースだと思いますが。
その根底には、母の心の病があるのではと思います。母はもともと、自分の思い通りにならなかったり、体調が良くなかったりすると、すぐに機嫌が悪くなり、イライラして父や私に八つ当たりする人でした。一旦キレると手を付けられず、昔は包丁を持って暴れたり、父に熱湯をかけたり、危険な事が何度もありました。父も私も皆軽いケガをする事は珍しくありませんでした。でも、ここ数年だんだんと父も母も高齢になり、母も極端に危険な真似をする事は減りました。しかし、その反面その性質が変化したというのか、母の行為は、長期にわたるしつこい「陰湿」なものになりました。昔は、激しかった分、しばらくすると嵐がおさまり少し穏やかな日々が続いては、あぁ又始まった…という感じでしたが、最近ははっきりとした終わりがありません。暴れたり暴力をふるったりというのは、体力が続かないのでおさまりますが、表面上だけであって、「陰湿」な行為自体はなかなか止めないのです。原因も特にありません。
具体的に言いますと…父に暴れて物を投げたり水をかけたりする、暴力をふるう、家に入れない、食事をさせない又は僅かな食事しかさせない、父の食べ物を買わない、お風呂に入れない、病院から出ている父の薬を隠して飲ませない、帽子や眼鏡や靴を隠して返さない、父のテレビを見れない様にアンテナを隠す、母の外出中は家に居れなくする、猛暑の中施錠して庭に閉じ込める、病院に行かせない、父の医療費だけ払わない、洋服などをハサミで切り捨てる、ベッドのマットを取り上げ堅い板の上や床で寝かせる、これまでの例を挙げるときりがないです。いくら何でも夫婦喧嘩の度を越した行為で、現金や鍵を持たない父は、暑さの中飲み食いもできない状態で、たまらず私の所へ逃げて来た時もありました。私は持病があるので、途中から別居しています。
最近の母は人相もおかしく、トイレやお風呂でぶつぶつ大きな独り言を言っては、人格が変わった様になります。父はもう反抗する気力も体力もないと言いひたすら耐えていますが、何かあってからでは遅いと心配です。でも父も私も怖くて母に病院へ行こうとはとても言えません。攻撃は助けを求める声と聞きましたが、私に何かできる事はないでしょうか?
カウンセラー
嶽きよみ
うーたんさん、はじめまして。
今回 回答させていただきます、嶽きよみ と申します。

ご相談内容を読ませていただいて、うーたんさんが、ご両親のことをとても
心配されていること、そして、なんとか助けたいけれども、どうしていいかわ
からない、という、もういっぱいいっぱいの状態にいらっしゃるのだというこ
とを感じました。

> その根底には、母の心の病があるのではと思います。母はもともと、自分の思い通りにならなかったり、体調が良くなかったりすると、すぐに機嫌が悪くなり、イライラして父や私に八つ当たりする人でした。一旦キレると手を付けられず、昔は包丁を持って暴れたり、父に熱湯をかけたり、危険な事が何度もありました。父も私も皆軽いケガをする事は珍しくありませんでした。

もしかしたら、これは うーたんさんが まだ子供の時からの光景だったのでし
ょうか・・。
だとしたら、うーたんさん自身も、怖い思いをされたり、お母さまがいつキレ
るかという不安を常にどこかで感じていたり、もしかしたら、お母さまの言動
に対しての理不尽な思いを我慢することなども、幾度となくおありだったのか
もしれませんね。
子供心に、それはとても辛いことだったったでしょうね。

お母さまが心の病だったかどうかは、わたし達カウンセラーが判断できるもの
ではないのですが、人が攻撃的になる時の多くは、それと同じかそれ以上の強
い態度で自分自身を攻撃したり責めたりしている・・・と考えられると思います。

お母さまの心の中も、どれだけ不安定で、ご自分のことを大事にされていなか
ったのだろうかと思います。

ただ、現実的には、お父さまのこともとても心配ですよね。

>これまでの例を挙げるときりがないです。いくら何でも夫婦喧嘩の度を越した行為で、現金や鍵を持たない父は、暑さの中飲み食いもできない状態で、たまらず私の所へ逃げて来た時もありました。

でも、本当に、ものすごく長い間、お父さまはその「虐待」とも言えるような
状態の中で、過ごしてこられたということなんですよね。

そして、もしかしたら 命の危険さえ感じるような状況から、お父さまは、抵
抗しようとも逃げようともされてこなかったということなのでしょうか。

>父はもう反抗する気力も体力もないと言いひたすら耐えていますが、何かあってからでは遅いと心配です。

本当にそうですよね。うーたんさんのご心配ももっともだと思います。

でも、これを心理的な部分だけで考えてみると、お父さまがそんな状態になっ
てまで、じっと耐えていらっしゃるのは、もしかしたら、お二人が「共依存」
という関係になってしまっている、と言えるのかもしれません。

「共依存」というのは、言葉のとおり、お互いが依存しながら、お互いを必要
としている状態ということなんですが、
「相互依存」と言われる、お互いが自立しながら相手と繋がっている関係との
大きな違いは、
それが『問題』というものを介して繋がっている、ということなんですね。

わかりやすい例で言うと、アルコール依存症で暴れる夫と、それに耐えながら
支える妻、のような関係性です。

つまり、問題を持っている夫は、それを相手になんらかの形で解決してもらお
うとすることで相手を必要とし、

それを支えようとする妻は、「私にしか あの人をわかってあげられないから
」というような気持ちで夫を支える自分に、価値を感じる…ことを必要として
いる。

ちょっとややこしいですが、つまり、支える側の隠れた心理としては、相手に
問題がなくなってしまうと、自分の価値を感じられなくなってしまう、とい
う感覚が起こってしまっているということなんですね。

そして問題を持っている夫も、それがあるから妻は支えてくれている、と誤解
している状態です。

そうなると、問題というもの自体が、二人を繋げるために必要なものとなって
しまうわけです。

もしかしたら、ご両親の間にも、少しこれと似たような心理状態が起こってい
るのかもしれません。

この関係性を改善していくためには、まずは 支えている側(つまりお父さま
ですね)が自立して行くことで、相手を本当の意味で支えるということが
必要になってくるのではないかと思います。

ただ、うーたんさんのご両親の場合、それをとても長い時間続けてこられたの
で、もしかしたら お二人だけで解決するのは難しいのかもしれません。

>でも父も私も怖くて母に病院へ行こうとはとても言えません。攻撃は助けを求める声と聞きましたが、私に何かできる事はないでしょうか?

そうですよね。お父さまもうーたんさんも、病院へ行こうと言うことだけでも
、怖い気持ちが出てきてしまうんですよね。
そして、多分 それと同じくらいかそれ以上に、お母さまも、病院へ行くこと
を怖れていらっしゃるのかもしれませんね。

そういう意味では、うーたんさんがお母さまの怖れを少しでも軽くしてあげ
ることが、助けになるかもしれませんね。

そして、もしかしたら、病院にお連れになるのは、家族だけでお考えになるよ
りも、例えば親戚の方や知人の方などに頼ってみることも、一つの方法かもし
れません。
また、行政の保険師の方などが、具体的な援助をしてくださるかもしれません

助けを求めることは、時には とても勇気を必要とすることだと思います。
でも、今回 うーたんさんは、勇気を出して こちらに投稿して下さいました。
それは、ご両親には出来ないことをしてくださったわけです。

うーたんさんも持病を抱えていらっしゃるということで、なかなか気持ちが休
まることもなかったかもしれませんね。
お母さまの心からも、悲痛な叫びが聞こえて来るかのようですが、うーたんさ
んやお父さまの心のケアもまた、とても大切だと思います。

よかったら、カウンセリングもお使いになってみてください。
ひとりで頑張らない。家族だけの問題にしない。ということを、まずはおすす
めしたいと思います。

ご相談 ありがとうございました。

嶽きよみ

この記事を書いたカウンセラー

About Author

柔軟な視点で問題を捉え「人間関係」「自己表現」「セクシャリティ」に関する悩みを多く扱う。 特に、現役で自身のビジネスも続けていることから、やりたいことを見つける、夢を叶える、など自己実現のサポートを得意としている。 「見た目の印象とは違い、声に癒される」との声が多く寄せられている。