相談者名 | ささすけ |
ここ最近自分の心と向き合うことにチャレンジしいて、自分はいっぱい苦しんでいたことや辛かったこと、傷ついていたこと、 それを周りの人にわかって欲しかったこと、わかってもらえないことに怒っていたことに気づきました。 父親と母親にも、もしかしたら自分達も哀しい気持ちを抱えながらも不器用だったけど自分を愛してくれていたのかな、という気持ちにもなれました。 すると次に、私も人を言葉や態度で傷つけていたかもしれないという気持ちが出てきたんです。 私が「嫌われて悲しかった」「傷ついた」と言っても、私を嫌っている人達からすれば、 また、嫌われた相手や傷つけられた相手を許すことにもチャレンジしていますが、自分が相手を許せて親しげに話しかけれるようになったとしても、相手の方がまだ私を許してなくて、嫌われたままならどうすればいいのだろう。 このような疑問には、どう向き合えばいいのでしょう。 | |
カウンセラー | 大塚亘 |
ささすけさん、はじめまして。 今回担当させていただきます、大塚亘と申します。 人間は、なにか辛かったり、苦しかったり、傷ついたことがあると、辛い思いをしなければならなかった状況や、苦しめられたり、傷つけられたりした相手に対して、被害者意識をもつものです。 辛い思いをしたのは、この社会が悪いとか、傷ついたのはお前のせいだ、というような感じですね。 実際に、辛い思いをしなければならなかった状況があったことや、傷つけられた相手がいたことは事実ですから、被害者意識を持つことは自然なことだと思います。 そして、自らが傷ついているときに、他の誰かに優しくできるかというと、それはなかなかできないことだと私は思うのです。 ささすけさんが、もし過去に傷ついていたとしたら、気持ちに余裕がなかったと思いますし、被害者意識による怒りを自然に持つと思います。そして、その怒りを別の誰かにぶつけてしまうというのは、私は、無理のないことだと思いますし、仕方がなかったことだと思いますよ。 ささすけさんが、仮に本当に人を言葉や態度で傷つけたり、人をからかってしまったり、嫌いという態度を出し過ぎていたとしたら、そのようなことをしないと心が持たないくらい、ささすけさんは傷ついていたのだと思います。 ですから、まずは、過去のどのような出来事も、ささすけさんが、ご自身で自分を許してあげてほしいのです。 「そのときは、自分自身が辛かったのだから、仕方がなかったんだよ」 と、過去の自分をイメージしながら、何度も何度も許しの言葉を、過去の自分に頭の中で伝えてみてくださいね。 さて、私は、冒頭に、被害者意識を持つことは自然なことだと書きました。それは本当にそうだと思います。 しかし、だからと言って、いつまでも被害者意識のままだと、心理的には、過去の傷つけられた体験にいつまでもしがみついているという構図になります。自分を傷つけた相手のことを恨み続けているということは、実は、 「自分で自分を縛り続けている」 といえるのです。 もちろん、絶対に一生許せない、というくらい強い怒りを持つこともあるかもしれませんし、被害者意識から抜け出すことは、なかなか難しい場合もあるかもしれません。 しかし、いつまでも被害者意識のままだと、自分が幸せになれないかもしれません。 それでは、どうしたら被害者意識から抜け出すことが出来るのでしょうか、その方法の一つは、 「過去の自分を傷つけた人を、なにか事情があってそうしたのではないか、と理解し、許していく」 ということです。 過去の出来事はどうやっても変えることはできないわけですが、傷つけられた相手の事情を理解し、 「そういうことなら、仕方なかったのかもしれないな」 と相手を許していくことにより、自らが楽になっていくのです。 この、「相手を理解し、相手を許し、そして自らが楽になっていく」ということは、言葉では簡単に言えますが、実は、人間としての大きな器や、大きな優しさ、人間としての深い成熟さがないと、なかなかできるものではないと思います。 しかし、ささすけさんは、 「父親と母親にも、もしかしたら自分達も哀しい気持ちを抱えながらも不器用だったけど自分を愛してくれていたのかな、という気持ちにもなれました。」 と書いてくださいましたよね。 これこそが、まさに、「相手を理解し、許していく」ということですね。ということは、ささすけさんは、既に、人間としての大きな器や、大きな優しさ、人間としての深い成熟さをお持ちであるということです。 犯罪者の話しを書いてくださいましたよね。もし、仮に、被害者、加害者というものが存在し、被害者が加害者をいつまでも非難し続けたとすると、実は、被害者も加害者も、いつまでも辛いままなんですね。 人を非難して楽しい、という人間はいないと思いませんか? つまり、被害者が楽になるためには、非難することを止める、つまり加害者を許すことが必要なんですね。 もし、ささすけさんが、過去に誰かを傷つけたことがあったとしても、被害者意識から抜けるというテーマにおいては、実は、ささすけさんは関係がありません。 「相手の方がまだ私を許してなくて、嫌われたままならどうすればいいのだろう」、と書いてくださいましたが、被害者意識から抜け出せるかどうかは、ささすけさんではなく、被害者である相手の問題なのです。ささすけさんの問題ではないのです。 そして、ささすけさんがご自身の親御さんを理解し、許しを進めていってくれたように、ささすけさんに傷つけられた人がいたとしたら、その人も、ささすけさんを許すことによって、被害者意識から抜け出して、楽になっていくわけですね。 人間は、多かれ少なかれ、生きていれば様々な辛い出来事や悲しい出来事に遭遇します。そして、それは避けられないことだと思いませんか? そして、その辛い出来事や悲しい出来事があった時に、自分の心がすさんでしまうのも、無理のないことだと思います。そんなときは、人間だれしも、程度の差こそあれ、周りの人間を傷つけているものなのです。 過去に人間を傷つけたことがあるのは、ささすけさんだけでなく、私も含め、人間全員といっても過言ではないと思いますよ。 ささすけさんが、過去に心がすさんでいた時に、人に対して優しくできなかったことは、無理のなかったことです。ですから、ささすけさんがご自身をもっともっと許してあげてくださいね。 そして、ご自身の心と向き合うことにチャレンジされて、親御さんを理解し許してくださったことは、ささすけさんが、人間としての大きな器や、大きな優しさ、人間としての深い成熟さをお持ちなのだということです。 そして、仮にささすけさんが過去に誰かを傷つけたことがあったとしても、ささすけさんが親御さんを許してくださったように、その方はささすけさんを既に許してくれていると思いますよ。 つまり、既に、加害者も被害者もない、何もない無害の世界になっていると思いますよ。 どうか、ささすけさんが、ご自身をもっともっと許してあげてくださいね。 読んでくださり、ありがとうございました。 大塚亘 |