平和に彼女を手放せたなら

相談者名
かける
先日、好きだった人と話をし、“もう疲れた。同じことの繰り返し。もうそんなこと話したくない”と言われました。
彼女には彼氏がいて、それでも自分が告白し、なんとなく曖昧な関係が続いていたのですが、彼女は彼氏を選びました。それから友達でいようとしたのですが、彼女が離れた寂しさ、でも忘れなきゃ、離れなきゃという思考から“会いたい”と言ったり“やっぱり一緒にはいれない”と言ったりということを繰り返してしまいました。結果、彼女は自分に振り回されるのに疲れてしまいました。
その時話した内容は、「自分は彼女が好きだけれど、もうそうふるまってはいけないから、友達でいることがすごく窮屈だ。関係性が自由じゃない。友達はフィフティフィフティだから成り立つのであって、いまの自分は気持ちを抑えてないと友達でいられない。それはそうしないともうそばにいないよ、って言われてるみたいで脅されてるみたいだ」というものでした。
最後の話の時、
“もうかけるの気持ちなんかどうでもいいし、ほかの人たちと一緒にいた方が楽しい。友達でいるかはあなた次第。フェアじゃないって思われてるならそれでも構わない”
ときついことを言われました。
その時、自分は悔しさや自分の扱われ方に我慢ができず、“そんなの友達だと思ってる相手にとる態度じゃないだろ”と捨て台詞を吐き、電話を切りました。
彼女は友達でいたいと言いながらも、自分に諦めてもらいたいためにちょっと冷たい態度を自分にとっていました。彼女は優しかったのでその変化に対応できなかった自分がいます。寂しかったんです。それに、諦めきれなかった。
いま、やっと彼女を諦めきれました。そして心がとても穏やかで静かなんです。“ああ、やっと休める”そんな感覚があります。結果、彼女を手放すことができたのですが、同時に彼女を失うことにもなりました。
自分は窮屈でいたくはなかったし、自由でいたかった。だから自分の意思を伝えた。たとえ彼女がそれを受け取ってくれなかったとしても。
これはこれでよかったんだと思います。
ただ、いつもこんな感じになってしまうんです。彼女を手放す時=失う時なんです。
今後のために聞きたいのですが、もっと温和な、平和的な方法で彼女を手放し、良好な友達でいることというのはできたのでしょうか?意見をお聞かせください。
カウンセラー
小倉健太郎
かけるさん、はじめまして。

担当をさせて頂きます、小倉健太郎と申します。

文章を読ませて頂きまして、かけるさんの気持ちがとてもよく伝わってきました。

彼女のことを好きだったこと。好きだったこと。好きだったこと。

そして、本当は今もまだ大好きなのではないでしょうか?

一度好きになった人なんて、そんなに簡単に嫌いになんてなれないし、まして出来たとしても、そんな努力はもうまっぴらごめんですよね。

けれども、かけるさんも彼女の本当の気持ちには気が付いていなかったと思うのですね。

それは、彼女もかけるさんのことを好きだったこと。

「そんなことは無い。彼女は僕の事が嫌いだったから、元彼にも戻ったし、あんなひどい態度もしたんだ。」って思うかもしれません。

けれども、彼女の本当の気持ちはこうだったと思います。

「かけるさんだったら、今の彼との関係がめちゃくちゃになるリスクを冒してもいい。かけるさんにはそれぐらいの価値がある。私はかけるさんが好き。」

女性にとって、彼氏がいるのに告白された気持ちに応えようとしてくれたなんて、それはすごいリスクを冒してくれたことだと思うのですね。

けれども、かけるさんは、彼女のことはすごく素敵だと思いながら、自分の事はすごく小さく扱って、彼女の気持ちに全く気が付けなかったなんてことはありませんか?

そして、彼女もかけるさんとは理想の関係を夢見て彼女なりに一生懸命頑張ってみたんだけど、どうしても受け入れる事が出来ず、かけるさんには申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまったんだと思います。

もしかしたらかけるさんは、「そんな事はない。頑張っていたのは僕ばかりで、彼女は全然頑張っていない。」と思ってしまわれるかもしれません。

けれども、具体的にああしたとかこうしたという事は無くても、少なくとも、心の中では、かけるさんの気持ちを受け入れようと、精一杯頑張ってくれていたと思いますよ。

例えば、彼女が“もうかけるの気持ちなんかどうでもいい”と言った理由は、かけるさんは気が付いていますか?

この言葉、裏を返せば、今までずっとかけるさんの気持ちを考えて、なんとかしたかったという気持ちがあったということになると思います。

けれどもどうにもならなかった、だからかけるさんとの関係を切るしか無かった。

だから、関係を切られたという最後の態度だけを見ずに、そうなった過程もきちんと見てあげて欲しいなと思うのですね。

自分が彼女にそんなにも想われていたなんて、ちゃんと気がついていましたか?

どうか、この事を、自分は彼女の気持ちを理解できずに駄目な奴だと責めたり、じゃあなんで自分との関係をあきらめるんだよと彼女の攻撃の材料に使うのではなく、ただこんな風に考えて欲しいのですね。

「僕は、本当は彼女に愛されていた。ただ気が付けなかっただけなんだ。自分は本当に愛される価値のある男だったんだ。気が付けなくてごめんね。」と。

かけるさんは、本当に誠実に女性を愛する勇気を持っている人だと思います。

彼女への愛は本物でしたよね?

そして、これは重要なことなのでよく覚えておいて欲しいのですが、ほとんどの女性は自分がそんなにまで愛されるだなんて思っていないと思います。

なので、かけるさんのように本当に誠実に女性を愛せる男性が現れると、そこまで自分が愛されている事を信じる事が出来ずに、騙されているのではないかとか、信じた後で裏切られるのではないかとか、怖くなって逃げ出してしまいたくなることも多いと思います。

今回のケースは、かけるさんの愛が少なかったというより、大きすぎて彼女が受け入れられなかったのではないかと思いますよ。

そして、もうひとつ重要な事があるのですが、彼女がかけるさんとの関係を切りたくなったタイミングですんなりと別れを受け入れることは、同時に彼女に対して最大限の愛情を感じさせてあげられる瞬間でもあると思います。

かけるさんも、その事は理解されていたかもしれませんね。

けれども、自分の事をどれだけ愛されているかを理解出来ていないので、どうしても惨めな気持ちが出てしまい、すんなりと別れてあげることが出来なかったのではないでしょうか?

なので、次に誰か好きになれる人に出会えたら、自分が彼女を愛するだけでなく、彼女の自分に対する愛をもっともっとたくさん探して欲しいなと思いますよ。

そして、自分が愛されている実感が出来た度合いだけ、もし手放す必要が出来た時も、平和的に、心穏やかに出来るのではないのかなと思います。

かけるさんにとって、過去の恋愛はこんなパターンが多かったのですね?

けれども、その過去をポジティブに捉えるとするならば、過去にも同じことがあってもまた好きな人に出会えたんだから、またこれから先も、また新しい出会いはあると思います。

そして、良かったことはそのままで、悪かったことだけ見直して欲しいなと思うのですね。

今、かけるさんは本当にきつい思いをして、心が休める状態になりましたよね。

では、疲れて傷ついた気持ちを労わり、十分休めたなと思えたら、今度は、今回の恋愛を振り返りながら、一体自分のどこが悪かったんだろう、もし次に恋が出来たとしたら、今度はどんな風に、何をしようと考えてみて欲しいのですね。

かけるさんは、女性から見て本当に魅力的で素敵な男性なんだと思います。

ロマンチックで、情熱的で、恋をする相手としてふさわしい資質が備わっていると思います。

だから、もっと愛そうなんて考えるよりは、もっと自分に向けられた愛に気が付こうと考えたほうがうまくいくような気がしますよ。

かけるさんの素敵な恋愛を応援していますね。

今回は、ご相談ありがとうございました。

少しでも参考になりましたら幸いです。

この記事を書いたカウンセラー