負い目のある義父に対する義母の攻撃の仕方

相談者名
さりー
 同居の義母の精神状態を普通には思えず,私まで精神的にどうにかなってしまいそうなので,ご相談させていただきたいと思いました.よろしくお願いします.
義母は過去に義父の両親(どちらも20年程前に他界)と同居しており,生活費を全て頼られ,裕福だった義母の父親も義父の両親にせがまれてお金を出したことがたびたび,でも孫の面倒は一切みないというような生活を送ってきたようです.義父は仕事人間で家庭内のことは全て義母まかせ,少ないお給料で義母がやりくりし,2人の子供を大学まで出しました.ここまでは義母に対して,同情と尊敬の気持ちをもつことができます.
しかし,同居後(3年前)に知ったのですが,それまでのことで義父に対してものすごい憎しみをもっており,義父がちょっとでも義母の気に入らないことをすると,そのことで何度も何年たっても義父をものすごい勢いで責め続けています.義父が言い訳をすると,「自分の父親にお金を出させといて,父親が死んだら私にひどいことをするの」と怒ります.きっかけはとても小さなことですが,最終的にはすべて女性とお金がらみです.
女性の件は,例えば突然昔の女性の同僚が尋ねてきて,部屋に通して自分を無視して2人で話していたことで浮気を疑い,バス旅行で義父のとなりに座ったバスガイドがうたたねをして義父の肩にもたれかかったことで,プロが仕事中にうたたねをするなんて許せないし,それを起こさなかった義父が許せない,薬局でもらった薬でわからないことがあったので,その女性の薬剤師に義父が電話をしたら,義母も薬剤師の免許をもっているのに(働いたことはない),女性と話したかったから電話をしたんだと,1週間くらい続けて,1日中義父を女たらし,自分を馬鹿にしたと怒っています.全て数年前の話です.でも,ここまでは義父と義母の喧嘩とわりきって考えられるのですが,もう1つ女たらしの話で,子供の行事で私の実母も呼んだときに,帰り際に一度挨拶をしたのに義父が義母をおいて私の母に恋人のようにかけより,また挨拶をしていた,自分は1人で置き去りにされたと怒るのです.もう2年前の話ですし,傍目から見てもそういうふうにはとれなかったのですが,1度だけならともかく,私の母を原因にして怒りをあらわされると,私はとてもいやな気分になります.そもそも私の母を嫌いだと宣言されているし,その原因も社交辞令を社交辞令と義母がうけとめられないことにあるんです.私が義母が私の母に対してひどいと受け止めたことについて,謝り続けても冷静になるどころか,気が済むまで悪口を言い続けます.私もたまらなくなって「お義母さんの言ったことで私が傷ついたことだってあるんです」というと「あなたはそう感じなければいいじゃない」といいます.喧嘩をしていないときでも子供の前で「おじいちゃんは女たらしだ,おじいちゃんじゃないよ,悪魔だよ」といいます.主人がなだめても,義父が弁解しても,「自分がそう感じたんだから,その気持ちは変えられない.自分がそう感じたんだからしかたない.自分はなあなあで生きていくような人間ではない」といいます.そして,いつも最終的には義母の実家の父親がいかにすばらしかったかというような回想をし続けます.
義母は今65ですが,幼い頃兄弟4人いるうちでなぜか義母だけが祖父母に預けられるという経験をしているようです.私は幼い頃の義母の愛情に飢えた部分と結婚後の苦労がまざりあって,義母をおかしくしているのではないかと思うのです.とくに今年のお正月に私が実家から帰って挨拶に行くと,義母は怒っている最中で,「なぜ私が挨拶をうけなきゃいけないの.他の女ばかりに気をつかって」と義父をくつでたたきながら玄関から飛び出そうとしていました.以前にも義姉が嫁ぎ先の愚痴を言ったら,話し合いの席で義母が怒ってそこから飛び出して行ったそうです.嫁ぎ先の父親が追いかけてきて「自分が悪かった」とあやまってくれたことを義母が正しかったからああいう人間でもあやまってくれたと断言します.ちょっとでも義母が悪く言われたと思っただけで,怒り狂って外に飛び出そうとしたり,トイレに立てこもったりします.普段は孫にもやさしく,私にもプレゼントをくれたり,ゆったりと話す義母です.そのギャップにどうしていいのかわかりません.私自身も実家がらみでいやがらせをうけるので,帰省や両家がそろう行事が近くなると憂鬱になります.義父はどんなことを言われようがされようが,ずっとあやまり続けています.義母の受け止め方がおかしいような場合でも,義父が私に対して文句を言います.夫は義父に離婚をすすめており,義母も離婚したがっているのですが,義父は拒否します.義母といたいそうです.私は義母にカウンセリングを受けてほしいと思っています.
カウンセラー
根本裕幸(退会)
サリーさん、こんばんわ。根本です。
ご相談ありがとうございます。我慢ばかりが続く苦しい状況ですね。
サリーさん自身、よく自分がもってるなあ、耐えてるなあ、て感じませんか?
それくらいしんどい状況だと思いますし、かつ、こう着状態にもあって、なかなか変化を招きにくい状況かもしれません。
くれぐれも心の状態には気を配ってくださいね。

僕がサリーさんにお勧めしたいことは、まずはそんなお義母さんへの怒りや憎しみの感情を処理して欲しいな、というところです。
そこでヒントになるのが、お義母さん自身が受けた憎しみの感情です。
サリーさんも察しておられるように、彼女自身、並大抵ではない我慢を嫁ぎ先で受けてきたわけですよね。
それをきっと何十年もずっと我慢して我慢してこられたんだろうと思います。
その結果が今の彼女の姿だと思われるんですね。
それは何を意味しているでしょうか?

環境は引き継がれます。
サリーさんが精神的におかしくなってしまいそうに感じているのはそのサインと捉えて頂いてもいいかもしれません。

人の心の中には誰にも醜いものとはいえ、復讐心があります。
自分がどれだけ辛い思いをしてきたのか、自分がどれくらい我慢してきたのか、自分がどれくらい苦しんでいるのかを誰かに伝えたい衝動です。
それは「いじめっこは元いじめられっこ」という言葉にも表れているように。
また「ああはなりたくないものに、人はなってしまう」という言葉もあります。

そして、それは意識的なものというよりも、無意識的に人から人へと受け継がれていくようです。

その鎖を断ち切る方法の一つが感情の解放とそれに続く許しのプロセスです。
もしそんなお義母さんを許せるようなサリーさんって、どのような女性なのでしょうか。
それを究極の目標にされてみてはいかがでしょうか。

>  義母は過去に義父の両親(どちらも20年程前に他界)と同居しており,生活費を全て頼られ,裕福だった義母の父親も義父の両親にせがまれてお金を出したことがたびたび,でも孫の面倒は一切みないというような生活を送ってきたようです.義父は仕事人間で家庭内のことは全て義母まかせ,少ないお給料で義母がやりくりし,2人の子供を大学まで出しました.ここまでは義母に対して,同情と尊敬の気持ちをもつことができます.

それは素晴らしい面をお持ちですね。
今でも優しい愛情を感じられるときのお義母さんはこんな一面を表しているのではないでしょうか。

>  しかし,同居後(3年前)に知ったのですが,それまでのことで義父に対してものすごい憎しみをもっており,義父がちょっとでも義母の気に入らないことをすると,そのことで何度も何年たっても義父をものすごい勢いで責め続けています.義父が言い訳をすると,「自分の父親にお金を出させといて,父親が死んだら私にひどいことをするの」と怒ります.きっかけはとても小さなことですが,最終的にはすべて女性とお金がらみです.

お義母さん自身、どれくらい我慢して生きてこられたんでしょうね。
生活費を奪われ、自分の家族へも迷惑をかけ、でも、仕事ばかりでこちらを向いてくれない旦那のいる生活。
もし、サリーさんがその環境におかれてたと想像してみてください。

どんな毎日がそこに生まれるでしょうね。
子どもに対してのみ愛を注ぎ、精一杯、育てていくことに意識を集中させてしまうかもしれません。
あるいは、そんな状況に耐え切れず、家を飛び出してしまうかもしれません。

>  義母は今65ですが,幼い頃兄弟4人いるうちでなぜか義母だけが祖父母に預けられるという経験をしているようです.私は幼い頃の義母の愛情に飢えた部分と結婚後の苦労がまざりあって,義母をおかしくしているのではないかと思うのです.

それはいい理解をされていると思います。
僕もこの点はとても大切だろうと思います。

子どもの時に、両親からの愛情をもらえなかったとしたら、きっと見捨てられてしまったような気持ちになるでしょう。
お義母さんの態度に「見捨てる」に関わるものは見受けられませんか?
捨てる、捨てられる。
そんなトラウマは本当に僕たちの人生を苦しめるものだろうと思います。

彼女が自分のお父さんを自慢するのは、それ以外に心を頼らせる場所がなかったのかもしれませんし、彼女自身、それを本当に手に入れたことがないわけですから、自分自身の願望を表しているのかもしれません。

そして、結婚後の苦しみもあって、彼女自身、本当に心が休まる時間や場所がほとんど与えられなかったといってもいいのかもしれません。
原が講座に書いていたように、余裕がないときに人は優しさをもてません。
お義母さんにとっては、本当に余裕の無い毎日を何十年も過ごしてしまったのかもしれませんね。
同時に愛情が分からない分、常に試行錯誤だったろうと思います。
過剰に優しくしてしまったり、逆に突き放してしまったり。

サリーさんには、もう一歩深くお義母さんの気持ちを感じてみてはいかがでしょうか。
家の中ではそれはしんどいかと思いますし、怒りや憎しみから、さらに深く理解しようとするだけで気分が悪くなるかもしれません。
でも、長い目でサリーさんやお義母さんの今後のことを考えた時に、早い死を望むよりも、お義母さんが愛情を知り、本来の慈愛に満ちた姿がメインになるようにプロセスを進めていくのが何よりではないかと思うのです。

> 夫は義父に離婚をすすめており,義母も離婚したがっているのですが,義父は拒否します.義母といたいそうです..

どうしてお義父さんはお義母さんと一緒にいたいのでしょう?
そこにも何かカギがあるのかもしれません。

少し厳しく、きついことを書いてしまったかもしれませんが、サリーさんが自分を保ちつつ、心をケアしつつ、幸せな家族を創って行って欲しいと願ってます。
いつか、みんなが笑える家庭ができたら、本当に幸せですね。
その構築に関わることは大きな誇りだろうし、後で手に入れる幸せもとても大きいものになるのではないでしょうか。

ありがとうございました。

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