苦手な友人のことで悩んでいます。

相談者名
加代
彼女とは約2年前に知り合いました。
彼女は私と同じく、既婚、子供がいなく専業主婦です。私は31歳、彼女は37歳です。
特に用事がなければ週に1回は誘われて会っています。
私から誘おうと思っても、その前に彼女から誘われてしまい私からは誘ったことがありません。
他の友人とは、いくら仲が良い友達でも近くに住んでいたとしても、1ヵ月に1回会っていればいいほうなので、彼女のペースには最初は戸惑いましたが、私のことを良く思ってくれていたし、せっかくの出会いなんだから大事にしようと思い、誘われたらいつも会っていたんです。
彼女は毎回手の込んだ料理を一緒にしたがります。因みにその材料はいつも割り勘です。その買物を任されることもあります。うちにネギがあったら持ってきて、なんて言われることもあります。
最初は私も楽しんで作っていたのですが、だんだん面倒になってきて、最近では全く楽しくありません。。
こんなこともあります。彼女の家にでかける前に、スーパーに寄って行くね、と言ったら、じゃあお砂糖買ってきてちょうだいとか、どうしてもって時なら分かりますが、こういうことが多々あります。そういう時彼女は、「ごめんね、買物行く時間ない」「スーパーまで行くの面倒で」と言い訳します。
私はそんな彼女に、なんて図々しいんだろう、無遠慮なんだろうと思ってしまって腹が立つのです。
以前は、今日は私が彼女の家に行ったから、今度は彼女が私の家に来るというふうに行き来していましたが、半年前から彼女のうちで犬を飼い始めて、それからは犬を理由に家から出られないからと、私がいつも出向くようになりました。
理由は分かりますが、そうすると彼女のペースでいつも私が彼女の家に行くことになるのです。
私はもともと遠慮がちでノーとはっきり言えない質で、相手に合わせてしまうので、彼女のように常に押され気味ではますます断わりづらく、また、特に用がないと何と言って断わればいいか悩んでしまいます。
誘われたり何か頼まれても、断われる時は断わっているのですが、それが頻繁にあるので苦痛です。
2年間頻繁に会っていても、私の中では仲が深まることもなく、彼女といてもリラックスできず、自分を出せないでいる自分がいるのです。
そんな彼女とどううまく付き合えるのでしょうか。
どうか、宜しくお願いいたします。
カウンセラー
山下ちなみ
加代さん、ご相談、ありがとうございます。
週イチペースで会っている友人に、ついでの買い物を頼まれたり、自分ばかりが彼女の家に行くというように、彼女のペースで会っている、そんな感じなのですね。
そんな彼女に対して、図々しい、無遠慮と腹が立つのですね。加代さんは、こんな風に感じませんか。
「私だったら、こんなことはしないのに」

私たちは、自分に禁止していることをされると、腹が立ちます。
例えば、自分がダイエットして甘いものを我慢しているのに、目の前でおいしそうにケーキを食べられたら、なんとなくムッとすると思いませんか?

しかし、実は、わざわざ「禁止する」ということは、自分の中にもお友達と同じような部分がある、ということを表しています。
なければ禁止する必要はありませんものね。
そもそも、自分の中にないものは、人にも見えないんですね。
そして、そんな部分を自分が嫌っているとき、抑圧したり隠そうとするのです。
つまり、加代さんはご自分で自分のことを、図々しい、無遠慮なところがあるけれども、それは人前ではださないようにしている、とどこかで思っているんですね。

ところが、心には力学があって、自分が抑圧しているものは、外からやってくるという法則があります。
例えば、自分が図々しくならないように遠慮していると、周囲に図々しくて無遠慮なひとが増えてくるんです!!
(そう感じるということで、正確には目につきやすくなるのです)

ところが、図々しいひとに腹が立つと思うほど、自分はますます自分が思っていることを言えずに遠慮してしまうのです。

私が図々しいひとに腹が立つ

私と同じように周囲のひとたちも、私が遠慮をしなかったら図々しいと思うだろう

そして、ますます遠慮する

周囲にはますます無遠慮なひとが増えてしまう

このことを潜在的に見ると、加代さんがお友達に対して腹が立つと責めているとき、実は、自分の中にあるそんな部分を責めていることになるのです。
加代さんが一緒にいても楽しくない、リラックスできない、と思っても、彼女はなんともありませんよね。
一方の加代さんは、そう思えば思うほど、自分を出せなくなってしまったりして、しんどくなってくるのではないでしょうか。
ですから、お友達に対して腹が立つのなら、相手を責めるのではなく、自分を責めていることに気づき、自分が自分に禁止していることから開放してあげる必要があります。

自分の中にも、彼女と同じように自分の意見や、ときとして相手に頼りたい気持ちがあるのだということを認めてあげましょう。
自分の気持ちを抑圧したり隠しているとき、膨大なエネルギーが必要になるからしんどくなってしまいます。
お友達を見ていると、何で私は抑えているんだろう、私ばかりが我慢をしている、と虚しくなったり、傷ついたり、悲しくなったりしてしまうのではないでしょうか。
抑圧していると、やる気そのものも失われてしまいます。

自分を禁止から解放してあげるには、こんな言葉を自分にかけてあげるのも効果的です。
遠慮しなくてもいいんだよ。
相手に合わせなくてもいいんだよ。
相手を頼りにしてもいいんだよ。

「でも、図々しいみたいで出来ない」
そんな風に思ったとしても大丈夫です。
「許可を出す」と言いますが、禁止が「~してはいけない」と言うのに対して、許可は、「~してもいいんだよ」というメッセージです。
無理に出す必要はありませんが、抑える必要もないということです。
してもいいし、しなくてもいい。
選択の自由が自分にあると、自分が知るということなんです。
まずは、自分に許可を出してあげましょう。
許可と言うのは、喩えて言うならコップの中身を出すということです。
中身を出してゆとりができれば、落ち着いて、今の自分にできることを考える余裕がでてきますね。

そして、落ち着いたときに、まず確認したいのが、あなたが向かう目的地ですね。
加代さんは、そのお友達とどうなりたいと思っていますか?
つながりが欲しいですか。
親密感ですか。
共に楽しむことでしょうか。
お互いの理解でしょうか。

こうした本来の目的を意識しながら、加代さんの気持ちをコミュニケーションしていきましょう。
自分に禁止をしていることがあると、コミュニケーションに制限がついてしまいます。
自分に許可を与えることが、ここで役に立つのですね。

どんな気持ちを伝えたいですか。
大切なのは、彼女の気持ちを聞くのではなく、あなたの気持ちを伝えると言うこと。
私は~したいの。
私は~だと感じるの。

実際のやりとりはキャッチボールなので、思ったとおりに話すことはできないかもしれません。
でも、何を伝えたいかを考えておくとスムーズに伝えられるようです。

やり始めてからも、ゆきづまったり、しんどくなったら、自分に許可を出すということを思い出してくださいね。
また、ひとりではなかなか難しいこともあると思います。
そんなときには、カウンセリングも利用してみてください。

ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

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