「金づる」と言われ

相談者名
プラズマ
こんにちは。現在大学3年生のプラズマと申します。最近、両親に「お前は老後の金づるだ」と言われたのがとてもショックで、ご相談させて頂きます。私は長男ということで、下の兄弟に比べれば、老後の世話を先頭切ってやるのが望ましい、或いは当然なのかもしれません。さらに、私は大学に通わせてもらっていますから、両親としては「大学まで自分らの金でいかせてやったのだから、いわば『恩返し』して当然だろう」と思って言っているのでしょう。常日頃から「お前の学費のせいで・・・」とぼやかれています。その分、私が就職して稼いだお金で返してもらおう。そのように考えているようにみえます。
しかし、私には夢があり、大学を卒業しても就職はしないつもりなのです。具体的には、大学院に進学し、研究者(大学の教員)になるのが夢なのです。親からは進学するなら一円もお前に出さない、と言われていますが、それなら今からアルバイトをして(もう始めています)、さらに、進学したら奨学金を借りて、親に頼らずに進学しようと思っています。そのことは、親にも伝えました。しかし、それでも「あと最短7年(大学学部2年+修士2年+博士3年)も学生でいられるのは困る」「それ、儲かるの?」などと両親は反対しています。「自分のお金」で行くのに、何が困るのだろう?と思っていましたが、進学した場合「金づる」になりえないから反対しているのだと思うとゾッとします。
進学の話はまだ先のことですから、そのことは今回は考慮しないにしても、「(老後の)金づる」呼ばわりされたことには驚きました。今まで私が親を大学の学費などの「金づる」にしていたのだから、老後は親の世話をする(弱ったら施設に入れる、家電を買うためのお金を出す)のが当然だろう、と。研究者になるために(自分で出すにしても)相当のお金がかかりますし、そうではなくとも、就職だって今厳しいこのご時世(就職難、就職出来てもブラック企業?)、今のうちからそんなプレッシャーをかけられても困ります。親は今頑張っているのから不可能ではないと思うのかもしれませんが、私は、どうかわかりません(親もお金が無いようで、私の小遣いも貰えなくなりました。)
この先行き見えない時代、私のような目標と親を持つような人間はどうしたらよいのでしょうか。漠然とした質問で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
カウンセラー
小倉健太郎
プラズマさん、始めまして。
担当をさせて頂きます、小倉健太郎と申ます。

「親の心、子知らず」ということわざはよく知られていると思いますが、全く逆で、「子の心、親知らず。」ということわざもあるのは、ご存知ですか?
プラズマさんの場合は、このことわざがピッタリ当てはまりそうな感じがしますね。

結論から先に言いますと、プラズマさんのご両親がそんな風に言うのは、プラズマさんのご両親からみたら、プラズマさんは、大学生にしてもう既に「頼れるほど、たくましい。」のだと思います。

プラズマさんのご両親は、大学には進学されていますか?
ご両親の年齢にもよると思いますが、昔は高卒が当たり前で、大学に進学するというのは、それだけで「エリート」と見られた時代もあったと思います。
そのような時代では、大学院なんて、雲の上の存在で、まさに、エリート中のエリートだけが行ける、そんな存在だったはずです。
もしかしたら、プラズマさんのご両親は、プラズマさんの事を、「うちの息子は、とんでもなく偉大な人物になってしまった!」なんて思っているかもしれません。

もちろん、自分の息子が、成長し、どんどんと偉大になっていくことは、親として喜ばしい事だと思います。
けれども、親とはいえ人間ですから、「自分の息子(プラズマさん)があまりにも偉大になり過ぎてしまったら、自分たちは見捨てられてしまうのではないか?」と言う不安な気持ちが出てしまってもおかしくありません。

プラズマさんの文章を読んでおりますと、プラズマさんのご両親は、そんな気持ちにかられてしまったのかもしれないなと思いました。

私自身は、プラズマさんのご両親が、プラズマさんを金づるに考えていたと言う訳ではないと思いますし、まして、愛情が無い訳では無いと思います。

どうしてそういうかと言うと、今、ご両親から、「お前は老後の金づるだ」と言われてショックだという事は、大学生になるまで、プラズマさん自身、まさか両親がそんな風に考えているなんて思っていなかったんですよね?
逆に言えば、「愛情を持って育ててくれている。」と感じていましたよね?

だからこそ、ショックだったと思いますし、プラズマさん自身も、両親の老後の面倒を、先頭切ってやるのが望ましいなんて言う考えは出てこなかったのではないかと思います。

そして、今のプラズマさんにとって、大事なのは、夢をあきらめる事でも無く、ご両親を納得させる事を考えるのではなく、構わず夢に向かっていく事では無いかと思います。

だって、ご両親が心配しているのは、もし仮にそれが本心であったとしても、あくまでも老後の事であって、今すぐの事ではないですし、それに、プラズマさんは、ご両親になんと言われようと、ご両親の老後の事は考えておられるし、愛していらっしゃるんですから、それを疑われたからといって、堂々とされていればいいと思うんです。

もしも、ご両親から、もう一度「お前の学費のせいで・・・」と言われたら、こんな風に言ってあげましょう。

「そうだね。苦労かけたね。感謝してます。ありがとう。」

そして、「それ、儲かるの?」と言われたら、こんな風に言ってあげましょう。

「わからないよ。でも、僕の夢だし、もしかしたら大金持ちになって、父さん、母さんを楽させてあげられるかもしれないよ。苦労かけたしね。その時は恩返しだね。」

だって、そう思っていましたよね?
そうでは、ありませんか?

人生には、いろいろな事が起こりますし、身近な人が意外すぎる発言をする事だってあると思います。
どんなに仲のいい同士だからといって、家族だからと言って、信頼関係が揺らいでしまうようなピンチって、当然有り得るんですよね。

今回の、ご相談、「お前は老後の金づるだ」とご両親に言われたというのは、私も驚きました。
でも、本心とは思えませんよ。

そこには、何かしら理由があるように思います。
そして、じゃあ、どうしてご両親がそう言ったのか、私は、プラズマさんが夢を叶えた後にわかるような気がしますよ。

そして、最後にもう一回、プラズマさん、どうか夢をあきらめないで下さい!きっと、プラズマさんは、自分が思っているよりも、偉大な人物になる気がしますよ!

今回は、ご相談ありがとうございました。
何かしら、参考になりましたら幸いです。

小倉健太郎

この記事を書いたカウンセラー