離婚後の両親とのこころの関係

相談者名
maki
重い内容になってしまうかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします。

私は30代の女性です。大学進学とともに上京し結婚しました。そして2年前に離婚し出身地に戻ってきました。子供はいません。ひとりっこの私ですがクセのある母との関係がうまく築けず、進学で距離ができたことで
良好な状態を保っていました。私の中ではずっと東京で暮らして生きたいと思っていました。
しかし離婚し、フリーの仕事のため、一人暮らしをしたくても収入が安定せず選択の余地なく実家暮らしです。

唯一の存在だった父も数年前から自身の個人的なトラブルを抱えてしまったことを機に、加齢とともに日々苛立っていて、この年になっても娘の前で見苦しい、子供っぽいケンカが絶えません。そんな状況を娘として言葉に喩えがたいほど悲しく居心地が悪くやり切れぬ思いでいっぱいです。どうしてこの親のもとに生まれてきたのか・・・わからないです。

そしていつもそんな両親を見ていてこんな夫婦にはなりたくない、と思ってしまうこと。父を見ていて、自分の結婚経験に重ね合わせてしまい、こんな旦那だったら私は絶対イヤだ、と感じてしまうことがとても辛いです。

ひょっとして幼い頃からの潜在的な私の心の中の闇を解決しないまま結婚してしまったことが、離婚の根深い原因をつくってしまったような気がするのです。別れてしまった今更、こんなことを言っても何も始まらないのはわかっています。自分自身の心の闇、そして両親のことをこんな親だけにはないたくないと思い日々いること・・・この苦しい気持ちを整理したらよいのでしょうか。

カウンセラー
下村ひろみ
makiさん、ご相談をお寄せいただきましてありがとうございます。
担当させていただきます 下村ひろみ と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。

離婚された事をきっかけに自分自身の事、ご両親のこと、色んな苦しみを感じておられる毎日かと思います。
どこにどんな原因があるのか、makiさんのお気持ちが少しでも整理出来るようにお手伝いさせていただきますね。

子供っぽいケンカをしながら夫婦を続けているご両親を見たらmakiさんが書いておられる通り、やりきれない気持ちがするでしょうね。
このようにケンカする両親を見て子供は深く傷つきますよね。

そして仲の悪い両親の元にどうしてひとりっ子として生まれてきたのだろうか?こんな疑問も当然沸いてきますよね。

makiさんが傷ついてこられた事に深く心が痛みます。
そしてそれはもちろんmakiさんが悪いのではありません。

しかし原因を探るとするならば、実はmakiさんの中に被害者意識というものが隠れているように私は感じました。

「仲の悪い両親のせいで」
「癖のある母親のせいで」
「トラブルを抱え、苛立っている父親のせいで」
「こんな親のせいで私は幸せになれない」

これは事実であるのかも知れません。
苦しくてたまらないから誰かのせいにしたい。そう思ってしまうのも無理はないことです。

しかしながら被害者がいる場合には必ず加害者が存在します。
makiさんが被害者になってしまったとすれば必然的にご両親は加害者ということになりますよね。

実は誰かを加害者に仕立ててしまう目的とは自分中のある感情を感じたくないからなんです。

それは罪悪感なんです。

ご両親に対して怒りや許せない気持ちを感じることによりご両親を加害者にする。
そしてご自分の中の罪悪感を感じないようにしているということです。

それ程までに実はmakiさん自身が加害者であるかのように自分自身を酷く責めておられるのではないでしょうか。

被害者も加害者もこのポジションに居続けることは何のメリットにもなり得ないのです。
もし自分の中にこのパターンがあると気づいたら出来るだけ早くこの被害者・加害者のポジションから抜け出して無害者のポジションに行くことなんです。

無害者というのは被害者も加害者もいないどちらも悪くないという状態です。

お互いをただ理解し合うだけ。
誰も責めない、自分も責めないという状態は愛とやすらぎを感じるはずです。

makiさんは離婚の事、そしてご両親との事でご自分を責めているような所はありませんか?
もしかしたらこの罪悪感は意識していないだけでずっと前からmakiさんの中にあったものではないかと思うんです。

両親の間でケンカが絶えなかったとしたら、子供の頃から胸を痛められていたはずです。
両親に何とか仲良くしてもらいたいと、ひとりっ子のmakiさんは子供ながらにいっぱい頑張った時代があったのではないでしょうか?

当然ながら大人である両親、夫婦の問題は子供の力では対処できないですよね。
しかし子供は健気にも「自分は何もできない」という無力感と「誰も何もしれくれない」という不信感を持つものなんです。

そして成長する過程の中でその無力感・不信感を感じないためにも誰も当てにせず自分の力だけでなんとか頑張ってこられたのではないですか?

こんな風に子供時代に無力感・不信感を感じると誰かに頼りたい甘えたいという依存心を抑えたまま自立しようとするんですね。
元々makiさんの中に抑圧していたこの依存心が夫婦関係で、そして実家に戻ったことにより噴き出してしまったのだと考えられます。

実家に戻ったのは収入が安定しないためというのももちろんあると思います。
でもどこかに両親に頼りたい、甘えたいという気持ちがありませんでしたか?

この気持ちは決して悪いことではないんですよ。
と言いますのはね、makiさんご自身も離婚された事で深く傷ついておられるのではないかと思うんです。
精神的な拠り所と言いますが、安全な場所が今のmakiさんには必要だと思うんです。
言い換えれば安心して心を癒せる場所です。
しかしそれが今どこにもないと感じられる状況だとしたら尚更辛いですよね。

だからまずはmakiさん自身が素直な自分の気持ちと向き合っていただきたいなって思うんです。
お母様に対して、お父様に対してこうして欲しかったという気持ちも相当あるはずです。
そして両親に心配かけてしまったこと、良い娘じゃなかったこと等、このような申し訳ないような気持ちもどこかに抱えていらっしゃるのではないでしょうか?

どんな感情でもいいんですよ。色んな気持ちが入り混じった複雑な気持ちのまま受け留めてあげて欲しいんです。
子供の頃から感じていた寂しさ、悲しさ、無力感、孤独を感じてあげることで今まで抑えていた感情を少しづつ解放してあげられます。
色んな事を思い出されて涙がいっぱい出てくると思うんです。その時はどうか涙を止めないであげてくださいね。
涙と一緒に感情は解放に向かっていきます。

まずは自分自身の心を大切に扱ってあげて、そして心が穏やかになることに意識を向けてみてくださいね。

そして少し心の中で余裕が生まれたら改めてご両親のことに向き合ってみませんか?

まずmakiさんが書いておられるようにご両親の事がmakiさんの結婚に影響した可能性はとても高いと思われます。
良くも悪くもご両親の関係が夫婦としてのお手本になるからなんです。

makiさんは結婚や夫婦に対してどんなイメージを持っていらっしゃいましたか?

自分はこんな親になりたくない、こんな結婚をしたくないと思えば思う程実際にはムリや我慢をたくさんしてしまうものなんです。

そしてお父様の事ですが、
>父を見ていて、自分の結婚経験に重ね合わせてしまい、こんな旦那だったら私は絶対
>イヤだ、と感じてしまうことがとても辛いです。

元夫とお父様に共通して感じるイヤな所があるのですね。
それはどんな所なのでしょうか?

そしてお父様がそうしてしまうとしたら、お父様にどんな理由や背景があると思いますか?

ここですごく嫌な感じがするかも知れません。離婚した相手の方との問題が絡んできますのでちょっとしんどい場合はムリはしないでくださいね。
月日が経つことにより向き合える時が必ずやってきますから大丈夫ですよ。

もし出来そうであれば、それをしなければいけなかった理由とはどんなものかをちょっと想像してみませんか?

人間誰しも出来れば優しくありたいし、気分良くありたいと思うものです。
お父さんがトラブルを抱えてイライラしているのは実は自分自身に怒っていらっしゃる、
そして誰よりも自分自身を責めていらっしゃるように私は感じました。

お父様がどうしてこんな人生になったのか、そしてお母様がどうしてこんな人生になったのか、それを理解していくことで誰も加害者を作らない無害者を作ることにつながると思いますよ。

私たちは色んな場面で「正しい」とか「間違っている」という考えをしてしまいます。
それが加害者と被害者の関係を作り出すのです。夫婦関係や友人関係などの人間関係でも私たちはついやってしまいます。

しかしこの考えは本当に望むものを遠ざけてしまうんです。なぜなら先程も書いたように罪悪感という感情が潜んでいるからなんです。
罪悪感があるとどんな出来事も自分を責める材料にしてしまいます。

そして何よりも罪悪感という感情があると無意識に自分を幸せにしないような選択をしてしまうんです。
自分や誰かを責めるよりも正しさを選ぶよりも幸せを選択出来るmakiさんになっていただけたらと願っています。

結婚をご経験されたmakiさんであればこそご両親の夫婦問題も理解できる位に成長されていると思うんです。
そして離婚を経験された今のmakiさんだからこそ、この問題に向き合えそして乗り越えられると思うんです。

今回は大人になったmakiさんという目線でアドバイスをさせていただきました。
しかしながら何より大切な事はこの状況を1人で乗り切ろうとしないことです。

大人だからこそ自立の罠に、孤独の罠におちいらないように注意が必要です。

そして親との問題というのは長い時間をかけて向き合うものだと考えてみてくださいね。

まずは辛い気持ちをだれかに吐き出してみようと思う所から始めてみてくださいね。
もし私でよろしければ心からお力になりたいと思っています。

又ご両親の事、makiさんご自身の離婚について詳しいお話が書いてないので、想像で書かせていただいた部分が多々あります。
もし回答内容とmakiさんのケースに相違がある場合は初回無料カウンセリングを使って詳しいお話をお聞かせいただければと思います。

少しでもmakiさんの悲しみが癒えますように。
ご相談ありがとうございました。

下村ひろみ

この記事を書いたカウンセラー