人間というものは、なかなか理屈通りにはいきません。
こんにちは 平です。
私どもの会社では、“臨床心理学”と呼ばれるものを活用して、
みなさまにカウンセリングを提供しています。
臨床心理学とは、「心理学の学説が正しいのであれば、その学説を応用し、人々の日常に
よりよい変化作り出すことができる」という考えのもと、それにチャレンジしていく学問です。
人間というものは、なかなか理屈通りにはいきません。頭ではわかっていることも、実際
にできるかどうかはまた別の問題であるようなのです。
臨床心理学の現場‥‥、つまり、カウンセリングの現場では、私たちはできるだけ人間の側に寄り添い、
「わかっているのに、なぜ、人は上手にできないのか」、「なぜ、ひねくれてしまうのか」、
そして、「どうすれば素直になれるのか」といったことをともに考え、提案していきます。
たとえば、心理学には“好意の返報性”という学説があります。
これは、人間は自分を好きになってくれる人のことは好きになる、という考え方です。
なるほど、自分に好意をもって接してくれる人や、かわいがってくれる人には、
自分のほうでも親密な思いをもつものですよね。
おじいちゃんやおばあちゃんは孫をとても愛しますが、
孫のほうもおじいちゃんやおばあちゃんのことを大好きになるのは、自分が愛されているという思いがあるからです。
しかしながら、ストーカーの人たちについては、この学説はあてはまりません。
もっともっと好きになり、親密になって相手を射止めようと思っても、近づけば近づくほど、
相手からは間違いなく嫌われ、拒絶されるでしょう。
なぜなら、相手が自分の気持ちを優先して、意に沿うような形で関わってくれたなら、
その相手に好意を返そうという思いが生まれますが、リスクや損が生じるのであればそのかぎりではないからです。
おじいちゃんやおばあちゃんにしても、孫を一方的に愛しますが、孫たちに負担を強いることはなく、
それぞれの気持ちを優先てくれますよね。
芸能人はファンのことをとても大事にしますが、それもファンがつねに応援する立場にいて、
その芸能人になんらかの負担を求めることはないからです。
それに対して、ストーカーというのは、「愛されたいがゆえに、愛している」といってもいいかもしれません。
ストーカーによくある問題が、「自分がこんなに愛しているのに、期待に応えてくれない」と、
急に凶暴になったり、脅迫的になったりすることです。
そうなってしまうのも、愛することよりも、奪い取ることが目的になっているからということができるでしょう。
話は変わりますが、あるとき、ある奥さまが私のところに相談にみえました。
彼女のご主人はとても無価値感が強く、自分が愛されるはずがないと思い込んでいる人でした。
彼女はご主人にできるだけ愛と理解を与えるよう努めていましたが、その彼女に、私はこのような注意をしました。
「最後の最後、ご主人はおそらくぶち切れ、凶暴になりますよ」。
そして、そのための心得と対処法を伝えておいたのです。
そして、そのときがついにやってきたのです。
「もう、やめてくれよ! なんで、おまえはこんなオレなんかを愛せるんだよ!」
そのとき、奥さまはこう答えました。
「私はあなたと一緒に生きると決めたから。あなたはいつも、だれにも頼らずに一人で生きてきたけど、
私はあなたと生きていきたい。だから、あなたと同じ世界に住む」。
「バカかよ、おまえ、ろくでもない世界だぞ」
「それでもいいのよ。もう、約束したんだから」
「なんでなんだよ‥‥」
だれもオレのことを愛せないと思っていたご主人の世界が崩壊し、“ともに生きていく”
という新しい世界観ができた瞬間でした。
こんなとき、その人の中では生と死が同時に起こり、陣痛のようなものが生まれます。
生みの苦しみというものは、必ず起こるようなのですよ。
では、来週の『恋愛心理学』もお楽しみに!!
心理学講座音声配信サービス・きくまるのご案内
心理学講座を聞いて学ぶ!持ち歩く!
あなたのPC・スマホで、人気カウンセラーの講演・心理学講座がすぐ聴けます!
\ここでしか聞けない無料音源!毎月「7のつく日」にアップ中!/
>>>こちらからどうぞ!
\今すぐ「最新の心理学講座」が聴ける!毎月「15日」に新作リリース中!/
>>>最新講座ラインナップはこちらから!
「心理学講座音声配信サービス・きくまる」最新情報はこちらのブログから!。是非チェックしてみてくださいね♪