嫉妬をやめたい

 

相談者名
たぬき
30代女です。
私には変な感情があります。2つありますが、どちらも嫉妬です。
私と仲の良い友達が他の友達と遊んだりした話を聞くと一瞬もう一人の子供の自分が『ああ、私よりあの子のほうが好きなんだな』『嫌だ』『私と会わないであの子と会ってるんだ』とか思ってしまいます。
もう一人の大人の自分は、もちろんそんなこと思いもしません。
ちゃんと理解しているし、なんでそんなことを思うんだ、と気持ち悪いです。
独占欲が強いんでしょうか?
このように思うことが子供っぽいのでやめたいです。
というか、こんなこと思ってること自体おかしい人間です。もう一つは、
アマチュアで音楽をやっているんですが、同じようなレベルの他の人が活躍しているととても恨めしい、ひがむ感情が出てきます。
特に自分より若い人だとより一層嫉妬心や焦燥感が沸き立ちます。年齢にも劣等感があるせいだと思います。
皆みたいにいいねって褒めることができず、悔しいと思ってしまいます。
こんなこと思うのは時間の無駄です。どうしようもないことにどうして気になるんでしょうか?なぜ喜んであげれないんでしょうか?
心が汚れたくないのでやめたいし、小さい器な人間です。これをやめれたら人づきあいも良くなるし、精神的にも安定できると思います。

子供のころ、弟が生まれて親も誰も弟を可愛がったことと関係ありますか?
自分に多少の自信があり、もう一方では自信がないから、このような嫉妬心が出てくるんだと思います。自分が一番じゃないとダメってやめたいんです。
偏見があるんでしょうか?自分より下だと思うとすごくバカにします。
どうしたら、他人を気にしない、そして、自信がつくことができますか?頭では分かっているんです。

カウンセラー
三島桃子
たぬきさん、はじめまして。今回担当させていただく三島桃子と申します。どうぞよ
ろしくお願いいたします。嫉妬についてのご相談ですね。嫉妬は、誰もが「感じたくない」と強く思う感情のひ
とつです。嫉妬を感じると、私たちは嫉妬を感じている自分自身が嫌になるような感
覚を持ちます。たぬきさんもそのような感じかなと思いました。

誰でも嫉妬は感じるし、自分の嫉妬を見たくないと思うものです。ですから、たぬき
さんの陥っている状態は、誰でも条件次第ではまってしまう心のワナのようなもので
す。今ご自分が嫉妬しやすい状態にあることで、あまりご自分を責めないであげてく
ださいね。

自分を責めすぎると、心が苦しくなって余裕がなくなり、かえってよけいに嫉妬しや
すい心の状態を作ってしまいます。それを避けるために、「私は今、嫉妬しやすい心
理状態なんだな、それには私なりの事情があるんだから、その事情と向かい合ってい
けば、段々ラクになるんだ」と思っておいていただけたら、と思います。

さあ、それではその「事情」の話になるわけですが・・・

たぬきさんが相談してくださっている2つの嫉妬が起きやすい状態は
○友だちが自分以外の友だちと遊んだりした話を聞いた時
○音楽活動で同じレベルの人が活躍している時(特に自分より若い人に対して)
ということですね。

この状況は、誰でも嫉妬を感じやすい状況だと言えます。よほどクールに割り切れる
人でない限り、胸のどこかでちくっとしたものを感じる状況です。
ただ、たぬきさんの場合は、嫉妬の度合いがとても強くて、気持ちがすごく苦しく
なってしまうのかも知れません。

嫉妬の度合いがそんなに強いとしたら、それはどうしてなのでしょうか。
強い嫉妬の下には、たぬきさんが書いてくださっているように、「自信のなさ」が隠
れていることが多いようです。

この「自信のなさ」は、おっしゃるように、子ども時代のことと関係があるかも知れ
ません。

>子供のころ、弟が生まれて親も誰も弟を可愛がった

とのことですが、そういう経験の中で、「なんかよくわかんないけど、私は弟よりも
愛されない存在なんだ、弟に負けたんだ」と思い込んでしまうことがあります。そし
て、「どうせ私は負けるんだ」というイメージが心にこびりついてしまって、大人に
なってからも、ちょっとしたことで、「私は負け」という感情が湧きあがってくるこ
とがあります。

誰でも「負け」はいい気持ちがしません。単純に「今回は負けた」ぐらいならいいの
ですが、こういう子ども時代の思い込みからくる「負け意識」には、「どうせ私はい
つも負けるんだ」という絶望感も含まれているのです。

絶望感が強いと、どうしても嫉妬が強くなってしまいます。

「次もあるけど、ああ、やっぱり悔しいな~」というのは、ごく軽い嫉妬ですむわけ
です。誰でも感じるけど、流していける程度のものです。

でも、「今回も負け、今までも負けばかり。これからも負けばかりに違いない」と思
うと深い絶望を感じるし、強い嫉妬も感じて当然です。

生まれたての赤ちゃんは、みんなにちやほやされるものです。たぬきさんも赤ちゃん
の時はそうだったのですが、子どものたぬきさんにはそんなことはわかりません。な
んでみんな弟ばっかりかわいがるの?と考えた時、「きっと私は弟に負けたんだ」と
誤解してしまったのかもしれませんね。

これは誤解なんだ、ということを意識しておくと、段々と自分の中で「ああ、あれは
誤解だったんだな」と思えてきて、感覚の切り替えができますよ。そうすると、絶望
感が軽くなっていって、嫉妬の度合いは小さくなっていくと思います。

このような誤解が解けてくると、自信も自然に取り戻していけます。自信がないとい
うことは、劣等感があるということになるわけですが、この劣等感も、感じると嫌~
なきもちになります。

そこで私たちは、劣等感を隠すために優越感を使います。これは無意識にしてしまう
ことで、自分ではなかなかピンとこない場合もありますが、劣等感がなくなれば、優
越感もなくなります。そして残るのは、シンプルな「自信」です。人と比較してどう
こうという感覚ではなく、「人がどうあれ私には私の魅力や価値がある」という感覚
です。

最後に簡単にまとめておきますね。

※普通の嫉妬も、強い嫉妬も、誰でも状況次第で感じるもので、当たり前の感情で
す。ですからそのことで自分をあまり責めないようにしましょう。嫉妬したっていい
じゃん、それが人間だから、という視点もあっていいと思います。

※「どうせ私はずっと負けちゃうんだ」というような絶望的な感覚があれば、それが
誤解だということを意識しましょう。それが自信を持つこと、そして嫉妬を小さくし
ていくことに役立ちます。

たぬきさんは、とても細やかで、物事がよく見える目を持っていると思いますよ。だ
からこそ、ご自分の嫉妬が気になるし、その嫉妬がなければ人間関係がもっとよくな
る、気持ちも安定する、ということが見えているのです。決して器の小さな人間では
ありませんよ。むしろ、持っている器が大きいのだと思います。今の苦しみは、「あ
なたはもっと大きくゆったりしたものになれるよー」という自分からのメッセージか
も知れませんね。

さらに具体的なアプローチなどもっとお知りになりたいことがあれば、電話相談など
もご利用くださいね。

私には、嫉妬心という壁を乗り越えて、キラキラと自己表現するたぬきさんが見える
ような気がします。音楽活動、ステキですね!

ご相談ありがとうございました。

三島桃子

この記事を書いたカウンセラー

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