嫌われた悲しみや憎しみを忘れたい

 

相談者名
ウメノミ
たくさんの人に嫌われました。
陰口を言われたり、自分だけが悪者にされたり、味方になってもらえなかったり、とても悲しかったです。一人や二人なら、相手にも問題があるとか、そういうこともあると言い訳もできますが、これだけ嫌われると、私なんて人から嫌われる迷惑な人間だという思いを持ってしまいます。
10代20代と同じ様なことがあり、もうがんばっても良いことなどないと思っています。
同時に、酷いことをされたという怒りや憎しみもあります。
実際に陰口を言われている場面が何度もあったので、投影や気のせいだとも思えません。

されたこと、言われたことが憎いです。
好かれなかったこと、大切にされなかったことが悲しいです。
でも私自身も、まったく善な存在ではなく、些細なことでイライラしたり人を嫌ったり、拒絶したり、甘えたりもしていたのです。
感情を感じることにチャレンジしても、何度も嫌な記憶は蘇ってきます。
どうすれば人からされたことを根に持たずに前に進めるのでしょう。
嫌なことを忘れられるさっぱりした性格になりたいです。宜しくお願いします。

カウンセラー
小倉健太郎
ウメノミさん、初めまして。
担当をさせていただきます。小倉健太郎と申します。今回のご相談内容は、ウメノミさんは人が大好きで、人に心を開ける広い心をお持ちの方だと言う事がよくわかりますね。

大勢の人に嫌われ、悪者にされ、味方になってもらえなかったとしたら、人を憎んでも仕方のないことだと思うんです。
それなのに、ウメノミさんは、過去に人を憎んでしまった自分を責めていらっしゃるように感じるのです。
それはまるで、怪我をしたのに、痛いと感じた自分を責めってしまうようなもの。
聖人君主にでもなろうというのであればいざ知らす、私達、普通の人間なんですから、意地悪をされたらその人を憎くも感じますよね。
だからまず、人を憎んだ自分を許してあげて欲しいんです。
辛かったですよね。

時には拳を振り上げてしまいたいと思ったこともあるかもしれません。
けれども、「そんな事はしてはいけない。」と、ぐっとこらえてきたのではないですか?
そして、もしも投影という言葉を使うなら、ここで使って欲しいのです。

「果たして。こんなに辛かったのは、自分だけなんだろうか?」

ウメノミさんにとっては、信じられないかもしれません。
けれども、酷い事をされて辛かったとき、実は、ウメノミさん以上に辛かったのは、ウメノミさんに酷い事をしたそいつらなんです。
例えば陰口。その陰口とは、どんな内容でしたか?
実は、陰口とは、言ったその人自身が、自分に対して思っていることです。
けれども辛さに耐えきれなくなって、ウメノミさんにぶつけたにすぎません。

例えば、発明家として有名なトーマス?エジソンは、小学生の頃、1+1も理解できなくて、教師から馬鹿者扱いされ、退学にまでなっているそうですが、では、エジソンは、本当に馬鹿だったのでしょうか?

多分、その教師は、エジソンに対して馬鹿だという前に、「1+1も教えられない自分は、なんて馬鹿な教師なんだ!」と自分を責めたはずなんです。
でも、自分を責めることに耐えられなくなったときに初めて、エジソンに対して「馬鹿なのはお前だ!」と言ったはずなのです。

そう考えると、その教師もまた、どうして自分を責めたとかと言うと、そこにはとても指導熱心な人物像が浮かび上がってきませんか?
おそらくは、普通の生徒に教える分には申し分無かったと思うんです。
そうすると、教師は自分を責めるんじゃなくて、エジソンのような類まれなエジソンに対して数学を教えられなかった事を悔んだりせず、そのまま教師をしてもらえればいいんだと思えませんか?

ここでもう一度考えてみて欲しいのですが、その陰口とは、どんな内容だったのですか?
その人は、ウメノミさんから見て、どんな人でしたか?

先のエジソンの例のように、エジソンはエジソン、教師は教師のままでよかったように、ウメノミさんはウメノミさんのままで、陰口を言った人も、自分やウメノミさんを責めずに、その人のままでいいのです。

今回のご相談内容は、「どうすれば人からされたことを根に持たずに前に進めるのでしょう。」ですよね。
であれば、ウメノミさんは、「より良くなろう。」とか、「人に好かれる自分に変わろう。」とするのではなく、あくまでも自分自身のありのままでいようとして欲しいのです。
これは、言い換えると、「ウメノミさん自身が幸せな気持ちになる。」という事です。

私たちは、なぜか、心を許した人に対しては、同じ気持ちを共有させようとしてしまうようです。
ウメノミさんはこれまで、辛い人の気持ちを、たくさんぶつけられ、その結果、孤独になりましたよね。

なので、ウメノミさんには逆をやって欲しいのです。
自分自身が幸せな気持ちになる事に貪欲になって欲しいのです。
そして、ウメノミさんを傷つけた人とは逆で、幸せな気持ちを人に分け与えられる人になって欲しいのです。

もしもウメノミさんが本当に幸せな気持ちになったとき、それは同時に過去にされた嫌なことが忘れられるどころか、笑いのタネになったり、逆にいい思い出になったりします。
ちょうどエジソンが、発明王になったからこそ、退学が笑い話になったようにね。

ウメノミさんは間違いなく偉大な人物になる才能をお持ちの方です。
今回は、ご相談ありがとうございました。
ウメノミさんが、どんな偉大な人物になるか、楽しみにしていますね。

この記事を書いたカウンセラー