相談者名 | K |
こんにちは。30歳女です。 結婚し不妊治療をやっている中で家族について考えはじめました。 以前から目を逸らしてきた問題のような気がしています。私は今まで家族に相談というものをしたことがありません。 事後報告であまり会話をした記憶がありません。 友達にも相談の仕方がわからず相談されたこともありません。 人に頼るのが下手です。 妹弟とは6歳8歳離れており、妹が大きくなりやっと対等にしゃべれるし一緒に買物も行けると思った時はとても嬉しかったのですが、今は妹にも気を遣ってしまう自分がいます。 昔から「友達みたいなお母さん」に憧れていたので子供ができたら一緒に買い物とか行きたいと思っていました。 昔から夕食は家族みんなで食べてましたが、静かだったような気がします。 結婚式の際、よく両親への手紙とか書きますがものすごく嫌な感情を感じて一切やりませんでした。主人も感情の表現が苦手な人です。 もう親になる歳になってしまったんだと気づき色々考えています。 | |
カウンセラー | 三枝みき |
Kさん、こんにちは、初めまして。 今回、Kさんのご相談を担当させていただきます、三枝みきと申します。 どうぞよろしくお願いいたします。Kさんは人に頼るのが苦手だったり、また、とても人に気を遣ってしまわれる方なのですね。 文面からはあまりそんなご自分がお好きでないように感じられますが、私は、Kさんはもともと頑張り屋さんで、思いやりのある温かい女性なのだろうなと感じます。 ですからきっと、会話や笑いの絶えない食卓のある、賑やかで明るい家庭も、何時間でも飽きずに話し続けていられるような友人関係も築くことが出来ると思います。 どうぞ安心して下さいね。 ただ、今はKさんご自身と人との心の距離がちょっと遠いように感じられます。 そしてその距離感の原因は、Kさんご自身も書いて下さっているように、ご実家の家族関係にあるようです。 まず、ご家族に「一度も相談をしたことがない」「すべて事後報告」ということについて。 >小さい頃は母も仕事をしていたので寂しかったかなぁと思います。 ここからわかることは、Kさんは小さい頃から忙しいお母さんにとても気を遣っておられた、ということです。 「お母さんは忙しいんだから、寂しくても寂しいって言っちゃダメ!困ったことがあっても言っちゃダメ!」「困ったことがあっても、お母さんを煩わせないで自分で解決しなくちゃ!」というようなルールを、ご自分の中に作ってしまったのだと思います。 ですから、お母さんに限らず、誰かに相談することもなく一人で何とか片づけてしまう、というパターンになってしまうのでは、と思います。 また、人間は人との接し方や関わり方を小さい頃に、お母さんとの関係の中で学びます。 友達とも親しくなってくると何を話していいのかわからないとありますが、本来、一番親密感を感じる関係性(母親との関係)自体が、距離感のある関係だったのですから、それも当然かもしれないですね。 そしてもうひとつ、私が気になっているのは、Kさんがご自分の「寂しい」という感情を抑圧してしまっていることです。 ちいさい子どもがお母さんに構ってもらえなくてさびしいのは当たり前です。 ですが、「寂しさ」を我慢するために感情を抑圧すると、今度は「嬉しさ」「楽しさ」なども一緒に抑え込まれてしまいます。 賑やかで明るい家庭を作るには、「嬉しい」「楽しい」などの感情を生き生きと感じられることも、必要ですよね。 そのための「鍵」になるのが、Kさんが持つ「怒り」の感情です。 心理学では「怒りは感情の蓋」とか、「怒りは第二感情」などと言われます。 Kさんは、結婚式でのご両親への手紙に「すごく嫌な感情」を感じて、一切やらなかったとのことですが、それはどんな感情だったのでしょうか? ご両親への「怒り」を自覚してしまったら、今度はその下にある本当の感じたくない辛い「感情」を感じてしまうかもしれない、――Kさんの心の中に、そんな怖れがあったのかもしれ また、「怒り」は時として「攻撃性」を伴う感情です。 どちらが正解なのかは、このご相談だけでははっきりわかりませんけれど、もしかしたら両方が正解なのかもしれませんね。 ちいさい子どもには大人の事情や理屈は分かりません。 Kさんは小さい頃にそれを我慢して抑え込んで来られたかもしれませんが、抑圧した感情というのは無くなるわけではありません。 感情はミルフィーユのように、いくつも重なった層構造になっています。 感情を感じていくことについては、面談ウンセリングで行うセラピーなどが有効です。 以上、少しでもお役にたてれば幸いです。 ご相談、ありがとうございました。 三枝 みき |