初めまして、祐介さん。 カウンセラーの寺島と申します。 ご相談ありがとうございます。だいぶ落ち込んでいる状態になっていらっしゃるようですね。 このように思考がネガティブになってしまうのは、相当我慢して頑張ってこられたの でしょう。 だから、その分だけ疲れきって、燃え尽きてしまう寸前でいらっしゃるのだと思いま す。 マジメで心優しい人ほど、そんな燃え尽き症候群に陥ってしまうことが多いのです。 とにかくこういう時の対処方法は頑張らないことが肝心です。 我慢することをやめて、いいかげんにすることを取り入れるんですね。さい、祐介さんの苦しみの原因なのですが、 実は実際的ではない幸せ、いいことを手に入れるための考え方からきています。 それは、つまり、頑張った結果ゆえに、幸せになったり、 いいことを手に入れることができるというストーリーと、 幸せとはこうあるべきという概念のことをさします。 いきなり厳しい現実?!かもしれませんが、実際には頑張ったから、 必ず、幸せになったり、いいことが手に入るということはありません。 じゃ努力はまったく報われないの?ということになるかといったら、 これまた実際的ではなく、それも極論すぎます。 努力したら、その分だけ返ってくるものはありますが、 大抵は自分がこうあるべきと期待した形ではなく、 予想外の形で返ってくることが多いというだけなのです。 例えば、私たちは小学校までは義務教育ですが、 高等教育からは義務ではなくなり、そこから選択することが始まります。 小学校・中学校のように住んでいる地域によって、 一つの決まった学校に通うのではなく、 (親のポリシーによってお受験が早く始まる場合もありますが) いろいろな高校を選べたり、通ったり、通わないことも選べる状態になりますよね。 そうすると、親や先生は、成績のいい、偏差値の高い高校にいくと、 お得だよ、いいことがいっぱいあるよと言われるようになりますから、 子供たちは親や先生に褒めてもらいたくて頑張ります。 祐介さんもそうではありませんでしたか? そして高校受験を頑張って、いい高校に入学してほっとしたのもつかの間、 そこはゴールでもなく、次はなんと、いい大学に入りなさいねというハードルが待っ ていたりします。 また、それでも、なんとか大学受験も頑張って、いい大学に入学したとします。 けれども、なんということでしょう。 3年後には、今度は更に厳しい就職活動が待ち構えており、 そして、またまた周囲はいい企業、いい仕事につけるよう頑張りなさいと、 あなたは言われてしまうのです。 それでも、まだ健気だったあなたは頑張って就職しましたよね。 けれども、今度は上司からこなしきれない仕事のノルマが課せられて、 もっともっと厳しくなってきませんでしたか。 でも、会社・仕事は学校と違って卒業はありませんから、 この調子では、もう死ぬまで、仕事のノルマに追われて生きるしかないことになりま す。 めちゃくちゃな超過勤務、きりもなくあがる売り上げ目標、 疲れきって休日には眠るくらいしか余裕もないし、 会社以外で、どこにいけば出会いがあり、結婚相手をみつけられるのかもわからない ・・・。 そう思ったら、この先いいことが起きるはずもないという感覚になり、 誰だって生きていたいとは思わないと思います。 では、そんな感覚に陥ってしまった私たちが幸せになるためには、どうしたらいいの でしょうか? 心理学的に申しますと、幸せというのは、具体的にこれというものはありません。 お金でも、ステキな結婚でも、地位でもなく、実際は幸せな感覚のことだったりしま す。 そして、幸せな感覚というのは、簡単にいい変えますと、気持ちいい感覚のことなん ですね。 人によっては、リラックスした感覚だったり、認められてるという感覚だったり、 歌ってダンスしたくなるような楽しい感覚だったりとざまざまですが、 それを一言でまとめると、とっても気持ちいい感覚だと言うことができると思いま す。 私たちが幸せになりたいと思うのは、つまり気持ちよくなりたいんですね。 ただし、その気持ちいい感覚を得るのに、無意識に私たちはいろいろ条件づけをして しまいます。 その無意識の条件付けが、なかなか自分を気持ちさを感じることを阻む障害になった りします。 ※幸せになるための条件とは、もう少し丁寧に説明させていただくと、 自分に幸せな感覚を味わうことを許すのに必要な条件ということです。 例えば、 ・いい大学に入ったら、気持ちよくなっていい。 ・いい企業に就職したら、気持ちよくなっていい。 ・いい条件の相手と結婚ができたら、気持ちよくなっていい。 ・お金をたくさん稼いだら、気持ちよくなっていい。 なんてあったりします。 この条件がたくさんありすぎたり、また自分のキャパ以上の難しい条件ばかりつけて いると、 その気持ちよさがまったく続かなかったり、 味わえる感覚が気持ちいいどころか、しんどい感覚ばかりになってしまうケースもあ るのです。 幸せになれる人というのは、この条件づけが簡単な人だと言えるでしょう。 例えば、 ・今夜の夕飯が大好きなカレーライスだったので、嬉しい、美味しい→気持ちい い。 ・今日はお天気が晴れだったので、気持ちいい。 ・電車でステキな美人さん/ハンサムさんを見かけた、嬉しい→気持ちいい。 ・今日一日、健康でいられた自分が嬉しい。→気持ちいい。 ・今日一日自分と愛する家族が事故にあわなかった、嬉しい。→気持ちいい。 ・日本は戦争してなくて平和な国で嬉しい。→気持ちいい。 幸せを感じ取るアンテナを研ぎ澄まして、たくさんキャッチできるようになると、 長く気持ちいい感覚を味わえるようになります。 こういった条件づけというものは、訓練すること、学ぶことで変えていくことも可能 です。 まず最初に訓練していく必要があるものといったら、 幸せは頑張って、我慢した分だけ、その引き換えとして、やってくるものではなく、 今ここにあるものの中に見出すものという思考に書き換えることなんですね。 また、頑張って、我慢したから、その分だけ見返りがあるということはなく、 頑張らなくても、我慢しなくてもちゃんと手に入るものなのです。 そんなの信じられないと思いますか? 最初のカウンセリングで多くの方がそう思われても無理もないと思います。 私たちがなぜ不幸に陥ってしまうかというと、 それは本当は外部の環境ばかりのせいではないのです。 今あるものに関して、自分が手にして当たり前と思うことからそれは始まります。 空気があって当たり前と思う、そのことに普段には思いもおよばないように、 私たちは今ある自分が手にしている幸せに気がつくことができない時があります。 そんな時は、自分以外の人間ばかりが得をして、自分ばかり損をさせられていたり、 周囲の人たちがやたら優れていて、自分は劣っているようにも思えてしまうのです。 もちろん、外部の環境を変えなくててもいいという話ではないですよ。 けれども、いろんな事例をあたってきますと、 資産のある家に生まれて、学歴もよく、容姿も恵まれていると、 素晴らしい幸運の星の下にいらっしゃるように見えても、 常に自分よりも上と比較してしまうので、 自分はまったく不幸だと悲観していらっしゃる方も多いのです。 例えば、東大でトップの成績だったとしても、 自分はハーバード大学ではないから・・・と劣等感にさいなまれてしまうととか、 素晴らしいナイスバディの美人に生まれたとしても、 スーパーモデルにはなれないから、自分はブスだと思っているなどのケースが実際に あるんですね。 こういう常にネガティブな面しかみえない思考パターンだと、 どんなに外部の環境が変ったとしても、本人はしんどい感覚のままということで、 周りから羨ましがられていても、本人が感じているのは不幸ということになります。 ですから、幸せになるには、実際は外部の環境を変えるよりも、 自分の内部を変えていくことが大事なんですね。 それはもっとがんばれ、我慢しなさいということではありません。 いままでより、頑張るのをやめ、我慢をやめて、休む、リラックスすること、 そして愛や幸せというものは、頑張ったらその見返りに与えられるものではなく、 ありのままでも愛され、ただそこに幸せはあるものということに気付くことが肝心で す。 祐介さんがもうダメと感じている分だけ、 それはいままでいかにあなたが頑張って戦ってきたかということを現しています。 そろそろそんな自分を褒めてあげ、休ませてあげていい頃ではないでしょうか。 最後にこの言葉を祐介さんにプレゼントしてあげたいと思います。 “いつでもどこでもどんな自分でも、ありのままの自分に優しく、やさしく” しんどい時は私たち電話なども、たくさんご利用くださいね。 ご相談ありがとうございました。 |