私がアルバイトをしないことに対する両親の憂慮

 

相談者名
チキン野郎
こんにちは。私はこの4月から大学2回生になります。両親が私がアルバイトをしないことを憂慮しています。生まれつき体が弱い私は力仕事など,出来ないことも多いので心配しているのでしょう。しかし,私は大学まで片道2時間かけて通学しているので,そもそもアルバイトがしにくいということもあります。さらに,大学の勉強を1年間してみましたが,特に専門とする分野が非常に面白く,勉強が楽しいと思うこともあって,授業期間中のアルバイトにはあまり気が進みません。それに私にアルバイトが出来るのかという不安が自分の中にあることもあります。
私にもできそうなアルバイトということで,模擬試験の採点のアルバイトに応募し,採用して頂いたのですが,短期である上にデスクワークなので両親としてはあまり納得が行かないようです(出来そうもないことに応募しなかったという点では,安心しているように見えますが)。他,家庭教師などもしたことがあります。身体を動かすバイトを経験しておかないと,就活で苦労する。そう考えているようです。でも,条件的にも,身体的にも,なかなか難しい。
私の友人の中に,自宅通学をしていながらもスーパーでアルバイトをしている友人がおり,よく彼と比較されることもあります。もちろんバイトをしていないことにより社会経験が乏しいことを嘆いているのです。お前も何とかしろ,就職で困るぞ,友達は,しているのに,と。
親の気持ちも分かるのですが,私もなす術もなく困っています。そして,私は大学院に興味があるのですが,そういった心配を親がしている以上,それを言い出せないでいます。私の思いを察してか,「大学院に行くのは御免だ」と言われたこともあります。それなら奨学金で行けばよいと思われるかもしれませんし,私もそれを検討しているのですが,両親はどうやら私が早く自立をして,安心を得たいと思っているようです。さらに,私は学部卒では何になりたいか分からずにいるので,(大学院に行ったなら学者になりたいという思いはありますが,専任になれるとは限らない。それでも教授には,それなりの大学院の修士の学位を得れば本学の学部卒で就活するより有利だと言われています)その意味でも心配していると思います。私は,この1年間をどう過ごし,どう両親と,そして自らの将来と向き合っていくべきでしょうか。お力をお貸しください。よろしくお願いします。
カウンセラー
近藤あきとし
チキン野郎さん はじめまして。
カウンセラーの近藤あきとしと申します。
どうぞよろしくお願いいたします。ご両親が社会経験を心配してアルバイトをしておいた方が良いんじゃないかと
勧めてくるけど、自分は勉強が楽しいしあまり気がのらないということですね。

> 私にもできそうなアルバイトということで,模擬試験の採点のアルバイトに応募し,採用して頂いたのですが,短期である上にデスクワークなので両親としてはあまり納得が行かないようです(出来そうもないことに応募しなかったという点では,安心しているように見えますが)。他,家庭教師などもしたことがあります。身体を動かすバイトを経験しておかないと,就活で苦労する。そう考えているようです。でも,条件的にも,身体的にも,なかなか難しい。
> 私の友人の中に,自宅通学をしていながらもスーパーでアルバイトをしている友人がおり,よく彼と比較されることもあります。もちろんバイトをしていないことにより社会経験が乏しいことを嘆いているのです。お前も何とかしろ,就職で困るぞ,友達は,しているのに,と。

専門で勉強していることが好きで楽しいというのは素晴らしいことですよね。
それに通学に時間がかかる中、それでも出来るモノをということで採点のアルバイトも
決めてきたのですから立派です。何も引け目を感じることはないですよ。

ご両親がこれまで社会で経験してきた事をチキン野郎さんに当て嵌めて考えた時に、
「きっとこういう事でつまづくのではないか、困るのではないか」と想像したのかも
しれませんね
それで、自分たちが昔上手くいったやり方や、役に立った事を伝えようとしている
のではないでしょうか。

親には、子供には自分がした苦労はさせたくないという思いがありますから、
出来るだけそういう可能性は取り除いてあげたいと思ってのことなのでしょう。
おそらくご両親にとっては、働くことそして安定して収入があることが
人生の優先順位のかなり上位になっておられるようですから、
先ずそれを手にして欲しいと思われているかもしれませんね。

> 親の気持ちも分かるのですが,私もなす術もなく困っています。そして,私は大学院に興味があるのですが,そういった心配を親がしている以上,それを言い出せないでいます。私の思いを察してか,「大学院に行くのは御免だ」と言われたこともあります。それなら奨学金で行けばよいと思われるかもしれませんし,私もそれを検討しているのですが,両親はどうやら私が早く自立をして,安心を得たいと思っているようです。

ご両親にとっての安心が私たちの時代にもそうであるかと言われると、
全く同じものとは言えないでしょう。それはあくまでご両親の感覚・
時代環境によるもので、チキン野郎さんにとっての安心とは異なる
可能性が大きいのですよね。

仮に全く同じ安心を得ようとした所で価値観の違い、環境の違いで
おそらく同じものを手にすることは難しいと思います。
しかし、それでも言いたくなってしまうのが親かもしれません。
それは子供への愛情なんですよね。
だからその愛情の部分、これだけ思ってもらっているんだという
気持ちは受け取ってあげて下さいね。

これだけご両親を思い、やりたい事との狭間で悩み、それでもなんとか
意を汲んであげたいと思っているのですから、チキン野郎さんは
とっても親思いな優しい方ですね。

では、それだけ大切に思っているご両親に本当に見せたいのは、
いったいどんな自分の姿でしょうか?
楽しそうに好きなことをしている姿でしょうか?
進みたい道をひたむきに歩いている姿でしょうか?

実は、ご両親にとっては何をおいても大切なものがあるのです。
それは「チキン野郎さんの幸せ」です。学歴よりも職業よりも地位よりも、
「チキン野郎さんの幸せ」が何よりの願いなんですよ。

ご両親にとっては子供が大人になっていく事を嬉しくもあり寂しくも
感じていると思いますから、チキン野郎さんがこれから自分の人生を
選んでいくこの時期に、どうしても心配が出てきてアレコレと口を
挟みたくなるものなのでしょう。

自分たちの思う安心とは違うだけに、大学院への進学に対してもなかなか
良い顔が出来ないのかもしれないのです。
でも親は心の深いところで子を信じていますから、チキン野郎さんに「自分は
こうしたい」ということを胸を張って言われたら、反対していても
何かと口を挟んで来ても、本心では応援したいと思っているものですよ。

だからこそ、チキン野郎さんがこれから選ぼうとしている道は譲らないで
欲しいと思います。誰に何を言われても自分を信じ続けてあげて欲しいと思います。
一番に自分を信頼し、これが自分にとっての未来だと自分にも周りにも言えたら、
最後にはご両親もチキン野郎さんの選択を受け入れてくれるはずですよ。

どうか勇気と自信を持って自分の人生を選んでいってほしいと思います。
そしてチキン野郎さんの生き方で、ご両親を安心させてあげましょうね。

今回はご相談ありがとうございました。

近藤あきとし

この記事を書いたカウンセラー

About Author

超自立男性との恋愛・コミュニケーションに関わるお悩み・慢性的な生きづらさの解消などを得意とする。 理論的な“心理分析”と、感覚を使った“心理セラピー”を活用する多面的なサポートが好評。 問題の裏に隠れた「真実の物語」を読み解き「自分の本質を生きる」ことを目指すカウンセリングを提供している。