就職活動に集中できない

 

相談者名
風吹
はじめまして、私は理系大学院修士1年の者です。
現在就職活動中なのですが、この就職活動が本格化している時期になんだか気が入らなくて悩んでいます。
また、それと同時に研究の進捗も芳しくなく、どちらも焦るあまり集中できない状態です。
今更何をやっても無駄なんじゃないかという虚無感にかられて、精力的に活動できず一歩先に踏み出せません。
最近はあの大学に進学していればよかった、あの時あんなことしなければよかったなどの後悔ばかりしていて、
ほとんど何も出来ずに一日が終わってしまったときなど「もっと出来たはずなのに」と自分を責めてますます気が沈んでしまいます。
元々完璧主義な面があり、少しでも上手く行かなくなるととたんにやる気をなくしてしまったりするのですが
そのせいで就職や卒業ができないのは避けたいです。
どうか前向きに就職活動や研究に取り組めるようなアドバイスをお願いいたします。
カウンセラー
小倉健太郎
風吹さん、はじめまして。

担当をさせて頂きます、小倉健太郎と申します。
どうぞ、よろしくお願い致します。

文章を読ませて頂きますと、風吹さんは相当な頑張り屋さんなのだなと感じました。

理系大学院に行けたというだけでも、相当頑張らなければならなかったのではないかと思うのですが、
過去に対する後悔に関しても、

>あの大学に進学していればよかった、あの時あんなことしなければよかった

という気持ちの中には、”もっと頑張ればよかった”という思いも含まれているように感じますし、
今抱えていらっしゃる悩みが、

>虚無感にかられて、精力的に活動できず一歩先に踏み出せません。

という、”頑張ることが出来ない”悩みにも関わらず、こんな状況ですら、

>前向きに就職活動や研究に取り組めるようなアドバイスをお願いいたします。

という、あくまでも”頑張る方法”を探していらっしゃる訳です。

こんなにも”頑張ること”にこだわり抜く風吹さんは、
きっと一流の何かになれる素質があるのだろうと思いました。

そんな一流の素質を備えた風吹さんが、
思う存分前向きに頑張れるようになるにはどうしたらいいのか、
一緒に考えていきたいなと思いました。

それではどうぞ、よろしくお願いいたします。

まず、最初に考えて頂きたい事なのですが、
運動やスポーツを頑張りすぎて疲れ果ててしまった場合、
どうしたらもう一度、元気いっぱいに頑張れるようになれると思いますか?

それは、ゆっくりと休息を取ることですよね?

心も体と同じように、精神的に疲れ果ててしまった場合は、
心の休息をとることで、再び前向きに頑張れるようになれると思います。

こんな事を申しますと、もしかしたら、

「いや、最近は精力的に活動できず、何も出来ずに一日が終わってしまうこともあるなど、
ちっとも頑張っていないのです。」

と、考えてしまうかもしれません。

しかし、それはあくまで風吹さんの”身体”の話であって精神的には、

「あれもしなければ、これもしなければ。」

と、ほっと一息つくことも出来ずに、ずっと緊張状態が続いているのだろうと思いました。

つまり、風吹さんが再び前向きに頑張れるようになるためには、
ゆっくりと、心の休養を取ること、つまり、
ほっと一息ついて、一度リラックスする必要があると思われます。

しかしながら、今の風吹さんには、”過去”、”現在”、”未来”に対して、
それぞれ心の問題を抱えている為、リラックスして休めと言われても、
きっと簡単にはそうなれない状態なのだろうと感じました。

なので、それぞれの問題について、ほっと一息つけるようになるためには、
どうしたらいいのかを考えていきたいと思います。

まず、”過去”に関する心の問題として「後悔の念」というものがありますね。

>あの大学に進学していればよかった、あの時あんなことしなければよかった。

このような後悔の念は、本当に嫌ですよね。
そんな後悔の念から解放されるために、聞いて欲しいお話があります。

ちょっと想像してみて欲しいのですが、
甲子園の決勝戦、9回裏、2死満塁、一打逆転のチャンスで見逃しの3振をしてしまった選手がいたとします。

こんな選手がいたとしたら、その人はどんな気持ちになると思いますか?

さぞや後悔し、自分の責めると思いませんか?

「どうして打てなかったんだ。」とか、
「当たらなくてもいいから振るくらいしておけばよかった。」とか。

そして、こんな選手に対して、風吹さんならどうなって欲しいと感じますか?

しばらくの間は塞ぎ込んでしまったとしても、、出来るだけ早く立ち直り、
この悔しさをバネにして、甲子園優勝よりももっと大きな成功を、
勝ち取って欲しいと思いませんか?

それに、甲子園優勝というチャンスは逃してしまっても、
そんなすごい成功の一歩手前まで行けた人なんだから、
きっとさまざまな分野で活躍できる素質はあるだろうと思いませんか?

そして、風吹さんに対する私の想いも、全く同じです。

それが、どんなに大きな後悔の念であったとしても、その悔しさをバネにして、
もっともっと大きな成功を勝ち取って欲しいと思いますし、
大学院まで行けたんだから、その優秀な頭脳を活かして、
他にもたくさんの成功を手に出来るのだと思います。

出来るだけ早く後悔の念から解放される為に、
自分はこれから先、もっと大きな成功を勝ち取るんだと、
ただそんな風に決めて頂けないでしょうか?

そうすれば、後悔の念が弱まって、
気持ちが楽になるのではないかと思います。

次に、”現在”に関する心の問題として、
研究が遅れているという感覚、つまり、”焦りの気持ち”がありますね?

大学院生にとって研究とは、まさにこの為に進学したと言ってもいい、
とても大切な事だと思います。

これからまだ1年あると言うのに、こんな時期から遅れているという感覚、
焦りの気持ちを抱えながら研究を行っていくのは、本当にしんどい事だと思いました。

さらに、焦っているときは、遅れを取り戻したい気持が出てしまい、
尚更、目の前の課題に専念することが難しくなってしまいますよね?

こんな時に必要なのは、頑張って間に合わせようとするのではなく、
他の誰かに自分の抱えている研究の一部を手伝ってもらったり、
一部は来年以降の新入生への課題にするなど、
自分抱えている仕事の量を物理的に減らすことではないかと思うのですが、
いかがでしょうか?

もちろん、せっかくの研究ですし、悔いが残らないためにも、
思う存分自分の納得のいくまで取り組みたいという気持ちはあるかもしれません。

また、風吹さん自身、自分の研究を投げ出してしまうとか、
途中で放棄することのように感じて、信用や、責任といった面で抵抗があるかもしれません。

しかしながら、自分の抱えている研究を途中で投げ出すことと、
人に手伝いをお願いしたり、来年以降に持ち越すことは、全く違うと思います。

「人に手伝いをお願いしたり、(誰かに引き継いで)完了時期を遅らせてでも、
良い研究成果を上げる。」

こんな風に考えると、それはむしろ責任感があると感じませんか?

また、焦りながら何かを行うことは、風吹さんの持ち合わせている
“完璧主義”な面を満足させる事は出来ないと思うのですがいかがでしょうか?

最後に、”未来”に関する心の問題として、
就職という未知なる事への不安感もありますよね?

ご相談内容の中に、

>就職や卒業ができないのは避けたいです。

という一文があり、確かに今は新就職氷河期という話を聞いたこともありますが、
私も理系大学院を卒業しておりまして、
私が卒業した1999年も就職氷河期と言われる年でした。

当時の新聞には文系の短大生などは、30社の面接を受けても、
一社も受からないなんていう記事も出ていましたし、
今の時期は多くの”大学生”にとって就職活動が本格化する時期だと思いますが、
私の研究室の場合は、そもそも就職活動は必要無かったというか、
就職したければ、研究室の教授や先輩の”コネ”を使えば、
ほぼ内定は確実で、むしろ断るほうが大変だったのですが、
風吹さんの研究室の先輩や教授と、就職に関する話はされていますか?

それに大学院とはいえ、学生の将来が優先だと思いますので、
就職が決まった学生であれば、よほど卒業させないと言う事は無いと思うのですが、
そのあたりはいかがでしょうか?

つまり、ニュースや新聞ではなく、風吹さんの実情を把握すれば、
漠然とした不安は緩和されるのではないかと思うのですね。

それでは、まとめをさせて頂きたいと思いますが、
風吹さんが前向きに就職活動や研究に取り組めないのは、
今抱えている心の負担が大きすぎることが原因だと思いました。

なので、まずは一旦心の負担を軽くし、リフレッシュする事によって、
再び前向きに頑張れるようになれるのではないかと思われます。

そもそも風吹さんは、頑張り屋さんだと思いますので、
ここで一旦ゆっくり休む時間を作っても、後から遅れを取り戻すことは、
いくらでも出来るのではないかと思いますよ。

ちょうど大学院生活がが半分終わったところですし、
ここで一度中休みとして、温泉や旅行など、
心をリフレッシュさせる企画を考えてみてはいかがでしょう?

風吹さんの研究、就職がうまく行き、
さらに社会に出てからも存分に活躍できることをお祈りしております。

このたびは、ご相談ありがとうございました。
何かしらの参考になりましたら幸いです。

この記事を書いたカウンセラー