keiさん、こんにちは。 このたびは、ご相談をお寄せいただき、ありがとうございます。職場の同僚の方との問題、毎日毎日顔を合わせる相手だと思いますので、 避けて通れませんね。keiさんが憂鬱になられるお気持ち、よくわかります。 たった数分の出来事が一日を憂鬱にする・・・そんなこともありますよね。 心の中では、時間の長さは関係なくなるとも言われていますから。ご相談内容を読ませていただいて、中心に「コントロール」の問題があるので はないかと感じました。 コントロールの問題というのは、自分を傷つかないように守るため、負けない ようにするため、周りの人を思い通りにしようとするといった形をとることが 多いようです。 そして、カウンセリングをさせていただくときには、ご相談くださったkeiさんの心 に焦点をあてていくのが大切かと思います。そうしますと、コントロールの問題 はkeiさんの抱えていらっしゃる問題だと、とらえることになります。 普通にお聞きするとしたら、このお話は、相手の、同僚の女性の方がkeiさん をコントロールしている問題としか感じられませんよね。 ちょっと、心外だわ!と感じられるかもしれませんが、これが深層心理の 不思議でおもしろいところなのではないでしょうか? keiさんは、きっと大人の女性として十分に成長され、お仕事の場でも立派に 活躍していらっしゃるのですね。 自立され、一生懸命生きていらっしゃるのではないかと感じられます。 ところで、人の生涯の成長の過程を、こんなふうに説明することが出来ます。 おおまかな、私なりの説明なのではありますが、少しお付き合いください。 人は子ども時代、親や社会に「依存」し、育てられて成長していきますね。 自分一人では生きられず、もっぱら助けてもらう時代かもしれません。 やがて「自立」し、一通りのことを自分自身で出来るようになっていきますが、 この段階では、何でも一人でやろうとするなど、人とともに幸せになろうとする ことには不慣れだとも言えるかもしれません。 さらに成長し、人とつながり一緒に幸せを目指す「相互依存」の段階に進む ことが望まれると言えるでしょう。 このような成長過程があるとすると、keiさんは、自立の段階に進んでいらっしゃ って、さらに、分野によっては相互依存的な人との関わりも持っていらっしゃる のではないかなと私は感じますが、いかがですか? 「コントロール」の問題は、この「自立」の段階で、よく出てくる問題だと言われ ています。ことに、「依存」の時代・・・つまり子どもの頃などに、傷つく体験を していればいるほど、もう傷つきたくない思いや、もう負けたくない思いから、 周りをコントロールしようとする心の働きは強く表れるようです。 子ども時代に傷ついた体験の中には、心からしたいことをすることを認めて もらえなかった・・・というような、もしかしたら傷として意識しにくいような体験も 多く含まれているように思います。 keiさんに、そのようなお心当たりがおありかどうか、私にはまだ分からないの ですが。 周りの人たちをコントロールして、自分を傷つかないよう、負けないよう、守ろう とする時、周りの人たちは、依存的な人でない場合、コントロールされたくない と感じるのが自然なようです。 そうすると、対立したり、けん制し合ったり、競争したり、なんだか気になったり、 という状態が生まれやすくなります。 また、こんなときに限って、とっても嫌なヤツと感じる人が現れてくることがあり ます。心理学では「シャドー」と呼んだりしますが、抑圧している自分の一部を 表すような人だったりします。 もしかしたら、年下の同僚さんは、keiさんのシャドーなのかもしれませんね。 keiさんは、コントロールされることのつらさなどをよくご存知で、したくないのに 年下の同僚さんは思いっきりコントロールしてくる。あるいは、して見せる。 そんな様子に、イライラさせられている、ということはありませんでしょうか? 深層心理には、もう傷つきたくないためにコントロールしたい欲求があるけれど 自覚の上ではコントロールはよくないことだ、私はしたくない、というような 価値観を持っていらっしゃる場合、こんな心の声がでてくるかなと思い、次の ように言葉に表してみたのですが、いかがでしょうか? 『あー、もう二度と傷つかないでいたい。負けるのも、もういや。 だから周りをコントロールして、しっかりと自分を守りたい。 でも、これまで、周りからコントロールされて散々つらい思いをしてきたわ。 人をコントロールするなんて、醜いことよ。 だから私だけは、人をコントロールなんてしないと決めるわ。』 さて、対処の仕方についてです。 ちょっと、勇気がいるのですが、コントロール、対立、シャドーといった問題を 超えていく時には、小競り合いから頭一つ上に抜けていくかのように、 一つ上のレベルに成長する、大人になるという意識が大切だと思います。 また、周りに表れている出来事、年下の同僚さんがみせてくれるものが、 切り離されたり、抑圧されたりした、keiさんの心の一部と見るとしたらなので すが、ばらばらになった心をつなぎ合わせ、心の中を広く自由にすることが できたらとっても楽です。 切り離したり、抑圧したりした自分の一部があるとしたら、それも自分と認めて あげると、自分でいられる心の部分が広くなるとも言えます。 つまり、年下の同僚さんが見せ付けてくる、あの嫌な部分も、実は自分の中に あるのだと、心の中に取り戻していくようにしてみるのです。 ということで、敢えて勇気のいるチャレンジのお勧めをすることにしますね。 年下の同僚さんが表している要素を、keiさんの使っていない自分の要素だと してみて、これも使ってよいのではないかと考えてみてはいかがでしょうか。 違いやギャップをいっぱい見せてくれる同僚さんのようですね。 価値観の違うところを、あれ?もしかしたら、それもいいのかな?というふうに 見てみることはできるでしょうか? 私も、これ、やってもいいのかもしれない、と思ってみることはできるでしょうか? その時、keiさんの心の中で、自分として認めていなかった自分が、自分の一部 になって戻ってくるのかもしれないのです。 また、その時、今までの自分のやり方を手放していて、つまり、コントロールを 手放している状態が出来上がり、それまで緊張状態にあった心が、 楽になれるかもしれません。 でももし、とっても嫌なら、これらをしなくても、ちっともかまわないと思いますよ。 もう一つ、自分を信頼するという対処の仕方があります。 keiさんが書いてくださったように、今の憂鬱な気分を楽にしていくために、 自信がほしいですね。 もしよろしかったら、こんなことを信じてみていただけませんか? keiさんの心の中には、もともと、とても強い、前に進む力があると思うのです。 ご自身のもつ心の力を信頼してみませんか? その力で状況がよくなることを信頼してみませんか? そして、前に進むことを決めると、自信が感じられてくるかもしれないのです。 今回は、心理学からの説明をベースに回答させていただきましたが、 日々の苦しいお気持ちなども、癒していただけたらいいですね。 もし、そうしたご希望もおありでしたら、どうぞこれからも電話カウンセリングほか カウンセリングサービスをご活用いただけましたら幸いです。 このたびのご利用、誠にありがとうございました。 |