転職活動をしていて

 

相談者名
ろんろん
5年勤めたA社を退職し、今年初夏からB社に勤め、数ヶ月の試用期間で退職しました。現在、再就職活動中で、この度1社(C社)から内定を頂きました。貯金がないため、来年度から働くのが必至と認識しています。一昨日第一志望の会社に落ち、C社以外に内定も出なそうなので、C社に勤めることになりそうです。
でも、一昨日から道を歩いていても、涙が止まらず、「あんな会社しか内定をもらえない。あそこに行ったら人生が終わる。嫌な思いで働き続けるなら死んでしまう方がずっといい」という考えが止まりません。そして周りの世界に怒りと攻撃性を抑えられないし、周囲が色を失ったように灰色に見えます。
こうした状況は、1社目のA社へ入社する直前~3年間ほどありました。
A社も全く希望していない会社であり、得たものもありましたが、やはり、そこに入社したことを、「おかしい(怒)」というように感じ、未だに恨んでいる感があります。その3年間に経験したのと同じ状況にまた陥るのかと思うと、本当に嫌で嫌でしょうがありません。どれだけつらくてみじめか経験済みなので。
悪い条件でないC社で満足できない自分が我が儘だというのも十分認識しています。
元々あきらめが悪く、周囲の人を軽蔑する考え方しかできず、幼少時からいつでも自分の置かれている環境について「こんな連中に囲まれているのは本来あるべき姿ではない。自分の行くべき場所は他にある」と満足することがありませんでした。でもこうして就職で幾つも失敗し、リトライしても希望の会社にも行けないという現実を知り,「自分の行くべき場所などない」ことに気がつきました。よく言われることですが、環境に合わせて自分を変えないといけないと。でもその必然性を感じないのです。この先普通の人間が目指す様な結婚や、出産も全く目指していないので、私には「自分を変える」作業をしてまで生きていく意味・必要性がありません。ただ、両親に、かかった養育費用を返さないと「負けだ」と思って今は生きてます。
このまま本当にC社に行くよう、自分に強いることで私は自分が崩壊しないか、どうなるのかマジで不安です。
長々と本当に申し訳ございませんが、何かアドバイスを頂けないでしょうか。よろしくお願い致します。
カウンセラー
池尾昌紀
ろんろんさん、こんにちは。
池尾昌紀と申します。
ご相談いただき、ありがとうございます。ろんろんさんの今のお気持ちは、一番最後に書いていらっしゃる
「自分に強いることで私は自分が崩壊しないか、どうなるのかマジ
で不安です」
という言葉にすべて集約されていると思います。
自分が壊れてしまうほど、ろんろんさんの中には苦しみが詰まって
しまって
おられるのですね。
それは、本当に苦しいことです。
でも、今まで、がんばってやってこられましたよね。
まずは、苦しくてもがんばってきた、ご自分を誉めてあげていただ
きたいと思います。

ろんろんさんは、ご相談の中で、何度も自分以外への「怒り」や
「攻撃」について触れられておられます。
「周りの世界に怒りと攻撃性を抑えられない」
「おかしい(怒)」
「未だに恨んでいる」
「(元々)周囲の人を軽蔑する」
「(両親に)「負けだ」と思って今は生きている

こうした外部への「怒り」や「攻撃」を心理学では、
実は、他人ではなく、そのまま自分への「怒り」の現れである
という見方をします。
これは、「周りにいる人は自分の心を映し出す鏡である」という
考え方で、「投影」と呼んでいます。

ろんろんさんの「怒り」や「攻撃」の対象となっている人たちを思
い浮かべて
みてください。
具体的に、誰に、どんなことを「怒って」いますか?
できるだけたくさん、思い出してみましょう。
思い浮かべられたら、「誰に」の部分をすべて「自分」に変えてみ
てください。

もし、「投影」という言葉が事実だとしたら
ろんろんさんは、こんなにも、自分に対して「怒り」を感じている
のです。

けれど、ろんろんさんは、そのことを知っておられると思います。
「怒り」の感情だけでなく、
「「自分の行くべき場所などない」このに気がついた」
と書かれておられますよね。
それは、失敗や現実を知ったから、というだけでしょうか。
そんな風に「怒り」や「攻撃」している自分そのものが嫌なのでは
ないでしょうか。
周りに受け入れられないというより、こんな風に感じたり振るまっ
たりしてしまう
自分を、自分自身で受け入れられないから、居場所がないと感じて
しまうのでは
ないかと思いました。

ろんろんさんは、ご相談の中で「環境に合わせて自分を変えないと
いけない」
と言われるけれど、その必然性を感じないと書かれておられますね。
僕も、そう思います。
ろんろんさんの思いとは違う視点になってしまうかもしれませんが、
僕自身は、全く逆なのだと思っています。
つまり、「自分を変えれば周りの状況は変わる」ということです。
今の苦しい状況は、ろんろんさん自身が変われば、必ず変わると
僕は思います。
そのためには、まず。自分の本当の気持ちに気づく事が、その第一歩だと
思うのです。

先に「怒り」について書きましたが、もう一つの見方をすることが
あります。
それは、「怒り」は、本当の気持ちを隠す蓋である、ということです。
「怒り」で隠されていますが、その下には、本当の気持ちがあっ
て、それを
感じたくないから、「怒り」を出しているのだ、という考え方です。

もしそうだとしたら、ろんろんさんが「怒り」の下に隠してしまっている
気持ちは何だと思いますか?

多くの場合、その気持ちは「悲しみ」であると言われます。

では、いったい何がそんなにまで「悲しい」のでしょう。

ろんろんさんは、とても優しい方ですね。
ご自身ではそうは思われないでしょうが、僕はそう思います。
ちょっと考えてみていただけませんか?
もし、本当にわがままで、優しい心を持っていないなら、こんなに
苦しむでしょうか。
だって、関係ないじゃないですか。すべて自分は正しくて他が悪い
と心底思ってるなら、
他人なんて、社会なんて、みんな外部が悪いんだから、そんなもの
に左右されずに
自分だけの思いで生きて行けばいいんです。
そんな風には、どんなにがんばっても思えないはずです。
なぜなら、あなたは、本当は優しい心の持ち主なのだから。

今の苦しみを解決する最初の第一歩は、先にも書いたように
自分の本当の気持ちを感じることです。
そのためには、まずは、この苦しい思いを誰かに、しっかりと話し
てみては
いかがでしょうか。

そして、とても突拍子もないことを書くようですが、パートナーが
その苦しみを解決する
カギの一つであると僕は感じます。

もし、お話いただける機会があり、少しでも、ろんろんさんの幸せ
のお手伝いができたら
こんなにうれしいことはありません。

ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。