親も子も、お互いが決めたことや、お互いの考え方を尊重していく必要があるのです
「親離れ」「子離れ」は、私たちが大人として社会で生きてくためには、とても大切なものです。
自分と誰かの区別がつかなくなっている状態を癒着と言います。
親子は癒着しているものですが、この癒着の度合いが強すぎると、いつまでも親から自立できないという問題が起こってしまいます。
例え親子でも、大人になれば、お互いに適切な距離感が大切になってくるのです。
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「子供が自立してくれない」というお話をよくお伺いします。
また、「親が離れてくれない」という子供側からのお話しもよくお伺いします。
親側からも、子供側からもお伺いするお話しですので、子供の自立というのは、両者にとって大切なことではないかと思います。
今回の心理学講座は、そんな「子離れ」「親離れ」に関わる心理について書かせていただいております。
第2回目は、癒着し過ぎて離れられない心理についてです。
癒着というのは、この心理学講座でも度々登場するキーワードですね。
人と人との関係性が、近くなり過ぎて、お互いの境目がなくなっているような状態です。
親子というのは、癒着しているものですが、この癒着の度が過ぎてしまうと、子供が自立できないことにつながってしまいます。
これもまた一概には言えませんが、癒着している人の特徴の一つとして、主語がない話し方をすることがあります。
「昨日長い間会っていない友達と食事してきて、すごく楽しかった」と言っている人に、「どれくらい会ってしなかったの?」と聞いたところ、「さぁ~どれくらいなんだろう?聞いてみないとわからない」という返答。
微妙にかみ合っていないのがわかりますか?
例えば、すごく楽しかったという話しをしている人が、親の場合は、実際に食事をして楽しかったのは、その人の子供なのです。
話しをしているの人が、子供の場合は、実際に食事をして楽しかったのは、その人の親なのです。
だから、「聞いてみないとわからない」のです。
このように、あまりにも癒着してしまっていると、自分のことなのか、親や子供のことなのか、区別がつきにくい話し方になってしまっていることがあります。
癒着し過ぎていると、子供は親の人生を生きるようになり、親は子供の人生を生きるようになります。
これでは、お互いが適切な距離をとることは難しいですよね。
例え親子といえども、子供が社会的に大人になれば、適切な距離は必要です。
お互いにプライバシーを守ることも必要ですし、それぞれが決断したことに、何かと口出しするのは、よくありません。
親も子も、お互いが決めたことや、お互いの考え方を尊重していく必要があるのです。
これがうまくできていないと、接着剤でくっつけたような関係性になってしまうので、子供がいつまでも自立せず(親が子供から離れない場合もあります)、問題となってくるのです。
子供が社会的に大人となる年齢になるまえに、少しずつお互いに一人一人の人間であり、それぞれの考え方があるといことを、意識していく必要があります。
自分の気持ちなのか、子供(親)の気持ちなのか?
自分の考えなのか、親(子供)の考えなのか?
少し意識して考えてみることで、だんだんと区別がついてくることがあります。
癒着していると、自立できないことが多いですうので、気をつけたいところですね。
癒着は、例え離れてくらしていてもあり得ることです。
子供側がすでに結婚して家庭を持っているという場合でも、改めて「自分の考えなのか?親の考えなのか?」と見つめてみると、親の考えであることがわかってビックリするということもあります。
結婚して、配偶者と一緒に暮らしているにも関わらず、心は親から離れていないという状態ですね。
こういった場合、夫婦関係にも問題が出てくることがありますので、親との癒着の問題は、ぜひチェックしてみてくださいね。
>>>『親離れ、子離れの心理(3)~自信がないので離れられない心理~』へ続く