夫との今後

相談者名
ぱりー
私は結婚10年目の主婦です。結婚はデキ婚で、おろす予定だったが、直前で勇気がなくなり生むことにし、結婚に至りました。
結婚当初から色々な問題がありました。その中でも6~7年前に夫の風俗、会社の新人女性とメールのやりとり、食事に行っていたことが発覚しました。身体の関係の有無はわかりません。
このことについて夫は認めることも、反省もしません。証拠があっても「やってない」の一点張りで話しになりません。
私もそんな前の事を毎日言うのはいけないと思っているのですが、許せないし、忘れられないんです。
家にいるとイライラして、いつも心に重い塊があり、苦しいです。夫との家族観、価値観すべて私とは真逆。夫の事は愛していますが、一緒に居て楽しかったり、幸せを感じたり安心を感じることはありません。反対に、不安やイライラ孤独感を感じます。
私も夫を異常に監視し、干渉、束縛してしまいます。だから、夫も私にはうんざりしてます。でも、離婚には応じてくれません。
こんな中身のない生活をしていて、疲れました。この先の未来が本当に見えなくなってしまったのです。
仲の良い家族にはなれないのでしょうか。私はどうすればよいのでしょう。
カウンセラー
大谷常緑
ぱりーさん、こんにちは。
初めまして。ご相談を担当させていただく大谷です。
よろしくお願いします。

気持ちが落ち着かず、イライラして毎日を過ごしておられるご様子、目に浮かび
ます。
辛い日々ですね。

さて、このもつれたお二人の関係をぱりーさんの立場でどのように解決していく
かのお話をしたいと思います。
解決のプロセスを先ずは俯瞰すると、
(1)ぱりーさんの心の安定化
(2)ぱりーさんの自信の回復
(3)ぱりーさんのご主人との関わり方の変化
(4)ご主人のぱりーさんとの関わりの変化
(5)ぱりーさんとご主人との関係改善
という形になります。

「私ばかりどうして!?」
と思われるかも知れませんが、誰かに「こうしなさい」と言っても、相手は思う
ようには言うことを聞いてくれないのが世の常ですね。
関係改善を行うためには、その問題を何とかしたいという思いを(強く)持って
いる方が、先ずは「変化」を起こすことが必要です。そうすることによって、相
手もへんかしていくので、ここは「問題を解決するぞ!」という気持ちで取り組
んで頂ければと思います。
次に大切なことは、(1)~(5)の全てのプロセスにおいて、どんな自分の行
動や気持ちも、どんな相手の気持ちや行動も「いい」「悪い」で判断をなさらな
いで欲しいのです。
関係改善に最も必要なことは「理解」です。自分自身の理解もあれば、相手に対
する理解もあります。
この「いい」「悪い」の判断は、「理解」することを止めて前に進むことを妨げ
ます。
「いい」「悪い」の判断は、正しい人と間違っている人を作り、あるいは勝ち負
けの競争を作り出します。そしてそこで滞ってしまうのです。

さて、プロセスの(1)は、ぱりーさんの心に余裕を作るためのプロセスです。
心に余裕がないと、目先のことに捉われてしまい、大きな方向性であるお二人の
関係改善が進みません。
先ず、「ご主人は離婚に応じてくれない」との事ですが、応じてくれようとくれ
まいと、離婚する手段はあります。
実際に離婚するかどうかは横に置いておいて、先ずは離婚という選択肢もあると
いうことを理解してください。
そして、その上で、ぱりーさんはご主人とよりよい関係性を築き直すのかどうか
というご自分の選択をしてください。
人間は、選択肢がない状態がとても辛いのです。選択肢があるだけで、少し心が
安定することが出来ます
また、ぱりーさんは、結論のでないことを考える癖をお持ちかと思います。
この癖を手放すと決意してください。
私たちは考えても結論が出ないことを考えて悩みます。例えば人の気持ちとか、
明日の状況などです。この考えることは。「最悪の状況に備えるため」の防衛で
す。だから、悪いことばかりが浮かんできます。これでは、心が安定しませんね。
この考える癖を直すためには、少々訓練が必要です。
何せ長年馴染んできた癖ですから。
先ず、考え始めたら「またやっている」と自分で思うこと、そして「~と考えた。
(マル)」と考えを区切る練習をしてください。

プロセスの(2)は、自信の回復です。
「自信」とは、自分を信じることですね。
その為の手早い方法は、「自分のいいところを受け容れる」事です。
そして、「自分を責めないこと」です。
前者は、ご自分で「私の良いところはどこだろう?」と考えてみたり、お子様な
どに教えてもらったりしてください。そして、それをメモして出来れば鏡の中の
自分の目を見ながら口に出して毎日自分に言い聞かせるのです。そうすると、今
までの「駄目な自分」ばかりを見る偏った癖が改善され、等身大の私を見る事が
出来るようになっていきます。
後者は、自分を責めないことです。
私たちは人間ですから失敗もするし、上手くできないこともあります。それが普
通です。
しかし、完璧主義の部分がある人はそうは思えないのです。
これは、私は完璧な人間ではない、「不完全な人間だ」という思いから、それを
打ち消すために完璧にならなければと思い、自分を責める行為なのです。
「まっいいか、人間だから」というぐらいの気持ちを心がけてください。
そしてご自分を大切に扱ってあげてください。
自分が自分を責めていては、自分を信頼することなんてできませんよね。

プロセスの(3)は、プロセスの(2)と重なりながら訪れるのではないかと思
います。
ここで、気をつけていただきたいのは、コミュニケーションです。
女性と男性では、遺伝的にも後天的にも様々な事柄が違います。
「これぐらいわかるだろう」は一切通用しません。
だから、言葉にして伝える必要があります。
そしてその伝え方は、具体的に、感情を交えながら伝える事が必要です。
「いつもありがとう」では、伝わらないのですね。
例えば、ご主人が何かの飲み会で遅くなったとします。そんなときによく陥るの
は、「あなた、今何時だと思っているのよ!」という怒りの言葉です。これでは、
単にご主人に怒りをぶつけているだけで、ご主人も攻撃されたと怖くなって「つ
きあいもあるんだ!」と反撃するしか手が無くなります。
しかし、その怒りの下側にある感情・・・寂しい、悲しい、わかって欲しい・・
・までブレイクダウンしてそれを交えて伝えると状況は変わってきます。
例えば、「あなた、遅いからとても寂しかったし、心配もしていたのよ」という
形で話をすれば、ご主人にもぱりーさんの気持ちが伝わるし、ご主人も反撃する
のではなく、理解した上での対応ができますね。
このように関係性に再構築をしていけば、ご主人の気持ちにも余裕ができて、プ
ロセスの(4)が進みます。
そして、日常の中で、プロセスの(5)が訪れてきます。

しかしながら、これらのプロセスは状況により上手く進まない場合もあります。
その時々の状況(当然、紆余曲折も予想されます)や、ぱりーさん自身の意識的
・無意識的な抵抗、ご主人の性格に応じた適切な対応が必要だからです。

ぜひ、カウンセリングをご利用になって、適切なアドバイスを受けながら進まれ
ることをお薦めします。

回答がお役に立てれば幸甚です。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦間の問題、家族関係、対人関係、自己変革、ビジネスや転職、お金に関する問題などあらゆるジャンルを得意とする。 どんなご相談にも全力投球で臨み、理論的側面と感覚的側面を駆使し、また豊富な社会経験をベースとして分かりやすく優しい語り口で問題解決へと導く。日本心理学会認定心理士。