リーダーになる怖れを超えよう!~権威との葛藤の視点から~

同じ職場で働き続けていると「リーダーポジション」を任されることが必然的に増えてきますよね。

昇進し役職がついたり、部署を任されたり。
プロジェクトリーダーを任されたり。

リーダーポジションを任されるということは「いままでの経験や実績、人柄を認められている」という証拠でもありますから、とても喜ばしいことではあるのですが、
「プレッシャーを感じ過ぎて辞退してしまった」「引き受けたはいいが、抱え込みすぎて潰れてしまった」というお話を、カウンセリングで伺うことは少なくありません。

こんなとき「職場や職種を変えれば、こんなことにならないかもしれない」と転職を考える方もいらっしゃると思うのですが、実は「リーダーになる怖れ」を持ったままだと「リーダーポジションを任される時期」になると同じことが発生してしまうことが多いんですね。

リーダーポジションを任される、という場合だけでなく、同じ職場で長く続けるのがしんどく感じる、とか、短期間で転職を繰り返してしまう原因も、この「リーダーになる怖れ」のパターンから来ていることが少なくありません。

ということで、今日は「リーダーになる怖れ」の心のパターンを「権威との葛藤」の視点から紐解いてみたいと思います。

「権威との葛藤」というのは、権威者(父親や、上司など目上の人、先生と呼ばれるようなポジション)との関係で出てくる「葛藤」のことを指します。

「上司なんだから・・」から続くような不満を、みなさん、ひとつやふたつ感じたことがあるのではないでしょうか?
意見の否定や、競争、やり方が古い!などなど・・私たちはみんな、少なからずこの「権威との葛藤」を抱えているといわれています。

実は、この「権威との葛藤」が強い分だけ、自分が「権威者に対して抱いている葛藤」を「自分が権威者になったとき、周りに抱かれるんじゃないか?」という怖れが出ます。
よって、自分自身が権威者のポジションや、リーダーになることに抵抗が出たり、
上司になったとしても、部下に脅威を感じるため、円滑な関係を築きにくくなるんですね。

たとえば上司に「完璧である」ことを求めていて「怒りを感じている」場合、自分が上司になったとき、周りから「完璧な上司であること」を求められているように感じるので、
いくら部下が好意的で協力的であったとしても、自分に完璧であることを求めすぎ、プレッシャーにつぶれてしまうなんてことが起きやすくなります。

また、私たちが権威との葛藤を持っているとき、まるで神様のような「理想の完璧な権威者像」が自分の心の中にあることが多いので、
「私にはとてもそんな権威者になれません」と無価値感を感じやすくなり、リーダーを依頼された時点で辞退したくなってしまったりも・・。

周りが見てくれてる「自分の価値」や「可能性」よりも、自分の中に作り上げた「理想の権威者像」と競争し負けてしまうんです。

ですから、このような場合カウンセリングでは、「権威との葛藤のルーツ」になっている権威者と自分との関係を見つめなおし「権威との葛藤」を手放していくアプローチを取ると共に、
自分自身の価値を見直し「実際に、権威を受け取る」チャレンジをご提案していきます。

ちなみに、権威との葛藤のルーツは、一般的に、父との関係から来ていると言われています。
なぜかといいますと、私たちの心は、一番身近な権威者である「父」に対して感じていることを、その他の権威者にも「どうせ、この人も父親と同じだろう」と、当てはめてしまいがちなんです。
ですから、父親との関係を見直し、権威との葛藤を癒やしていくと、父以外の権威者に対して感じる気持ちも変化していくことが多いのですね。
結果、自分が権威者になったときの怖れも減っていきます。

なお、権威との葛藤を癒すポイントは「父親に自分のことを理解してほしい」という子どもの視点から「大人の自分が、父親をひとりの大人として理解し、受け入れ・長所を認める」という「対等な大人の視点」に立つこと。

そのためには成熟さが求められるのですが・・・
心理学では「受け取る準備が出来ているところに、チャンスがやってくる」と言われています。

そういう視点から見ると、
あなたが既に成熟し、権威との葛藤と向き合う準備が整っているからこそ、「リーダーになるチャンス」が到来しているという捉え方もできるんですね。

私たちにとって、権威とは「パワー」のシンボルです。
権威との葛藤を癒し、パワーを受け取ることが出来れば、自分個人の成功だけでなく、あなたの大切な人たちにも「成功」や「幸せ」「豊かさ」を与えてあげることが出来ますから、ぜひ、怖れを超えて「権威」を受け取っていただけたらと思います。

参考になれば幸いです。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛、対人関係の改善、自分が本当に望んでいる人生へのシフトチェンジへのサポートを得意とする。 特に「さびしさを笑顔に変えるカウンセリング」をテーマに掲げ、30代女性の生き方、恋愛・婚活サポートを精力的に行っている。 高い共感力を活かした「共に考え、併走する」カウンセリングスタイルが好評。