少しずつ自信をつけていくこと、自信をつけさせていくことが、親離れ、子離れに必要です
「親離れ」「子離れ」は、私たちが大人として社会で生きてくためには、とても大切なものです。
自分に自信が持てないでいると、親から離れることが難しくなりますし、そんな子供を見ていると、自分の手元から離しづらくなってしまいます。
いきなり大きな自信を得ようとするのではなく、少しずつ自信をつけていくこと、自信をつけさせていくことが、親離れ、子離れに必要になってくるのです。
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「子供が自立してくれない」というお話をよくお伺いします。
また、「親が離れてくれない」という子供側からのお話しもよくお伺いします。
親側からも、子供側からもお伺いするお話しですので、子供の自立というのは、両者にとって大切なことではないかと思います。
今回の心理学講座は、そんな「子離れ」「親離れ」に関わる心理について書かせていただいております。
第3回目は、自信がないので離れられない心理についてです。
自信というのは、とても大切なものです。
自分を信じるわけですからね。
例えば、子供が自信を持てないでいたとしたら、社会で生きていくのにも不安でいっぱいになります。
「自分で生活していけるだろうか?」
「自分で責任がとれるだろうか?」
自信がない状態というのは、こういったことに「無理だ!」と思ってしまう状態です。
私たちは誰もが、自信満々ということはないでしょう。
何らかの不安は抱えているものです。
でも、どこかで「誰かが助けてくれる」とか「頑張ってみよう」と思えていたりもします。
今は自信がないけれど、助けてもらったり、努力することで、何とかできるようになれるだろうと感がるのです。
でも、もしも否定ばかりされてきたのだとしたら?何事もチャレンジしてきたことがないのだとしたら?
その不安は、尋常ではない量になります。
今まで足がとどくプールで、浮輪をつけて浮いていたのに、いきなり真っ黒な夜の海に浮輪なしで放り込まれるくらいの恐怖かもしれません。
無理ですよね?
だから、親にしがみつきます。
「無理だよ!一人にしないでよ!」となるのは、ある意味当然なのかもしれません。
今まで散々、過保護に接してきて、いきなり「全部一人でやっていけ!」は、誰だって無理なのです。
今まで散々、「お前には無理だ!」と接し続けてきて、いきなり「一人でやっていけ!」も無理なのです。
自信をつけさせてあげる。
自信をつける努力をする。
小さなことから経験を積んでいく必要があるのです。
失敗しても、再チャレンジできる経験が必要になってくるのです。
否定されるだけでなく、認めて受け入れてもらえる経験があって初めて、自信をつけていくことができるのです。
自信というお話をすると、いきなり一発逆転を狙って、大成功を収めようとする人がたまにいらっしゃいます。
でも、自信に関しては一発逆転は難しいのかもしれません。
小さいハードルから初めて、だんだんと大きなハードルを飛び越えるように、まずは小さなステップから挑戦していくことが大切です。
小さな成功体験を積んでいくのです。
誰かから褒めてもらう、認めてもらうこともある程度必要ですが、結局は自信は、「自分を信じる」ことですから、自分自身が認めていくことが必要になってくるのです。
まずは、ちょっとしたことに挑戦してみましょう。
いきなり大海原で水泳の練習をするのではなく、浮輪なしで少しだけ泳げるように練習していくのです。
浮輪が外せたら、足がつかないプールで、ほんの少し泳いでみる。
泳げるようになったら、その距離を延ばす。
徐々にチャレンジのハードルを大きくして、自分を信じられることを目指していきましょう。
>>>『親離れ、子離れの心理(4)~親子関係以外で自分の居場所を作る~』へ続く