悪い好奇心を抑えたい

相談者名
マサ
先日、iphoneから間違えて110番通報してしまいました。その時に通話画面の表示や動作が通常電話と比べて微妙に違っていることに気付き「緊急電話と普通電話では何か他に大きな違いがあるのではないのか…」と思うようになりました。「止めたほうがいい」と自分を抑制していても、「繋がる前に切れば大丈夫」という好奇心も出て来てしまい、何度も発信してしまいました。
iphoneの通話画面には保留時に使う「消音」や自動音声電話用の「キーパッド」などの様々なボタンがあり、そのスイッチを入れた状態ではどのように動作するのか、こうして電話を切ったらどうなるのか…等と色々なシチュエーションを試しながらその様子をデジタルカメラで撮影していました。
繋がる前に切ろうとしても場合によっては繋がってしまうこともあります。その時には間違いでかかったことを丁重にお詫び申し上げ、自分自身に「もうやらないぞ!」と言い聞かせ、iphoneから距離を置こうとしても、自然と心のそこから「あれをこうしていたらどうだろうか」等とまた試していない新しいシチュエーションが頭をよぎり、結局また同じようなことを繰り返してしまいます。
「好奇心は猫を殺す」という言葉があるように、このままでは自分の身を滅ぼすどころか警察の方々にも迷惑をかけてしまいます。このような悪い好奇心を抑制、もしくは振り切るにはどのようにしたらよろしいでしょうか。
カウンセラー
松尾たか
マサさん、こんにちは。ご相談ありあとうございます。
今回マサさんのご相談を担当させていただく、松尾たかです。
どうぞよろしくお願いいたします。最初は間違えて発信したことだったのが、「あれをこうしていたらどうなるんだろう」という気持ちが勝ってしまい、また電話をかけてしまうのですね。
頭では「止めたほうがいい」と思っているのに止められない。マサさんの苦しい気持ちが伝わってきます。マサさんは、偶然に見た緊急電話で表示される画面や表示や動作の違いをとても知りたくなったわけですから、好奇心旺盛で、研究熱心、つきつめていくタイプの方なのでしょうか。
やってはいけないとわかっていることでも、やってしまいたくなるほど、マサさんにとっては興味をひかれるものなのですね。

「やってはいけないこと、やっちゃいけない」と思えば思うほど、やってみたくなるのが人間の心理です。 もし、その箱を開けないでね、見ないでね、と言われたら、何があるんだろうと見てみたくなりますよね。
ダメだよと言われていることをする時、すごくスリルがあるでしょうし、刺激的と感じるかもしれません。 「怒られるかも」「バレたら、クビになるかも」と思いながら、「わくわく、どきどき」することがやめられないのかもしれません。

ただ、その行動は、刺激的でわくわく、どきどきをもたらしてはくれるけれど、同時にとても強い罪悪感を感じることになります。
誰しも罪悪感(自分が悪い)を感じたくないので、その感情を無意識に抑圧しようとします。
抑圧すれば、またさらに強い刺激を求めて・・となりやすいのです。

文面から私が察することですが、マサさんは今まで、真面目に決まりやルールはキチンと守って生きてこられたのではありませんか。 迷惑をかけちゃいけない、人の気持ちや思い、自分への期待に対して、裏切ってはいけないと考えて、ご自分は我慢ばかりでやりたいことをやってこなかったなんてことはありませんか。
もしそうだとすると、今マサさんがやってしまっていることは、自分にとっての密かな楽しみなのかもしれません。いつもとは違う自分になれているように感じるのかもしれません。

子どもの頃に、家庭や遊びの中で、「やってはダメだよ」といろんなことを禁止されてきたとしたら、本当はやりたいことがいっぱいあったのだと思います。 でも、いつも禁止されると、どうせやらせてもらえないんだから、とやりたいことや好きなことも考えないようになってしまいます。出来ないのなら、期待しないほうがいい、諦めようと思うわけです。そして、思うことさえいつのまにか禁止してしまうんですね。 それが知らず知らずのうちに、我慢となってしまいます。

やりたかったのにやらせてもらえなかったこと、今のマサさんには何か浮かんでくるでしょうか。 思うことさえ許してこなかった自分の思いを見つけて、それを見てあげてください。
「ああ、こんなこと思ってた。本当はこうしたかったな」とその思いを受けとめてあげてください。 抑圧したままでは、いつまでもその思いが残ってそれに引っ張られてしまうからです。 する、しないの前に、「こうしたいんだ」という気持ちがあることを認めてみると、
心が落ち着いてきます。 それは、自分の気持ちをネグレクト(無視)しないからです。

もちろん、社会生活では守るべきルールや、やってはいけないことはたくさんありますが、
その中で、こんな気持ちがあることを認めてあげることは、ご自分がその思いから解放されるためにも大事なことだと思います。

マサさんが心の重荷から自由になり、人との繋がりを楽しめるような毎日となることを願っています。

ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

自己否定、自己嫌悪、疎外感、自己肯定を得意とする。「その方の心に寄り添い、一番の味方でいること(安心感)」をモットーに、わかりやすい言葉で恋愛問題や対人・自己との関係を紐解き、改善・生き易さへと導いている。  東南アジア2カ国での生活経験もあり、国や文化の違いについても造詣が深い。