ひでちょさん、初めまして。ご相談を担当させていただきます、中山けんたろうです。 よろしくお願いいたします。さて、ご相談内容を読ませていただいて思ったことは、何かに対して心の中ですごく怒っていらっしゃるとか、大きな不満や不安を抱えていらっしゃるのではないのかなということでした。 よくお話をする例えなのですが、グラスの中にすれすれいっぱいを超えて、表面張力で水が盛り上がって、もうこぼれ落ちそうなくらいの水が入っていたとします。 そこに、ほんの1滴の水を垂らしたらどうなるでしょうか。 1滴分かそれ以上の水がこぼれ落ちますね。 この例えで言うと、「グラス」がひでちょさんのこころのキャパシティ(容量)。 「水」が、「思い通りにいかない」、「イライラする」、「腹が立つ」という気持ちを引き起こす出来事と思ってみて下さい。 水がグラスに半分くらいしか入っていなかったとしたら、1滴くらいの水でグラスから溢れることはありませんね。 かなりこころの余裕がある状態を表しています。 こころに余裕があれば、少々気分が悪いなと思うことに出会っても、それを受け止めるだけのキャパシティがありますから、イライラや不機嫌を自分が意図しないのに外に向かって表現してしまうということも減っていきますよね。 ですので、ひでちょさんのこころのなかに、もともと怒りや不満や不安を引き起こす原因がたくさんあるとしたら、それを減らしてあげることが効果的なのだと思うのです。 何かオススメのイメトレやコツ、訓練法などを・・・とのことですね。 まずは、このように仮定してみましょう。 もし、もし、ひでちょさんのこころの中に、怒り、不満、不安が溜まっているとしたら・・・。 あくまで、仮定の話です。 何に対する怒り、不満、不安でしょうか。 「何」に対して、怒り、不満、不安を感じていらっしゃるでしょうか。 「いつ」から、怒り、不満、不安を感じていらっしゃるでしょうか。 今までの人生の中で、おそらくたくさんの「自分の思い通りにいかないこと」、「イライラすること」、「腹の立つこと」などを感じて来られたことだと思います。 その時の辛かった感情、悔しかった感情、悲しかった感情、惨めだった感情、情けなかった感情などのいわゆるネガティブな感情がきちんと処理されないままこころの中にまだ残っていると思ってみて下さい。そういうのを「未完了の感情」と言ったりします。 現在ひでちょさんは、「嫌い」、「腹が立つ」、「こうしてほしい」と強い口調で周りに言っては、周りとうまく折り合えなかったり、誤解されたり、場合によっては人が離れていったりといったことが重なって、今回のご相談をお寄せいただいた部分もあるのかなと思いました。 今まで生きて来られた中で、 「自分の思い通りにいかなかったこと」 「イライラしたこと」 「腹が立ったこと」 を、いろいろ思い出してみていただけないでしょうか。 そんな嫌なことをわざわざ思い出すことに抵抗を感じられるかもしれません。 でも、雨降って地固まるということわざもありますね。 大きな出来事、小さな出来事、何でも結構です。 せっかく思い出しても、結構すぐに忘れてしまうものですから、できれば、何かにメモをされるのがよいと思います。 そのようにして、自分の中の怒り、不満、不安のルーツを探っていきます。 何歳ぐらいまでさかのぼれるでしょうか? 小学校低学年くらい?幼稚園くらいまで?もっと思い出せるでしょうか。 できれば、寝る前の静かな時間に、こころも体も落ち着けて昔を思い出してみられたらよいと思います。 「あ、そういえば幼稚園のとき、先生にすごく叱られて悲しかったっけ。あれは濡れ衣だったんだよなぁ。。。」とか、 「小学校の時、あのおもちゃが欲しかったのに、買ってもらえなくて辛かったなぁ。。。」などです。 このように、普段、潜在意識にしまい込まれている記憶を思い出し、それにくっついている未完了の感情を「今」感じてあげるだけで、「昔」の自分が癒されます。 なぜなら、感情には時間の概念がないからなのです。 「昔」に感じきれなかった感情を、「今」感じても、こころにとっては同じ意味を持つものなのです。 そして、感じ切った感情は、解放されて消えていきます。 そうすることで、先ほどの例えで言っていた、グラスの中の水が減っていきます。 そのようなアプローチを試してみられてはどうでしょうか。 話は変わりますが、ひでちょさんがもし無人島に一人で暮らしていたとしたら、今回のご相談内容は、それほど問題にはならないはずですね。 自分以外に人がいないわけですから、どんな感情を周りに吐き出しても全く問題にならないからなんですね。 でも、ひでちょさんの中に、人間関係を改善したいという思いがあるからこそ、自分の感情をなんとかしたいという問題が姿を現してきたわけです。 ひでちょさんは、それくらい「人とうまく関わりを持ちたい」と言う気持ちをお持ちの方なのです。 その気持ちをいつもこころの中に満たしてあげていただければと思います。 「私は人とうまく関わりを持ちたいんだ」というのを、心の中で繰り返して言ってみたり、小声で唱えてみるのもよいと思います。 そうすることで、ご自分の「悪い癖」と思っている部分を、ポジティブなものに置き換えることができてくるからなのです。 人間というのは、頭では悪いと思っていても、なかなか行動を変えるのが難しいものですよね。 深層心理では、人間は、「自分は「悪い」存在だから、今までと同じ行動を繰り返すことで、自分に「罰」を与えよう」と無意識に思っているものなのです。 ですから、自分の「悪い」部分ばかりに焦点を充てるのではなくて、その表裏一体の「ポジティブな部分」に焦点を当ててみれば、行動を変えやすくなってくるというわけなのです。 その他には、「嫌い」「腹が立つ」「こうしてほしい」と言いたくなったら、一旦その場から離れてみるというもよいと思います。 そして、「なぜそういうことを言いたくなったんだろう」、一体「どんな感情を感じているんだろう」と、自分のこころの「反応」を観察してみられるのもよいと思います。 「怒りは本当の感情のフタ」とか、「二次的感情」と言われています。 怒りの下に、本当の感情が隠れているということなのです。 その本当の感情を見つけて、「あ~、自分ってそんなことを感じていたんだ~。。。」と思ってあげることで、未完了な感情が解放されて消えてなくなります。 そのような未完了な感情を一体いくつ持たれているかは文面からではわかりませんが、そのような作業を繰り返すことで、こころの「反応」の根本的な原因となっている感情をなくしていくことができます。 感情は、「理屈」ではありません。 反省した時は、「理屈」では「ああいうのはだめだよな。もうやめなきゃな。」とわかっていても、ある場面や状況に出くわすと、感情は勝手に「反応」して外に出てきます。 昔の未完了な思いが、同じような場面や状況に出くわすと、オートマチックに蘇ってくるのです。(心理学で「投影」と言っています。) その他には、呼吸法や自律訓練法で、気分を落ち着かせることも、こころの余裕を増やして、自分の心の反応を観察する状態を整えるのに有効なことだと思います。 マッサージや整体などで、他人から心地よいものを与えてもらうという経験も、同じような効果があると考えています。 こころと体はつながっていますから、体からこころへアプローチすることも有効なのです。 最後になりますが、ご相談内容の中で、「そのような態度をすれば相手が気を遣ってくれることが分かった上でやっている、子供じみた甘えの気持ち」とお書きいただいていますね。 また、タイトルでは、「自分の中の甘えを無くしたい」とお書きいただいています。 でも、「甘える」こと自体には、「よい」も「悪い」もありません。 その人の置かれた状況、年齢、立場によって、「もっと甘えていいのよ~」と言われたり、「何を甘えたことを言っているのっ!!」と言われたりするものなのです。 ひでちょさんは、誰に「甘えたかった」んでしょうか。 誰に自分のことを「わかって欲しかった」んでしょうか。 誰に自分のことを「助けて欲しかった」んでしょうか。 そして、誰に自分のことを「愛して欲しかった」んでしょうか。 その辺りのことを、上で書かせていただいたアプローチを通じて探っていかれると、心の中にある原因がだんだんとわかってきて、ご自分で「甘え」とか「悪い癖」と捉えていらっしゃる行動パターンを変えていくことができると思います。 また、お一人だけで取り組む必要はありません。 初回無料の電話カウンセリングや面談カウンセリングをうまくご活用していただければと思います。 今回のご相談が、ひでちょさんにとって何かのヒントになれば幸いです。 この度はご相談いただきまして、ありがとうございました。 以上 |