家族が原因で人が怖くなってしまった

相談者名
apple
こんばんは。初めまして。22歳、学生(男)です。相談にのっていただきたい事がありメールしました。よろしくお願いします。

わたしにはずっとまえから、人に対する恐怖心があります。このことで、ずっと悩んできました。そのように人を怖がるようになった原因は、恐らくはわたしの家族にあります。

わたしは幼い頃から祖母にたいする恐怖を抱えて生きてきました。祖母と母が喧嘩をするのがとても怖かった。祖母に怒りや憎しみといった感情を直接ぶっつけられることも。わたしは当時母親のことが大好きだったし、祖母がそんな母の悪口を陰で家族に(あるいは第三者に)言ったりするのを聞くと(祖母は子供がいようといまいとお構いなくそうしました)、深く傷つきました。母と祖母が小さい子供をあいだに挟んでののしりあうこともありました。母がいないとき、祖母から憎憎しく「お前は母親に似ている」と言われたこともあります。祖母に向かっていったわたしを母が思いっきりひっぱたいたりしたこともあり、いつしか母も含んだ家族(あるいは他人)にたいして心を閉ざすようになりました。家族に対しては軽蔑する気持ちも強かったです。特に祖母のようには絶対になるまいと思ってました。家では相変わらずいさかいがあったり収まったりでしたが、わたしは無関心をよそおいつつも内心傷つき、動揺し、しかしそれを彼らに知られまいとずっと無関心を装ってきました(本当は家の外にいても祖母と母の意思が頭から離れないぐらい、気になっていたのに)。今思うと、わたしの今に至るまでの対他関係もこのような関係の延長線上にあったように思います。いつも人の目や気持ちが気になってびくびくしてしまう、人に強く影響される。かといって(プライドや見栄のせいで?)それを表にだすこともできない、だからいろいろな感情を抱え込んでしまう。暗くなる。だからといって学校や家庭といったシステムから外れる勇気もなく、がんばってしまう。そこで耐えてしまう。何とかあわせようとしてしまう。卑屈になる。だから・・・。この繰り返し。

小学校時代から大学4年になる今までずっと、集団にはうまく属せませんでした。特に高校時代は本当に辛かったです。それまでの苦しみがピークにたっした感じで、いつ自分がおかしくなってしまうか怖くなり、夜も不安で眠れませんでした。しかし家を出さえすれば楽になると考え、必死で勉強して今の大学に入り、一人暮らしを始めましたが、それで自分が変わるはずも無く、2年半ほど友人もなく引きこもりのような生活が続きました。

それでも、思い切って大学の相談室にいき、自身の悩みを聞いてもらうようになってから、精神的には楽になったと思います。なにより、それをきいてもらうということ自体(話をきいてくれるひとができたことも含めて)初めてだったため、最初の頃は話を聞いてもらうことが待ちきれないほどでした。先生にも好意をもつようになりました。希望がみえてきたようにも感じました。

しかし、この頃いろいろなことがまた分からなくなってきました。勇気をだして始めたアルバイトが対人面でとても苦痛で勤務先のひとが怖くなってしまい続かず、辞めてしまいました。こうなると自分は全く変わっていない、今までのカウンセリングは何だったのだろうと思ってしまいます(わたしはカウンセリングでも自分の感情を抑圧してしまうところがあるので、そのせいもあるのかもしれませんが・・・)。正直少しがっかりしました。またわたしは特定のひとを内心すごく怖がる半面、好きになったひとに対しては心の中でいろいろな空想をしたり、甘えたりしてしまうところがあります。結果として自分の気持ちを押し付けてしまうところも。それが原因で失恋したこともあります。詳しい経緯は省きますが、そうしたところが相談室の先生にも出てしまって、今日の面談は険悪な雰囲気になり、落ち込んでいます。わたしとしては自分の好意をわかってもらい、それに対する先生の気持ちを聞きたかったのですが、「わたしにとってこれは仕事だよ、そういうのはわたしにカウンセラーでなくなれと言っているようなもの」と言われてしまいました。ほかにもいろいろあって、唯一の味方がいなくなってしまうようで恐いです。あのひとがわたしを嫌になっていくのが分かり、それは今まで自分が人に拒絶されてきたパターンとおなじだから。この点でも変われない?

わたしはこのまま誰とも心を通わせることなく、おびえながら、常に人の目を気にして生きていくのだろうか、本当の意味で大人になることもなく、周囲から取り残されたように感じたままで・・・。

長文、乱筆失礼しました。ご意見を聞かせていただければ幸いです。

カウンセラー
根本裕幸(退会)
appleさん、こんばんわ。根本です。
ご相談ありがとうございました。

appleの文章からはしっかりとした大人の人格と共に寂しさ、孤独、満たされない欲求などが
伝わってくるような感じがします。
もちろん、恐れや不安も強いことはとてもよく分かります。

特にずっと甘えられずに、その気持ちを抑圧されてきたような気がするんです。
誰にも頼れず、誰にも甘えられずに今まで生きてこられたのではないでしょうか。
心からほっとする場所、安心できる場所を求めながらも、どうしても手に入れられないような
苛立ちもあるかもしれません。

その分、appleさんの精神の一部は非常に大人です。
文体にしても、表現力にしても、一人前の社会人のような印象すら受けます。

でも、その一方で、appleさんの心の中には寂しさや恐れに震えている小さな男の子がいるようです。

実は僕もそんな人間でした。
いつも孤独で、輪に入れず、そんな自分を保つために高い高いプライドを持っていました。

appleさんにとっては、おばあさんの存在そのものが恐怖のシンボルになってしまってますよね。
そして、お母さんもまた怒りと恐れの象徴のような気がします。
そして、その間に挟まれ、何も出来なかったappleさんがいらっしゃるようです。
自分に自信が持てない感覚があるとすれば、きっとそんな板ばさみになりつつ、
誰をも守れなかった自分を責めているところがあるのかもしれません。
そこではappleさんの愛情も踏みにじられたような痛みもあるようです。

そして、本来その2人の間に割ってはいるべきお父さんの姿もありませんね。
それが男性としての不信感、自信の無さのベースになっているようにも思います。

appleさんがカウンセラーであれ、女の子であれ、甘えたい気持ち、自分の気持ちを
受け取って欲しいという強い欲求を感じるのは、そんな満たされない男の子の気持ちでは
ないでしょうか。

とすれば、今のappleさんにとっては、自分の心の中にいるその男の子とのつながりを
取り戻していくのが一番大切だと思うんです。
これはとてもセラピー的な見方なのですが、まずは自分の心の中にそんな寂しく、
震えている男の子の存在を感じて、認めてあげることが一番ではないでしょうか。
ともすれば、それだけで心が安堵感を覚えることだってあります。

そして、そこからその男の子と繋がり、過去の甘えたい欲求や満たされない愛情を
誰かを通じてではなく、まずappleさん自身が慰めてあげることが大切です。
そこから、お母さん(象徴としては今のカウンセラーさんにあたるのかな)や
おばあちゃんからの愛情を受け入れることが目標です。

これをインナーチャイルドワークって言います。
心理学講座でも簡単に扱ってますので、機会があればご覧下さい。

今の寂しがってる自分、甘えたい欲求に駆られる自分が、今の22歳の自分というよりも
まだ幼い4、5歳の男の子のしわざとすれば納得感も高まるでしょう。
そこから始める事をお勧めしたいです。

そして、その繋がりが取り戻せるようになってきた分だけ、周りの人たちとの距離感も縮まり、
今よりももっと正しい姿で女の子を見ていくことができます。
appleさん自身はとても優しく、人の気持ちが分かる方でもあると思っています。
ですから、そんな長所を女の子達に売り込んでいくこともきっとできるようになると思います。

少しずつ、ゆっくりでも、前に進んでいきましょうね。

それでは。

この記事を書いたカウンセラー

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