毎日気が重いです。

相談者名
肝っ玉母さんになりたい
30代前半、2人の子供がいるパート主婦です。
以前から小さなことをクヨクヨ悩む性格でしたが、最近特にひどいです。

上が一年生、下が3歳、育児に先が見えません。
上は明朗快活で割に聡明ですが、家では発達障害かと思わせる我儘な行動で日々イライラさせられます。気が強いので友達付き合いなども心配でたまりません。友達と遊ぶことが少ないので心配でヤキモキし、遊べばその態度の酷さに胃が痛くなります。
下の存在は癒しでしたが、近頃イヤイヤ期でこれもイライラさせられます。

子供は可愛く、手をあげたり暴言を吐いたりはしていないつもりです。
が、小さなことでイラつき一人部屋に逃げ込んだり、影で文句を言っています。

私は大人しい性格で、人に攻撃的ではなく、穏やかなのが取り柄だったのに…。
時に子供達には人が変ったように恐ろしい顔で対応しています。情けない。偉そうに説教するなら、自分も立派な行動をすればいいのに、自分は出来ていません。

子供が小学生になり楽になった反面、PTAに子供会、まだ体験していない未知の世界に不安で悶々としています。(現在特に困っている訳ではありません。)
人づきあいは正直苦手で、周りのお母さん方とは当たり障りない付き合いです。
近頃旧友と会っても、素を出せていない自分がいます。
本当の自分は何なんだろう?周りのみんなが輝いて見える。

全ての悩みの元は、子育ての重圧・それに数年前に新築したマイホーム。
値段の割に・・・な家で、思い通りの生活はできず、日々ストレス。
今までは嫌なこと、辛いことは過ぎ去るのを待ったり、逃げてきましたが、子育てとマイホームは逃げられません。
どのように気持ちを切り替え生きていけばいいのでしょうか。

夫は問題なく、両親との関係も良好です。パートもそれなりにこなしています。
金銭的、健康的不安も特にありません。恵まれていると思います。
子育ての本(抱っこ法など)、自己啓発、プラス思考、本は数々読み、その時は前向きになれる気がするのですが…。

これからの人生に希望が持てません。周りの人たちに申し訳ない気持ちです。
何の取り柄もない私ですので、せめていつも明るく、穏やかに居心地の良い家庭を築きたい、願うのですが・・現実は程遠いです。

カウンセラー
三島桃子
肝っ玉母さんになりたいさん、はじめまして。今回担当させていただく三島桃子と申
します。どうぞよろしくお願いいたします。

肝っ玉母さんになりたいさん、毎日すごくがんばってらっしゃいますね。ご相談の文
面から、奮闘している肝っ玉母さんになりたいさんの姿が見えるような気がしまし
た。

私にも小3の男の子が一人います。子どもは可愛い、でも、子育てはやっぱりけっこ
う大変!というのが私の実感です。

まずは、肝っ玉母さんになりたいさんの現状について少し書かせていただきますね。

>子供は可愛く、手をあげたり暴言を吐いたりは
>していないつもりです。が、小さなことでイラ
>つき一人部屋に逃げ込んだり、影で文句を言っ
>ています。

イライラしてしまったとき、他の部屋へ行くなどして一人になりクールダウンするこ
とや、子どもに聞こえないところでブツブツ文句を言うのは、とても上手なやり方だ
と思います。現状の中で、ベストな対応をされていると思いますよ!

>私は大人しい性格で、人に攻撃的ではなく、穏や
>かなのが取り柄だったのに…。
>時に子供達には人が変ったように恐ろしい顔で対
>応しています。

大人しいタイプの人でも、母となると時にはオニにもなるのが普通みたいです。それ
ぐらい、「母としての女性」はパワフルな面を持っているのだと思います。そしてそ
のパワフルさは、我が子を守り育てなければならないという強い思いからきているの
ではないでしょうか。(先日息子と一緒に「ドラえもん」の映画を見に行きました
が、その中で、スネ夫やのび太たちが、「ママは宇宙で一番怖い生き物だ」なんて
言ってて、思わず苦笑いしてしまいました。)

また、もうひとつの要因として、親が子供に対して、時に自分でもびっくりするほど
きつくなってしまのは、「子どもはどんなにきつい態度をとっても親を許してくれ
る」という部分もあると心理学では言われています。

実際、我が子以外の人に対してそんなきつい態度をとったらどうなるでしょうか。お
そらくほとんどの場合、人間関係は壊れてしまいますよね。思春期前の子どもという
のは、本当にとてもけなげに親を許してくれるものなんです。

親は直感的にそのことを知っているので、我が子に対してはうっかりきつくなりすぎ
ることがあるのです。これは誰でも同じことです。ですから、肝っ玉母さんになりた
いさんだけのことではないですよ。

>子育ての本(抱っこ法など)、自己啓発、プラス
>思考、本は数々読み、その時は前向きになれる気
>がするのですが…。

いろいろ本も読まれているんですね。こういうことも大事なことだと思います。
(抱っこ法には私もすごくお世話になりました。)本で読んだことは肝っ玉母さんに
なりたいさんの中に蓄積されていると思いますよ。長い目で見た時、きっと役に立っ
ていくと思います。

上のお子さんのことを「聡明」と書いてらっしゃいますが、肝っ玉母さんになりたい
さん自身も、とても聡明な方だな、と私は感じます。

というわけで、客観的に見ると、肝っ玉母さんになりたいさんは、普通のママさんと
同じで時にはオニ母にもなってしまうけど、聡明なところのあるいいお母さんだな、
という感じがするわけです。

でもその一方で、肝っ玉母さんになりたいさんが「人生に希望が持てない」というと
ころまで追いつめられているとしたら、そこには何か事情があるはずです。その辺り
を考えてみたいと思います。

抱っこ法の本などにも書かれていたかもしれませんが、子育てでぶつかる課題という
のは、実は自分自身が抱えている課題とリンクしていることがとても多いようです。
ですから、お子さんの様子から見ていくと、ご自分の課題がはっきりしてくるかもし
れませんね。肝っ玉母さんになりたいさんは、特に上のお子さんのことでヤキモキさ
れているようですね。

>上は明朗快活で割に聡明ですが、家では発達障害
>かと思わせる我儘な行動で日々イライラさせられ
>ます。気が強いので友達付き合いなども心配でた
>まりません。友達と遊ぶことが少ないので心配で
>ヤキモキし、遊べばその態度の酷さに胃が痛くな
>ります。

上のお子さんは、家ではけっこうワガママが出るようですが、学校などでは比較的い
い子、なのではないでしょうか?だとすると、「緊張しがちながんばり屋さんタイ
プ」なのかもしれないですね。外ではものすごく緊張してがんばっていて、そのスト
レスが家で出てしまうわけです。

お友だちと遊ぶのが少ないのも、緊張して疲れるから本人が上手に調整しているのか
もしれません。また、遊ぶ時に態度がひどいというのも、緊張して気持ちが不安定に
なっているからではないかなと思います。どんな性格の子どもでも、自分の情緒が安
定していて、友だちとのつきあいに対して安心感をもっていれば、悪い態度にはそう
そうならないものです。

子どもは自分のことをうまく説明できないのでお母さんを困らせる態度になっている
かもしれませんが、そのココロは、「外ではガチガチに緊張してがんばっているから
疲れるよ~、こんなにワガママ言いたくなるぐらい心がしんどいんだよ~、ママ助け
てよ~」ということかもしれないですね。

子どものストレス解消の方法に、「親に甘える」「泣く」という手段がありますが、
緊張の強いがんばり屋さんタイプは「甘えたり泣いたりするのは弱い子、それはダ
メ」という思いも強く、なかなか上手に甘えたり泣いたりできません。そこで、自ら
親に叱られるような行動をとり、叱られてやっと「うえ~ん、お母さ~ん!」と泣い
たり甘えたりすることもあるのです。子どもも無意識でやっているんですが、自分の
心を守るための大切な行動だと見ることもできます。

ですから、いけないことはいけないと、ビシッと叱ってあげて、泣き始めたら優しく
ヨシヨシしてあげれば十分なのです。場合によっては、ヨシヨシはなしで距離をと
り、泣きたいだけ泣いたらいいんだよ、という穏やかな気持ちでほっておいてあげ
る、ということでもいいと思います。

何にしろ、「泣いていいんだよ、弱くなってもいいんだよ」という部分で、親自身が
安定した気持ちがあれば、繰り返していくうちに、親の懐に包まれている安心感の中
で、子ども自身が自分の気持ちのコントロール力を育んでいって、段々と落ち着いて
いくことが多いのです。

ところが、子どもの甘え(ワガママの形であるかもしれませんが)や泣きを、親の方
が安定した気持ちで見守れないとしたら、そこには親の方の苦しい気持ちがあると考
えられます。それは、「私だってすごくがまんしてがんばっているのに、わがまま言
わずにやっているのに、あんただってちょっとはがまんしなさいよ!」というような
気持ちだったりします。

ということは、親自身が、がまんをたくさんしていたり、わがまま(というか本来は
自分の素直な気持ちや欲求)を表現することを自分に禁止したり、人と接する時に緊
張するぐらいがんばっていたりする、ということです。

肝っ玉母さんになりたいさんがご自分のことを書いてくださっている、「人づきあい
は正直苦手」「旧友にも素を出せていない」「嫌なこと、辛いことは過ぎ去るのを
待ったり、逃げてきた」「何の取り柄もない私だから」などという部分からは、たく
さんがまんして、わがままを控え、対人関係では緊張してがんばっている肝っ玉母さ
んになりたいさんの姿が透けて見えるような感じが私はするのですが、どうでしょう
か。

もしそうだとしたら、子どもは親のそういうところを敏感に感じ取るので、もともと
デリケートなタイプの上のお子さんは、「お母さんだってがんばっているんだから、
自分だってがんばらなきゃ」という思いになって、よけいに素直に弱音を吐いたり甘
えたりすることができにくくなっているかもしれません。

ですから、まずは肝っ玉母さんになりたいさんが、ご自分がどんなにがまんしている
のか、どんなにがんばっているのか、ということを振り返り、どうしたらがまんしす
ぎない、がんばりすぎない生き方をできるのか、などということを見つけていくと、
状況がかなり変わってくると思います。

具体的には、ご自分の人付き合いのしんどさはどこからくるものなのか、とか、どう
して旧友にさえ素を出せないのか、などということに向かい合ってみるということに
なるかと思います。おそらくは「無価値感」がその理由のひとつだろうと思います。
肝っ玉母さんになりたいさんは、ご自分には「何の価値もない」と感じているのでは
ないでしょうか。そういう感覚を心理学用語では「無価値感」と呼びます。

「無価値感」が強いと、どうしても自分に自信が持てませんし、「素のままの自分」
には価値がない、取り柄がない、と感じているため、そんな自分を人に見せることは
できません。そして、がんばって明るくふるまったりして、「価値がある人に見せよ
う」と思ってしまいます。でも、その下にあるのはいつも「そのままの自分には価値
がないからがんばらないといけない」という思いなので、「無価値感」はいくらがん
ばってもなくならないわけです。

人が「無価値感」を持つようになるきっかけは子ども時代にあることが多いのです
が、ご両親との関係は良好とのことで、ご主人とも問題はないということなので、
肝っ玉母さんになりたいさんの場合は、そんなに根の深いものではないかもしれませ
ん。

「無価値感」のルーツが子ども時代にあるとしても、子ども時代は大丈夫でその後に
何かあったのだとしても、そこにどういう事情があったのかということに気付き、セ
ラピーなどで気持ちのひっかかりをほぐしていくことで解消できますし、根が深いも
のでない場合は比較的時間もかかりません。

「無価値感」が解消されると、「そのままの自分でOK」という感覚が出てきて、無
理をしてがんばったり、必要以上にがまんしたりすることがなくなるので、気持ちが
とても軽くなり、余裕も出てきます。そうすると、お子さんとの関係もよくなるで
しょうし、おそらく人付き合いも今よりずっと楽しめるようになると思います。ご主
人との関係もさらに良くなって、とってもラブラブになってしまうかもしれません
ね。

これは、お子さんたちが持ってきてくれたチャンス、肝っ玉母さんになりたいさんが
産んだ天使ちゃんたちからのギフトかもしれません。「ママ、もっと幸せになってい
いんだよ!」というメッセージが聞こえるような気がします。

少々長くなってしまい、失礼いたしました。
ご相談ありがとうございました。応援していますね!

三島桃子

この記事を書いたカウンセラー

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