叔父について

相談者名
みかん
半年前、叔父の暴言の矛先が母に向かってしまいました。
この半年で起こった事を相談させてください。

・祖父母の家の関係で家のガスの交換は叔父に頼んでいました。
いつも集金は月末に叔父自身で行っていたのが、母を罵倒する電話が二回程あってからぷつりと来なくなりました。
様子を見ていたら、絶縁状が郵送されました。

内容は「集金に来なかった分の月のガス料金を指定の口座に振り込め」「これからガスは他社に頼み、撤去費用はそちらが出せ」「姉、弟、両親には全てお前の事を話している、もう二度と会うことはないでしょう、さようなら」と書いてありました。
私たちが世話になった人の名前も書いてありましたが、問い合わせてみると嘘だという事が分かりました。

・祖母の容態が急に悪くなり、父と母はどうなるかを承知の上で祖母を連れて来ました。
案の定、叔父から物凄い剣幕の電話がかかってきました。

叔父は一貫して自分は被害者だと、自分が怒るのは当然だと母を罵り続けました。
しまいには父が昔迷惑をかけた叔母の家に手をついて謝りに行け、と言うのです。
そうすれば母のことは水に流すと。
両親は謝りに行きました。

・祖母を連れてきた次の日、叔父からまた罵倒の電話がありました。
手続きを済ませたから、祖母を救急車に乗せて病院に連れて来いというのです。
(三日間こちらで看ると話がついていたのですが)途中で母は降りるようにと言われました。
母はその通りにしました。

これがこの半年で起こった出来事です。
直接話し合おうと掛け合ってみたのですが、叔父はいつも電話でしか話そうとしません。
「何するか分からねぇぞ」と脅しのような事も言われるようになりました。

相手にしても仕方がないと頭では分かっていても、叔父からの非常識な電話や手紙が来る度にどうして、と泣いていた母の姿を見ていた私としては、どうしても許せない気持ちが湧いてきます。

母が叔父に何かされるのではないかという心配もあります。
このままでは将来、叔父と顔を合わせた時に普通にしていられる自信がありません。
波風を立ててはならないと分かっているのですが…
私はどうすればよいのでしょうか。
怒りで頭が変になりそうです。
どうぞお願いします。

カウンセラー
池尾昌紀
みかんさん、こんにちは。
池尾昌紀と申します。ご相談ありがとうございます。

家族や親戚同士での争いほど、辛い思いをすることはありません。
みかんさんは、心の底から、この状況に心を痛めておられるのだと思い
ます。

みかんさんのご相談は、ご自分の「怒り」をどうしたらいいのか、
ということに集約されると思います。
そのためには、
どうしてこんなに「怒っているのか」
何にこんなに「怒っているんか」
を知ることが解決の第一歩だと思います。

そのためにも、まずは、ご相談の叔父さんの心理状態について考えてみ
たいと
思います。

叔父さんの様々な言動は、一見すると
自分が問題だと思う人物、
今回ご相談いただいた中では、みかんさんのお母さんにあたりますが、
そうした人に対して批判だけはしておきながら、
距離を置き、かかわりを持たないようにして、
自分を一段高い位置に置いて、見下ろしているように思えます。

ところが、やっているご本人は気づいておられませんが、
心の奥底では、自分自身が罪の意識に苦しんでいるために、
それを見ないようにするために、まるで自分は関係ないような
ふりをして、他人を攻撃してしまうことがあるのです。

本来なら、「自分が悪かった」と謝りたいのに、
それができずに人を非難することで、それが見えなくなってしまってい
る。

これだけのことを親戚にする方ですから、罪の意識があるなんて
とても想像できないと思われるかもしれません。

でも、もし、まるで自分のことは棚に上げて責め立てることが、
実は、自分を責めているのだとしたら、
それを感じたくないからだとしたら、
叔父さんの心のずっと奥にそんな思いがあるとしたらどうでしょう。

もしかしたら、みかんさんには、叔父さんに対して、思い当たる節がある
のではありませんか?

叔父さんは、家族や親戚のみならず、周囲の人、みんなを非難し
それ故に、孤立しているように僕には思えます。

でも、それは、自分はどうせ誰からも愛されない
誰からも孤立している人間なのだ、と孤独感にうちひしがれている方
のように感じるのです。

ところで、心の奥底に罪悪感を持っている人がとる言動は、
他人を攻撃するばかりではありません。
全く逆に、罪の意識を償おうと「いい人」を演じてしまうことも
あるのです。
罪悪感を感じないようにするために、「攻撃」でなく
自分は悪くないことを証明するために、「いい人」になってしまう。

そんな方は、みかんさんの周りにおられませんか?
もしかして、お母さんがそんな苦しい思いをされてはおられませんか?

「他人を攻撃」しても、「いい人」を演じても
それは、どちらも救いにはなりません。
なぜなら、自分を偽っているからです。
偽りの気持ちから行う言動は、どんな形を取っても、報われません。

それを解決する方法は、「自分を許す」ことなのです。
自分には罪ない、と認めることができれば、他人を攻撃することは
なくなります。
自分を攻撃することもなくなります。

叔父さんとお母さんは、どちらも、何か大きな罪の意識を感じて
おられるように僕は感じます。
それを自ら許すことができないのです。
それほど、本当は心優しい人なのです。

それでは、みかんさんはいかがでしょうか。
もしかして、そのどちらかに似てはいませんか?

それがみかんさんの「怒り」の原因だとしたらどうでしょう。

このお話は、あくまで仮定です。
みかんさんの「怒り」を取り除くには、
冒頭に書かせていただいたように、「怒り」の原因を
整理してあげるのがいいと思います。
こうした時は、なかなか自分一人では整理できないものですから、
例えば、カウンセリングサービスの無料電話などをご利用いただき、
直接、自分の思いを誰かに聴いてみてください。

きっと、みかんさんが気づいていなかった、いろいろな感じを発見
できると思います。
そして、その発見は、ご家族と親戚のみなさんを救う手助けになるのでは
ないでしょうか。

みかんさん、あなたはとても心の優しい方です。
あなたは、お母さんだけでなく、叔父さんをも救いたいと
思っておられるのです。
だから、こうしてご相談を寄せてくださったのです。

僕は、そう感じます。

そんなみかんさんのお手伝いをさせていただけたら、これほど嬉しい
ことはありません。
機会ありましたら、また場を改めて
お話しさせていただければと思います。

ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。