母親について

相談者名
EY
私は30代の女性です。母からの過干渉に悩んでいます。
母は、私の友人関係にしつこく口を出し、仕事場に電話をかけてきます。
これまで母を殺したいと思ったことが何度もあります。
母自身は小さなころから働いて親の面倒を見てきたしっかり者らしいです。そのためかいつも誰かの世話を焼きたがります。
母は、昔私の下宿先に盗聴器をしかけたことがあります。昔から母にほめられたことはなく、いつもけなされてきました。正直母をもう信用してませんし、早く死んでほしいです。
今は一緒に暮らしていますが、もう少しお金が貯まったら出ていくつもりです。それまでどうやって母と付き合っていけばいいのか、アドバイスをください。
カウンセラー
ながのひろみ
EYさん、こんにちは。担当させていただくながのひろみです。
よろしくお願いいたします。

女性にとって、母親は同性であり、過去にしろ、現在にしろ、心の一距離が一番近い存在
でもあるので、大人になっても付き合い方を考えさせられますよね。

EYさんのお母さんを殺したくなるような気持ちはとてもしんどいと思います。
誰だって好んで親の死を願いたいとは思わないものです。
また、そんな気持ちを持つ自分自身を、むしろ無意識にどこかで責めてしまっているので、
日頃心から安心できる感覚も得られにくいのではないでしょうか。
でも、感情に善悪はありませんので、殺したい気持ちになる自分を決していけないとか
悪い人間だとか思わないでくださいね。EYさんの環境に置かれたら、
誰でもそんな気持ちになると思います。

おそらくEYさんが本当に殺したいものは、お母さん自身ではなくて、
お母さんから差し出される束縛なのではないでしょうか。いつどこにいても、
お母さんからの干渉があり、まるで、見えない鳥カゴの中でお母さんからずっと監視
されているようなものですものね。
誰だって自由を奪われたら、うんざりする気持ちになります。
そういう環境の中で、頑張って一緒に暮らしている自分を、“よくやっているなぁ”と
褒めてあげてくださいね。

でも、KYさんは優しい方だと思います。本当にお母さんを心底嫌っているなら、
お金云々の問題にかかわらずすぐにでもお母さんから離れるからです。
自分が嫌だと思った時点で親との関わりを切り捨てる選択もあるのに、
今までも下宿など経験されても戻られているのは、お母さんの良いところも
十分わかってあるからではないでしょうか。

かといって、このままお母さんと一緒に暮らしても、しんどい状態が続くと思いますので、
KYさんが望まれるように物理的に距離を取ってお互いに新しい環境に身を置いた上で、
新しい関係を作り出す方向に向かうのが一番よいと思います。

さて、それまでのお母さんとの付き合い方ですが、とにかくお母さんに巻き込まれない
ことだと思います。
それには、お母さんをひとりの大人として見てあげることです。

メールにいただいた情報で、お母さんという人を少し見ていきましょうね。
まず、しっかり者ということですので、自分に厳しい分、他人にも同じ厳しさを求めます。
母にとって娘は自分の分身ですから、KYさんをけなす言葉というのは、
普段は自分に対して向けてあると思います。
お母さん自身も親からあまり褒められなかったのではないでしょうか。
誰かの面倒を見るのが好きということですが、そういう頑張り屋さんは、
人から面倒を見られることはとても苦手です。人から指図を受けたり、勧められたりすると、
素直に受け入れられずに何かと反発されたりしませんか。また、頑張ってきた分、
自分のやり方に自信を持ってありますので、“こうするべきだ”という考え方が強く、
KYさんの友人関係や仕事などにも口出しされるようです。
一方で、何かと娘にかまってしまう寂しがり屋さんの顔も持ってあるようです。
甘えることが苦手なので、人に世話をやいて束縛してコントロールすることでしか
人との関係を築けない状態にいらっしゃるようです。

さて、上記のお母さん像を見て、KYさんはどう思われましたか。
もし、少しでも今まで自分が見ていたお母さんとは違う姿が見えたなら、
お母さんとの新しい関係を一歩踏み始めることができています。

お母さんを殺したいほどの存在になっているKYさんからすると、
信じられないかもしれませんが、お母さんの行動のひとつひとつは、
自分がよいと思ってきた方法やうまくいった方法を娘にやっているんですね。
元はと言えば、どれもこれもKYさんの幸せを願ってのことなんです。
もちろん、お母さんのやり方は決してよいやり方とは言えませんが。

お母さんをひとりの大人として見ると同時に、小さい頃のお母さんはどういう子供
だったんだろうという視点でも眺めてみたら、また違ったお母さん像が見えてくる
かもしれません。
私には、親に甘えることも許されず、欲しいものを欲しいと言えずに親の面倒を
見ざるを得なかった、一生懸命我慢している小さい女の子が見えます。
その子はいつも不安で、誰かと繋がらないと寂しくてたまらないようにも見えます。

さしあたっては、日常生活でお母さんが安心するような言葉をかけるように
してみてくださいね。
そして、どうぞいつでもこちらのカウンセリングでお話を聞かせてくださいね。

KYさんのお母さんに対する気持ちが少しでもホッと緩むことができますように、
そしてお互いに自由で心地よい関係が結べますように応援しています。
今回のご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

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