病気の母の看病で

相談者名
コロン
55歳の母はALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病で、今現在、上半身麻痺です。病気が進行してきた頃、母は電車に飛び込み自殺未遂を起こしました。幸い、右腕切断だけですみ、今は自宅で訪問看護をうけながら、私(26歳)が常につきそって生活してます。仕事を辞め、母の看病生活が始まり、初めは、周りに迷惑をかけたくないという思いから自殺をはかった母に対して、一生懸命つくしました。でもだんだんと私にもストレスがたまり、母に対して、怒鳴るようになりました。母はとてもきれい好きで、神経質の為、自分の身の回りの事の他に部屋の掃除や家事などで自分の意見を押し通そうとします。私は母の食事やトイレの世話などで疲れて、あまり掃除や片づけの方まで手が回りません。母をお風呂に入れるのは主に兄(30歳)の役目。父(61歳)は早朝から仕事に行くまでの時間に母の面倒をみてくれてます。これだけ家族に協力してもらっているのに、母にワガママを言われたり、色々と指図をされると、ついついカチンときて怒鳴ってしまいます。私に怒られてしょげている母を見てると、可愛そうだったな、と思うのですが、素直に謝る事もできず、仕事も辞めて家にいるんだから!と心の中でいつも思ってしまうのです。ホームヘルパーに週1、2時間の家事援助はしてもらっていますが、母はヘルパーが来る前に、掃除をしてほしい等と気を使うことに。私は週1で外出して気晴らしはしていますが、それでもすぐに我慢できなくなって、母と喧嘩になります。母は、また自殺するから!と言うし、私ももうどこか遠くに逃げ出したいって思ってしまうんです。看護婦さんのように、いつも優しく接してあげられたらいいのに。私は精神的に大人になりきれてきないのでしょうか。
カウンセラー
根本裕幸(退会)
コロンさん、こんばんわ。根本です。
ご相談ありがとうございました。
お待たせしました。

コロンさんはとっても頑張っていらっしゃると思いますよ。
そのお母さんへの思いはちょっと真剣に胸を打たれてしまいました。
それくらい尽くせる人ってあんまりいないかな?と思うくらいです。

優しく接してあげたいけど、イライラしたりそれをぶつけてしまうのは、コロンさんが大人になりきれていないというよりも、お母さんのことを一生懸命思っていらっしゃるからだと僕は感じます。

それならば、どうして辛く当たってしまうの?って思われるかもしれませんが、僕にはそのイライラや嫌悪感は、お母さん自身の感情なのではないだろうか?って思うからです。
感情って近くにいればいるほど、共鳴します。

お母さん自身が自分自身にイライラし、嫌悪されているのはコロンさんもよくご存知のことではないかな。
キレイ好きなのに自分では何もできず、家族みんなに迷惑をかけてしまっている自分。
もう苦しい思いはさせたくないと家族のために死を選ぼうとした気持ちもコロンさん自身、理解できるところですよね。

そして、お母さんへの愛情や優しさで接しているとしたら、自然とその苦しみを少しでも取り除いてあげたい気持ちになると思うんです。
そう思うと、肉体的な苦痛だけではなく、精神的なしんどさもケアしてあげたいと思うのが人の優しさです。
だから、無意識的なこととはいえ、そんなお母さんの苦しみをコロンさんが一緒になって感じてあげているのかもしれません。

もちろん、一日介護が続くわけですから、それなりのストレスも抱えられると思いますし、将来への不安やお母さんへの心配も重なって、本当に苦しいところだと思うんです。
そんな中で本当にコロンさんは一生懸命頑張っていらっしゃると感じざるを得ません。

> 55歳の母はALS(筋萎縮性側索硬化症)という難病で、今現在、上半身麻痺です。病気が進行してきた頃、母は電車に飛び込み自殺未遂を起こしました。幸い、右腕切断だけですみ、今は自宅で訪問看護をうけながら、私(26歳)が常につきそって生活してます。

お母さんだけでなく、家族みんなが辛くなってしまいますよね。
お母さんは毎日どんな気持ちで過ごしていらっしゃるのでしょう。

仕事を辞め、母の看病生活が始まり、初めは、周りに迷惑をかけたくないという思いから自殺をはかった母に対して、一生懸命つくしました。

少し一生懸命やりすぎたところもあるのかもしれませんね。
それくらい心配し、お母さんのことを思ってあげていらっしゃるのでしょう。
ほんとにその気持ちは素晴らしいものがあると思いますよ。

> でもだんだんと私にもストレスがたまり、母に対して、怒鳴るようになりました。

それくらいコロンさん自身、辛い思いを我慢しての毎日なのではないかな。
もちろん、辛いことばっかりではないかもしれないけどね。

自分自身では、どんなストレスが溜まってしまってると思いますか?
そして、もしそんなお母さんに不満や怒りを感じるとしても、僕はそれを恥じる必要なんてないと思います。
無理ないことだと思いますし、コロンさんの優しさが作り出すものだとも思うから。
それに要介護状態にある方のケアはプロでも本当にしんどいって聞きますから、慣れるまでにも相当コロンさん自身が苦しかったんじゃないかな。

でも、そのストレスはどんな形でもいいから解放してあげる必要がありますね。
お母さんにぶつけると罪悪感を感じてしまうから、いつしかその怒りは自分へ向いたり、周りの家族や友達に向かったりもしますね。
例えば、日々できることといえば、日記を書くことはいかがでしょう?
もちろん、何があった、という普通の日記じゃありません。
僕は“心日記”って呼んでいるんですけど、ただそのときの感情や今日一日の感情をフリーフォーマットで書き付けるんです。
どんな汚い言葉を使っても、字がはみでてしまってもOK。
ありのままの気持ちを表現してみるんです。
疲れた体を引きずって横になる日も多いかもしれませんが、少しでも自分の時間が取れる隙間を見つけてぜひやっていただければと思います。
もちろん、書き付けるよりも効果的なことは実際に言葉にして発してみること。
カラオケなどでもいいし、カウンセリングなどでじっくり自分の気持ちを聞いてもらうのもいいでしょう。
無料のものもありますし、夜遅くでもいけますから、一度利用なさってはいかがでしょうか。そして、少しでもその日のストレスをその日のうちに処理できるように自分をケアしてあげたいですね。

> 私に怒られてしょげている母を見てると、可愛そうだったな、と思うのですが、素直に謝る事もできず、仕事も辞めて家にいるんだから!と心の中でいつも思ってしまうのです。

そうですね。知らず知らずのうちに自分を責めてしまうようになってしまったのかな。

どうして素直に謝れないんだろう?って思ってみてください。
身動きとれずにイライラしているお母さんを怒鳴りつけてしまった・・・。
こんな自分ではダメだ・・・と責める気持ちが強すぎるのかな。

でも、どんな気持ちでもいいです。
謝りたい気持ちがあるのならば、それを伝えてみようと思って下さい。
お手紙でもいいし、直接言ってもいいです。

お母さんとしては、全然自分は役に立ってないって気持ちがしますよね。
ご主人にも二人の子どもにも迷惑ばかりかけて、と。
だから、お母さんも常に自分を責めていると思うんです。
だから、コロンさんが感じているように、お母さんも小言を言った後は少なからずそれを気にしているのかもしれません。

そんなときに気持ちを伝えることが出来たとしたら、お母さん自身、ほっとできるようになるでしょう。
病気の人は形の上でのケアも欲しいものだけど、それと同じくらい気持ちを伝え合いたいと思うものです。
しんどくなるとどうしても、形式的、義務的になってしまいますものね。

ですから、今のコロンさん家族にとって必要なのは心の繋がり、感情的なケアなのではないかな?と思うんです。
もちろん、これは自分自身がいっぱいいっぱいになってしまってるときには難しいです。
まずは、少しでもコロンさんが心の負担を軽くして、そして、その分、お母さんに素直な気持ちを伝えていきましょう。

> ホームヘルパーに週1、2時間の家事援助はしてもらっていますが、母はヘルパーが来る前に、掃除をしてほしい等と気を使うことに。私は週1で外出して気晴らしはしていますが、それでもすぐに我慢できなくなって、母と喧嘩になります。母は、また自殺するから!と言うし、私ももうどこか遠くに逃げ出したいって思ってしまうんです。看護婦さんのように、いつも優しく接してあげられたらいいのに。私は精神的に大人になりきれてきないのでしょうか。

本当にお疲れさまです。

お母さんが普通の状態のときに「お母さんにもっと優しく接して上げられたらいいのに、出来なくてごめんね。もっと精神的に大人になれたらいいのに」ってコミュニケーションできたらいいですね。
そんな話が出来ることが、コロンさんを大人にしてくれる道の一つなのかもしれません。
でも、きっとコロンさんは同世代のほかの女性よりもずっと大人だとは思いますよ。

自分を責めると人を責めるようにもなります。
自分の心のケアを大切になさってくださいね。

ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

退会しました。