精神病の母親との関係

相談者名
ジョン
 こんにちは。私は20歳の大学生です。現在、私は家族関係について悩んでおり、今回投稿させていただきました。
私の家族は父、母、祖母、祖父、私の五人ですが、現在私は大学に通うため一人暮しをしており、父母も、祖父母とは別居しています。私が中2の頃までは全員が同じ家に住んでいましたが、母と祖母の関係が悪化したこと、母が精神病が悪化したことで、別居が始まりました。しかし、一家で自営業を営んでいるいるため、夏場は毎日父母が祖父母の家に通うという状況です。家族が揃うと、表面上は穏やかなのですが、ギクシャクとした雰囲気が常にあり、母のストレスも増えるようです。母と祖母の対立に、父と祖父は何もできない状況です。
そのような状況の中、私は幼い頃から仲介役でした。私に口を挟めるわけがなく、ただ怯えて泣くだけでしたが、私が可哀相、私のために、という理屈でとりあえずけんかがおさまる状況でした。ですから、私は常に家族の対立が起きないように家族のご機嫌を伺い、常にイイコであることを努めてきました。しかし、母親が精神病であること、母が新興宗教に加盟しており、私の意思に反しながらも私や父を強制加盟させたこと、などから母に対する不信、憎しみがつのり、私は母にどうやって接していけばいいのか分からずにいます。また、小さい頃から母に怒りを覚えることが何度もありました。一番ショックだったのは小学生低学年の時のことです。私が宗教集会に行くのを嫌がったため、洋服を買ってあげると私を騙して宗教集会に連れて行きました。もちろん洋服を買うつもりなど最初からなかったらしく、うまく言いくるめられてしまいました。ひどくつまらない出来事です。しかし当時の私は母に裏切られたという想いにショックを受け、母に対する怒りは今でも覚えています。
私は、母がいつから、なんという精神病にかかっているのか知りません。私が小さい頃からかかっていたのかもしれません。しかし、私がその事実を知ったのは祖父母との別居が始まる中2の頃でした。その頃には、完璧に母に対して不信、怒り、哀れみを抱いており、母を尊敬したり、好きだという感情は一切ありませんでした。現在でもそうです。しかし、そのような感情から、私の母に対する言動は、いつもけんかごしで、あまりの怒りに手を出してしまうこともありました。今まで心の拠り所だった娘にこのような仕打ちをされて母はさぞショックだったことでしょう。その頃から目に見えて母の精神状態が悪化したこともあって、私のせいで母は発病したのだと、罪悪感に苛まれることも多々あります。実際、私のせいで発病したのか、その前からなのかはよく分かりません。父に聞いても、私のせいじゃないというだけで、詳しいことは教えてくれませんでしたし、私もそれを聞ける余裕もありませんでした。しかし、その頃から部屋が狭くなったこともあり、すべて母の言動が私に筒抜けになりました。ありもしない盗撮や盗聴におびえ、新聞に自分のことが書かれていると被害妄想を起こし、精神科の先生に対しても不信を向けたり、怒りと混乱で父に向けて包丁を向けたこともありました。そのような母を私はただただ軽蔑するようになりました。その後、精神科の薬により、母は時々ボケたような状態を見せるようになりました。ろれつが回らなかったり、常に口を開けて死んだような目をしていたり、子どものようにだだをこねたり…私はそのような人物が母だと認めたくありませんでした。そしてもっと母を軽蔑するようになりました。
よく考えれば私も自分勝手なものなのかもせいれません。周りの友達が母親と仲良くしているのを見て、理想の母親像を勝手に母に押しつけていたのかもしれません。しかし、いくら母を受け入れようと努力しても、どうしても受け入れられないのです。母は病気なのだから、と自分に言い聞かせて、何をしても怒るまいと思っていても、母といると怒りを感じずにはいられません。母は、少しでも自分に都合が悪くなると、もういいと言って話を聞こうとしません。いくらわかりやすく私や父が説明しても聞きたくないことは聞こうともしません。理解したとしてもすぐ忘れてまた何回も同じ説明をしなければならない、決して自分が悪い、間違っていると認めない、必ず文句を言って逃げるなど、母とは会話が成り立ちません。母と話すこと自体が私には苦痛です。
母と同じ屋根の下に暮らしている間は、それも仕方がないこと、どうしようもないことだとあきらめていましたが、現在、母と離れて一人暮しをして、そこから解放された生活を送っていると、もう二度とそのような生活には戻りたくないと思ってしまいます。実家に帰るのがとても不安で、辛くいものになり、帰ってもけんかばかりしてしまいます。祖母に対しても、今までは祖母がどんな勝手を押しつけられようと、イイコを当たり前に演じられていたのに、それもできなくなって、祖母のおせっかいに対して怒りをぶつけてしまったりしてしまいました。祖母が私を大事にしてくれているのは十分過ぎるほど分かっていますが、鎖でつながれているように重荷を感じます。
また、母は私が地元で就職するのを当然と考えています。私を手元に置いておいて世話をさせたいのでしょう。私はどうしてもそれを受け入れたくありません。これから、さらにボケて私に寄りかかってくるであろう母の側にいなくてはいけないということが苦痛でたまりません。それに、私は、心理学を勉強したいと思っています。もしかしたら母のことが大きく影響しているのかもしれませんが、それとはまた別の理由もあって、心理学を本格的に勉強していきたいと思っています。そのために、三回次編入、大学院という道を考えています。父はすでに分かってくれました。しかし、母は決して受け入れてはくれないでしょう。そのことで、また母とくだらない言い争いをしなくてはいけないかと思うと辛くてしょうがありません。
とても長くなってしまってすみませんでした。母との関係が私には足かせのようにしか思えません。これから母とどう付き合っていけばいいのか、何かアドバイスをいただければ幸いです。
カウンセラー
根本裕幸(退会)
ジョンさん、こんばんわ。根本です。
ご相談ありがとうございました。

お母さんのことを嫌い、軽蔑しながらも、どこかで優しい気持ちや助けたい気持ちを
抱いていらっしゃるのではないでしょうか。
自分の母親だから仕方なく、というよりももっと大きな愛情みたいなものを僕は感じざるを得ません。

もちろん、以前は意図的にいい子をし、犠牲をし、そして家族を繋げる要となってらっしゃいました。
これはきっとジョンさんだからこそ出来ることで、相当苦しい事やストレスを感じていたと思いますよ。
本当によくがんばって来られたと思います。

どれくらい家族に気を使い、意識を向け、そして、不安な日々を送られたのでしょう?
どれくらい欲しいものやしたいことを我慢して、家族のために尽くしてこられたのでしょう?

もしかしたら、苦しいあまり、死を考えたこともあるかもしれませんね。

ジョンさんのことですから、口ではそれを否定されるかもしれません。
でも、客観的に見ればものすごいエネルギーを注いで、お母さんやおばあさん、家族みんなをまとめるために尽力されたように思えます。

ジョンさんのお母さんに怒り、憎み、軽蔑する気持ちも分かります。
でも、それ以上に何か愛情みたいなものを感じるのです。
お母さんのことを受け入れ、理解し、やさしく接しようとしてこられましたね?
愛情がなければそれはなかなかできないものです。
しかも、それが出来ない自分を責めているようなところもありますね。
母親を軽蔑している自分のことを嫌ってもいますよね。

そのためかジョンさんのメッセージからは強い罪悪感を感じます。
どうして罪悪感を感じてしまうんでしょう?
実家を離れて暮らしている事が家族を捨てたような感覚を招いているのでしょうか。
それとも、理解できないことでお母さんへの罪悪感となってしまっているのでしょうか。
自分のせいでお母さんの精神病が悪化した、発病した、と感じてしまうからでしょうか。

その罪悪感がジョンさんの苦しみの中心にある「癒着」を作り出しているように思います。

僕の感覚を申し上げれば、20歳で精神病の母を受け入れ、理解し、許していくのはよほどの聖人でもない限り難しい年代のように思います。
むしろ、そんなお母さんをとっくに意識の外に投げ捨てている人の方が多いと思うのです。

ジョンさんにとっては当たり前のことかもしれませんが、その優しさや愛情は本物で、とても強いもののように感じますよ。
とってもいい財産をお持ちだと思います。

20歳のジョンさんに僕から提案させていただきたいのは精神的に家族から自立することです。
今まで自分がしたいことを家族のために犠牲してきたのであれば、これからは自分のために夢や希望を叶えたいと思ってみてください。
そして、それを自分に許可してあげてください。

ジョンさんが家族をさらに捨ててしまうような罪悪感を持つ必要はありません。

ジョンさんの幸せがやがては家族みんなの幸せになっていきます。
お母さんはあなたを縛り付け、手元に置きたがるかもしれません。
でも、そのためにジョンさんが自分の勉強したい事や将来の夢を捨ててしまったとしたら、一生お母さんを許す事はできなくなってしまいませんか?
そして、何よりも影になり、自分を殺し、犠牲するような人生を選んでしまうのではないでしょうか?

お母さんにはお母さんの人生があり、自分自身で乗り越えていかなければならない問題があります。
それを娘だからという理由でジョンさんが抱え込んでしまうのはお母さんのためにもならないと思うのです。
それにその役目は本来、ご主人であるお父さんのお仕事ですよね。

心理学を勉強する事。これはジョンさんにとって素晴らしいことだと思います。
これもお母さんを理解する、助けるための一歩になるでしょうし、これが夢だったとしたら、それを叶え、幸せになることでお母さんを今よりずっと受け入れることができます。

ジョンさんにとっては苦しい選択かもしれません。
でも、何よりも自分自身の幸せを最優先させて欲しいと思います。
そして、幸せをたくさんたくさん受け取って、それを家族への、お母さんへの贈り物にしましょう。

それでは。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

退会しました。