排他的な家族のイメージ

相談者名
えり
こんにちは。35歳既婚、子なしの女です。
今回自分の家族のイメージから抜け出したく相談致します。

私の両親は私が5歳ぐらいの頃から不仲にみえました。
怒鳴りあいは私が大人になっても続きました。

5歳下の妹が生まれてから、私たちは母方の祖母と同居し始めました。
そこから怒鳴り合いはエスカレートしていき、祖母が加わることにより私の家族のイメージはネガティブなものになっていきました。
自分の母に依存し続ける母、見下す祖母、我慢する父。
私は何度か母に質問しました。母は結婚を後悔している、貴方たちがいるから離婚はしないと言いました。そして母と祖母の関係はますます執着していきました。父がけなされるたび、自分の半分が否定されるように感じました。

父方のお墓参りをすれば、母はこの墓に入れるなと懇願しました。
母方のお墓参りをすれば、祖母と母はこのお墓に入ると嬉しそうでした。

約10年前、祖母が亡くなる直前に彼女は私の両親の離婚を希望し、安心して死にました。母は自分の意思ではないと言っていますが、私は離婚の条件は20年前には揃っていたように感じます。祖母は病室に父を入れるなと懇願する程父を嫌い続けていました。
祖母が死んだあと母は父を追い出さず同居し続けました。

そして先月父が亡くなりました。父方のお墓は放棄したらしく、母は父を母方のお墓に入れるそうです。
私はその行動に虫唾が走る程嫌悪しています。

今までのことはなんだったのでしょうか。私は両親の怒鳴り合いを聞き続けて家族に対して良いイメージがありません。
排他的で差別的なものです。家族の繋がりは鎖の様なものです。
子供もいません。私は子供を持つことが幸せに繋がりません。
このような考えを持つようになったのはすでに私が5歳ぐらいの頃からです。
その考えを形成した家族という概念があっさり母の行動で覆されます。
私が小さい頃から感じていた不安感から形成されたこの思いはどこへ行くのでしょうか。

カウンセラー
中村友美
初めまして。
今回、回答を担当させていただきます中村友美と申します。
どうぞよろしくお願いいたします。

お父さんが、大好きだったのですよね。
そんなお父さんがお亡くなりになって1カ月。
まだまだ物理的にも精神的にも
落ち着かない日をお過ごしではないでしょうか?

眠れていますか?
ご飯は召し上がっていますか?
人を1人、しかも大切に想っていた人を失うはとっても大きなことです。
今、「大丈夫」と感じていてもショックは後から出てくることが多いので
特に1年間くらいは無理をなさらないでくださいね。

さて、ご両親ですが
えりさんの目からは不仲に見えていたのですね。
それでは、家に居ても落ち着きませんよね。
相当、気をもんだことと思います。
大変でしたね。

ただ、
「夫婦喧嘩は犬も食わない」
そんなことわざがあります。

夫婦の間で起こるけんかは、問題にならないような、
つまらないことが原因で起こり、またすぐに仲直りするから、
他人が心配してもばからしいから、放っておくほうがいいということ。

こんな意味のことわざですよね。

つまりはことわざになるくらい
「夫婦の間のことは、当の二人以外にはわからない」と
すごく昔から多くの人が言っているということです。

例え、お母さんが口でどんなことを言っていたとしても、心の奥底まではわかりません。
例え、お父さんが不幸そうに見えても、本当に不幸だと思っていたのかはわかりません。
ということは、一番近くに居る子どもが感じていたもの、聞いていたものですら、
あてにならないということはよくあるのです。

そうは言っても、5歳の子どもからみて
大きな声でケンカしている二人を見たらこわかったでしょうね。
仲が悪いと感じるもの当然です。

でも、そんなにケンカばかりしていても2人は一緒に居続けることを選び、
離婚してまでも同居し続けたという事実。
この一つを取ってみても、お父さんとお母さんのきずなは周りの人が思うよりも
最初から最後までしっかりとあったのだと思います。
信じられないと叫びたくなるかもしれませんが・・・。

お墓の事もとてもショックだったのですよね?
お父さんの意志が無視されたように感じたのかもしれませんね。
もしくは、不仲にみえたご両親が突然仲が良くなったようで
納得がいかないのかもしれませんね。
・・・推測ですが、きっとお母さんが一緒にお墓に入りたかったのだと思います。
倫理的や法律的に正しいのかどうかは詳しいことは私にはわかりませんが、
そのお母さんの「気持ち」にお父さんが応えたのかもしれません。

表面上はともかく、心の奥深くではきちんと繋がっていたように感じる
ご両親でしたが、おばあさまが2人の間に入ってくることで
関係がおかしくなっていったのでしょうね。

どうも、おばあさまはお母さんをとても頼りにしていたようです。
むしろ、依存していたのはおばあさまの方ではないでしょうか?
もしかしたら、おじいさまという「夫」を早めに亡くされて
お母さんと2人で頑張って生きてきた時期があったのかもしれません。
おばあさまは、お母さんに寄り掛かっており、
いつの間にかお母さんなしでは生きていけないようになってしまったようです。

すると当然、おばあさまとお父さんでお母さんの取り合いが始まるのです。
お互いはライバルであり、競争相手であるからこそ、
おばあさんはお父さんを認めるわけにいかず、常に優位に立とうとしたのだと思います。

そして、心優しいお母さんはおばあさまを見捨てることができなかったのです。
心の中ではきっとお父さんのこともとても大切に思っていたはずです。
それでも、おばあさまを、より立てていくという生き方しかできなかったのでしょう。
お父さんももしかしたら、その辺のことを理解していたのかもしれません。
だからこそ、「ガマン」して受け入れていたのかもしれません。
そんなことを感じました。

おばあさまがいなくなることで初めて、
より心のきずなを深めて「同居を続ける」ことができたのではないかと思います。
例え、形の上は「離婚」というおばあさまの意向に沿う形であったとしてもです。

この10年間、お父さんもお母さんも幸せな時間を
過ごすことができたのではないでしょうか。。

もし可能ならば、そんな視点でもう一とご両親の人生を振り返ってみてくださいね。

もしも、
「どなり合いはしていたけれど、2人とも幸せだったのかもしれない」
そんな風に思える日が来たら、「家族」に対するイメージが
変わってくるのではないかと思います。

そして、また違った方向からのアプローチもしてみましょうか?

それは、
例え自分が見せてもらえなかった、
お手本を知らないと思っていることであっても
これから、えりさんが作り出すことが可能であるということです。

ご両親が仲が悪かった
幸せではなかった
家族なんていいものだと思えない

もしも今、
そんな風に感じているとしても、
これから書き換えることができます。
新しいビジョンを持つことができます。

むしろ、そんな素敵な家族にかこまれるえりさんをご両親に見せてあげるために
この世に生を受けたのかもしれませんよ。

だって、えりさんは、「幸せな家庭を築きたい」という気持ちをお持ちですよね?
もしも家族や家庭に完全に絶望しているとしたら「結婚」をすることはありえないからです。
結婚をされているということは、かすかであったも可能性を感じたということなのです。
ぜひその可能性を信じてみてくださいね。

ところで、「結婚している」とおっしゃっていますが、
今回のご相談文にご主人のことが全く出てきませんでしたね。
ご主人は一連のことについて、何かおっしゃっていますか?
えりさんの「家族のイメージ」について話をしたことはないですか?

えりさんにとって、「今の家族」はご主人との家庭であると思うんです。
その家族が中心にあり、その外側にお父さん、お母さん、おばあさまが
いるというのが本来の形と言えそうです。
でも、えりさんの意識はまだご主人の所に嫁に出ておらず、
元の家族の中で過ごしておられるように感じられますが、いかがでしょうか?

もちろん、やさしいえりさんのことですから、
お父さんのこともずっと心配していたのでしょうし、
なんといっても親ですから気になるのも当然ですし、
悪いことではありません。

ただし、そちらばかりに気をとられていて、
今の家族とうまくいかなくなっては本末転倒ですよね。

お母さんがおばあさまを心配してばかりで、お父さんがそっちのけにされていたという構図と
えりさんがお父さんを心配してばかりで、ご主人がそっちのけにされるという構図が
あるのだとしたら、似ていると思いませんか?

えりさんがお父さんのことを想う気持ちはよくわかります。
でも、同時にご主人の方をみてあげることも、大切にされてくださいね。

「家族」のイメージはかならず変えられます。
でも、今はお父さんを亡くされたばかりで、心が揺れやすくなっていますね。
子どものころに感じた不安やさみしさ、怒りなどいろんな感情も出てきているようですよね。
少し時間をかけながら過去のことを癒していくとよいと思います。
それと同時に、この先にある明るい未来をご主人と一緒に作られたらよいのではないですか?
ぜひ、苦しさを抱え込むのではなく、ご主人と二人三脚で乗り越えていってくださいね。

とはいえ、「30年分の人生をいやしていきましょう」といっているのですから、
時間がかかるのかもしれません。
例え、ご主人と二人で取り組むにしても難しいと感じるかもしれません。
そんな時は喜んでサポートさせていただきますので
カウンセリングのご利用もご検討くださいね。
電話カウンセリングは初回無料で受けられますので、おすすめです。

えりさんの未来が、幸せなあたたかい家族で過ごすものになることを
心よりお祈りしておりますね。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

中村友美

この記事を書いたカウンセラー

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