夫婦間のセックスの価値観の差

相談者名
パラティ
去年の夏に結婚した外国人の夫とセックスの価値観が大きく違い、悩んでいます。私は28歳、夫31歳。周りからは美男美女夫婦と羨ましがられ、仲も良いのですが、セックスレス気味。。。

女性経験豊富な夫(私にとって初めて付き合った人)は「お前の積極性が足りないから。もっと大人の女になれ」と言い、私とさらに別の女性との3P願望もあるようですが(夫と別の男性、私の組み合わせは論外だそう・苦笑)、正直「私だけではダメなのか」ととても悲しく、屈辱的に感じてしまいます。また、ハードなAVなども好きで私がいない時にPCで見ているのですが、前にそのことを言うと「浮気しないためにしてるのに、感謝されてもいいぐらいだ!」と逆ギレ。生理的現象と頭では理解していますが、やはり寂しいです。
私も何とかしたいと思いながらも、経験がほとんどないことから自信がなく、なかなか上手くいきません。
また、喧嘩になると「セックスがこれだけってことは、俺のことを愛していないからだ!」とも言われ、彼の嗜好が愛情より快楽重視に見える私は「はぁ!?」と思ってしまいます。最近はこちらのページで少しは夫の気持ちを理解できるようになったのか、こういった雑念から離れてスキンシップなどを楽しめるようになってきた気はしますが、まだまだ夫の言う「大人の女性」にほど遠い気がして、申し訳ない気持ちです。普段は私のことをとても大切にしてくれ、「俺の人生の中で出会った最高の存在」とも言ってくれます。私にとっても誰よりも大切な人ですし、二人で幸せな家庭を築いて行きたいので、何かアドバイスをいただければ幸いです。

ちなみに、夫とは8年前語学研修でこっちに来ていた私が彼に道を尋ね、彼が私に一目惚れして「遠距離恋愛」で付き合うことに(私も一瞬で彼のことが気になり、要は両方一目惚れ)。5年前から私がこっちに来て同棲、結婚にいたりました。
夫のご両親は共働きで、不仲。そのうち父親が新しい女性を作って気性の激しい母親に引き取られ、10代の頃はかなりの不良少年で、女性とは言い寄られて楽しい時だけお付き合いするタイプだったらしいです。

カウンセラー
池尾昌紀
パラティさん
池尾昌紀と申します。
ご相談、ありがとうございます。

SEXのお話はとても個人差があり、デリケートなお話で、また、国や文化によっても変わってくるところがあり、いろいろな視点で見ていく必要があるように思います。

今回は、心の中にある「愛されない思い」という視点で書かせていただきたいと思います。

最初に、ご主人について書かせていただきたいと思います。
メールの文面からの推測になってしまうのですが、ご主人は、その生い立ちから、愛されるという体験をあまりすることができなかったように思います。
両親が共働きで、不仲ということは、子どもに携わる時間が少なくなる上に、幸せな夫婦というモデルを両親に見つけにくくなります。
そうすると、愛し合っていない父母から生まれた自分は、愛されない存在ではないか、と子ども心に思ってしまうこともあります。
その上で、母と離れ、父の新しいパートナーも気性が激しく、もしかしたら、優しく扱われたり、愛されたりすることがなかったとしたら、「自分は愛されない、愛される価値がない」という思いが強くなっていったことも推測されます。
10代はかなり不良少年、女性とは言い寄られて楽しい時だけおつきあいする、というご説明でしたが、愛されたことが少ないために、愛し方がわからない、ということなのではないかと思います。

そうなってくると、愛のバロメーターが目に見えるもの、形になってわかるものしか、頼りになるものがありません。
それが、彼にとっては、SEXという形なのかもしれません。
愛とは、SEXを求め、求められるものだ、ということでしか、愛を感じられないとすると、SEXに積極性がないということは、愛も少ないと感じてしまうのではないでしょうか。

しかし、SEXという行為そのもの、肉体的な快楽だけを追求していくと、そこには限りがなくなってきます。
価値の大きさが、いかに興奮するかといったことを代表するように、刺激を求めることにしか求められないからです。
こうした刺激は、慣れると麻痺してしまい、刺激にならないために、過激になっていく方向に行きがちになるんですね。
そうなると、求めても求めても、結局、満たされないことになってしまいます。

SEXというのは、僕は実は、身体を通した心のつながりのことだと思います。
身体がつながっているから、ダイレクトにおたがいの心もつながりやすい状態になる。でも、心がつながるというのを、人は、とても怖れてしまうものなんです。
心がつながりたい!と頭で思っていても、真に心がつながって何もかも、愛する人と一体になったような感覚を感じることを、誰だって怖れています。

いろんな説明ができますが、ひとつには、それだけの価値が自分にはないと心で思っているからなのではないかと思います。

もしそうなら、彼はSEXを求めておきながら、真に心がつながることは怖れていることになります。
彼は自分に価値がない、愛される資格がないと思っているのだとしたら、そんな自分と愛する人を一体にしてしまったら、自分と同じように価値がない人にしてしまう。
これは、とても無意識に感じていることですけれども、
だから、快楽や刺激だけに走ってしまう。
そのことで、心がつながることを見ないように感じないようにしているようにも思います。

そう考えてみると、パラティさんを責めているのは、実は、自分自身を責めている、というように見る事はできないでしょうか。

推測も含めて書かせていただいていますが、これが当てはまると感じたれたら、ご主人がSEXに求めているのは、こうした面もあるのではないか、という視点を持ってみてください。

そうすることで、パラティさんが自分を責める大きさを減らす事ができると思います。
私ばかりに原因があるわけでないのです。

では、そうだとしたら、パラティさんご自身はどうなのでしょう。
もしかして、パラティさんも、ご自身について、価値がないとか愛される視覚がないと感じておられるところはないでしょうか。

彼については、その生い立ちから心の状態を推測させていただきましたが、パラティさんも、ご自身の生い立ちを振り返り整理されると、こうした自分の心の中にある部分に思い当たるところがあるのではないかと思うのです。

そう考えてみると、実は、お互いに相手のことを愛しているのに、自分には相手を幸せにする価値がないと思ってしまっているのかもしれません。

まずは、ご自身の心のうちを整理し、愛されなかった思いの元や、本当にそうだったのか、というところに着目してみてください。

カウンセリングをさせていく中で、本当に感じることなのですが、価値のない人、愛される資格のない人は誰もいません。

誰だって、必ず、愛されるに相応しい存在なのです。

そう思えないのは自分だけなんです。

パラティさんは、今、こうしてご相談くださっています。
それは内容的にみても、とても大きな勇気が必要だったと思うのです。
その勇気をどうして持てたのでしょうか。

それは、彼が愛してくれていることに応えたい、大切な彼と幸せな家庭を築きたいという思いだからなのではないでしょうか。

自分のためというよりも、彼のために、このご相談をしてくださったように思うのです。

そんな優しい心の持ち主が、愛される価値がない人でしょうか。

パラティさん。
あなたは、愛されるに相応しい、優しい、愛にあふれた方なのです。

どうか、それを感じてください。
それを感じていくことが、お二人の幸せへの第一歩であると僕は思います。

ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。