「良い子」の仮面を取りたい

相談者名
美樹
はじめまして。人格と感情についてお聞きしたいことがあります。
始めは人格についてですが、「良い子」という仮面をとりたいのです。原因を色々考えたのですが、家庭環境が私を良い子でいさせようとさせたのではと考えています。
過去のログにもあったのですが、私は家族の間をとりもとうとします。また苦労している母親を見ていたことから母親の顔色を異常に伺うようになってしまいました。良い子にしていれば母の機嫌がよく、笑顔が見れたからです。例えば、出先でも日が暮れると母親のことを思い出し、「早く帰らなければ」という思いにとりつかれて、何もできなくなってしまいます。門限などが厳しいということもあるのですが、何をするにも母親の存在が頭から離れず「~しなければ」、「良い子でいなければ」という強迫観念にとらわれてしまいます。小さい頃は期待にこたえられないようなことがあると、母の沈んだ顔を見るといたたまれず、自分の存在価値がないように思えとてもつらかったのです。
最近ではそんな自分が嫌で嫌で、それを抜け出したくて、でも少しでも母の顔色が曇ると全て自分のせいに思えて、良い子でいようと必要以上に自分の行動を縛ってしまうのです。どうすればその殻をやぶれるのでしょうか?

また、「感情を出さない」ということについてもアドバイスがいただければと思います。私は幼稚園から小学校にかけていじめられていました。そのため人に全ての自分を見せることが怖いのです。いつ、その人が変わるかわからないからです。
そして悲しいことやつらいことは顔に出さないようにしてきました。それが定着したのか、つきあっている人ともめる時などに「感情がない」と言われとてもつらいのです。感情を出すと自分が壊れてしまいそうで…。過去のいきさつを話しても、それはなかなか彼には理解してもらえないようです。彼に言われた言葉が気になって友人に聞いてみたのですが、私は怒りや悲しみの感情をあまり出していないとのことでした。
感情を出さないことは自分を守るためなのに、それを出す…。どうすればよいのでしょうか?

カウンセラー
根本裕幸(退会)
美樹さん、こんばんわ。根本です。
ご相談ありがとうございました。

良い子でいるのは辛いことですよね。
お母さんの顔色を伺ってしまうし、意識の中心が常にお母さんになってしまったりしますし、自分自身を殺して犠牲してしまう分だけ感情も溜めがちになってしまいます。
だから、美樹さんから頂いた二つのご相談は根っこでは一つに繋がっているように思いますよ。(そういうわけで、解決するのも二つ一緒に扱っていけそうですね)

>  最近ではそんな自分が嫌で嫌で、それを抜け出したくて、でも少しでも母の顔色が曇ると全て自分のせいに思えて、良い子でいようと必要以上に自分の行動を縛ってしまうのです。どうすればその殻をやぶれるのでしょうか?

顔色を伺おう、お母さんの機嫌を気にしよう、と思ってやってるわけじゃないと思うんですね。
気が付けば、そういう行動をとってしまっているんじゃないでしょうか。
まるで癖になってしまってるようですね。
これを専門用語ではパターンなんて言うんですが、こういうパターンを手放して行くには少々時間がかかったり、痛みを伴ったりします。
でも、手放したい!という気持ちがあれば必ず、このパターンを手放していけますから、じっくり取り組んで行きましょうね。

色んな方法がありますが、僕が一般的に面談などで提案してるのはインナーチャイルド・セラピーやお母さんと向き合う方法です。
ケースバイケースではあるんですけどね。
前者については、個人カウンセリングの実際、というページでもご紹介していますから、自分なりにやってみられてもいいかもしれません。

どちらの方法にしても、お母さんを思うとちょっと嫌な気持ちになったりしたりもしますけれど、お母さんから背を向けようとすればするほど、逆にお母さんを意識してしまうものでもありますし、お母さんの態度もよりきつくなりますから、自分なりで結構ですから向き合って行くことがとっても大切です。

たとえば、自分一人になれる部屋などがあれば、そこでお母さんに手紙を書いてみましょう。実際に読んでもらうものではないですから、気を使う必要はないですし、どんな表現を使ってみてもいいです。
そうして、色んな気持ちをそこに書き込んでいってみてください。

これは何度書いてもいいものですから、思い出したときに、時間のあるときに頑張って見られてもいいでしょう。
でも、大切なことは無理しないようにしましょう、ということだけです。
頑張りすぎたりすると返って毒ですから、無理ないようにしてくださいね。

そして、実際にお母さんや彼や周りの人に対しても、「私はこう思う」という気持ちを大切にしてみてください。
それを言葉にしたり、態度に出したりする必要は今はまだありませんから、まずは気持ちの面で、自分の意見や気持ちを大切にしてみてくださいね。

>  そして悲しいことやつらいことは顔に出さないようにしてきました。それが定着したのか、つきあっている人ともめる時などに「感情がない」と言われとてもつらいのです。感情を出すと自分が壊れてしまいそうで…。過去のいきさつを話しても、それはなかなか彼には理解してもらえないようです。彼に言われた言葉が気になって友人に聞いてみたのですが、私は怒りや悲しみの感情をあまり出していないとのことでした。
>  感情を出さないことは自分を守るためなのに、それを出す…。どうすればよいのでしょうか?

そうですね。いきなりは難しいと思うんです。
美樹さん自身、自分の何を守ろうとされているんでしょうね。
それは、美樹さんの傷ついた繊細な心なのかもしれません。
今もまだいじめの経験から、心が痛んでいて、心を空けてしまうとまるで血が吹き出てしまうような恐れを感じてしまうのかもしれません。
自分を出すと壊れてしまいそう、というのは、ほんとにそのとおりで、逆に言えば、それくらい必死に自分を保ってこられたのかもしれませんね。

美樹さんが感情をオープンにしていくためには、美樹さんが「ここなら大丈夫」という場所が必要なんだと思います。
それは安心して自分自身になれる場所、彼の元でもいいし、信頼できる誰かの元でもいいし、カウンセリングの場でもいいんだけど、まずはそんな場所を探していくのがいいかもしれませんね。
確かに感情を出していくことって大切なことだけれど、なかなか勇気が要ることですし、どこでもいいのか?というと案外そうでもないですから、美樹さんなりに準備が必要ですよね。
だから、いきなりチャレンジしようとするよりも、そんな場所を創っていくことにまずは意識を向けるといいかもしれません。
そういう風に意識を持っていくと自然と今の人間関係をまた新しい角度から見つめることができるようになります。
その分だけ、また違った自分を発見できたりしますしね。

焦らずに少しずつ少しずつ始めていきましょう。
機会があれば、カウンセリングなども利用してみてくださいね。

目標は「私らしい私になろう」というところ。
自分探検に出かけるような気持ちで、取り組んでみるといいかなって思います。

無理なく「私」を意識していきましょうね。

ありがとうございました。

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