jailさん、はじめまして。 お返事させていただきます伊藤と申します。 よろしくお願いします。お名前がちょっと気になったので英和辞書で調べました。 jailって監獄という意味でお付けになったのでしょうか。。 メールを拝見していて、まるで「他人の意見」という檻に閉じ込められている ように感じていらっしゃるのかな、なんて想像してしまいました。 jailさんが書いてくださった事は、私も20代前半までずっと、同じように 感じていた事でした。私は、両親や友達、それに近所の年下の子の意見にも、 影響を受け過ぎる方だったので、やはり、どうしたらいいのかといつも考えて いましたよ。 ただ、jailさんのように、しっかりと文章にすることは、出来なかったです。 寂しくて悲しくて、そんな自分が嫌い、って感情に失望して。 jailさんは、今回のご相談をスラッと書いてくださったのでしょうか。 もしそうなら、ご自身が思っていらっしゃる以上に表現力はお持ちかもしれま せんよ。 それとも、一杯考えて書いてくださったのでしょうか。。 > どうすれば、自分の意見をはっきり持ってそれを相手にストレートに伝えることができるのでしょうか。 「相手主導的だなぁ」と思っても、「嫌われたくないなぁ」とか 「仲間外れになるの嫌だなぁ」とも思うと、皆とは違う意見 (別に「反対」などではなかったとしても)は、 どうしても言いにくい気がするんですよね。 それで、「あ、ちょっと私の意見とは違う」「あ、また違う」… と皆から距離をとったりするのですが、、、 ここでは、「本当はこの“距離”が初めからあったのだ」と 認めてあげることが有効かもしれません。 人に好かれたい、愛されたいと強く願う時、私達は、実は、 「○○さんは、私の事を好いてくれていない、愛していない」と怒っているか、 「こんな私が好かれる筈がない、愛される筈がない」と信じている (=自分に怒っている)か、 いずれにせよ、相手に対して「構えて」いる事があるんですよ。 (どちらも誤解ですが。) …そんな自覚はありますか? その結果、自分の意見が言えないとすれば、願望の強さの度合いが、そのまま 相手の方との距離を表しているのかもしれません。若しくは、相手の方と 自分との間にある「違い」を嫌っているのかもしれません。 今、jailさんは、皆から物理的、心理的にどのくらい離れた所にいるんでしょ うね? 一度、時間を取って、気になる対人関係の距離を振り返ってみるのも よいかもしれませんね。ありのままの状態がはっきりと分かると、 過剰に気を使うのではなくて、 「どうしようかな」という選択が出来やすくなりますよ。 時に、距離がある、好かれたい、愛されたいということを辛く感じる場合が あります。それは、もしかすると、過去に出来た心の傷が痛んでいるのかも しれません。そんな場合は、「あの時、自分を傷つけた誰かを、もう許す!」 ということにも意欲をもってみてくださいね。 > 堂々と、自分をアピールをして、相手のことをしっかり理解することができるのはどうしたらいいのでしょうか。 という点については、「もっと近づくこと」が一番の鍵になると言えます。 もっと近づくと、確かに、jailさんが傷ついてしまうリスクも出てきますが、 その代わり、大切にしたいと思う人のことがよく見えるようになるんですよ。 そして二番目には、相手が関心を持っていることで自分をアピールすることで す。 私達は、「私は△△だ、□□と思う、◎◎したい」が自己表現だと思っていま すよね。確かにそうなんですが、コミュニケーションの中での自己表現では、 特に「『今、この関係性について、』私は△△だ、□□と思う、◎◎したい」 という内容を表現することが大切なんですよ。 相手が自分との関係性をどのように思っているのかが気になるのは、 jailさんだけでなく、人間なら誰でもそうです。 誰かと何かに夢中になっている時、相手は、あなたから、 今の自分との時間を有意義なんだ、楽しんでいるんだというメッセージを 感じ取ります。 相手の話をよく聞いているあなたを見て、相手は、 あなたが自分を理解しようとしているというメッセージを 知らないうちに感じ取っているのです。 ですから、誰かが言ったことがよく分からない時に、 「どうしてそう思うの(言うの・するの等)?」と尋ねることは、 誰かとの関係性において、相手の重荷にはならないんですよ。 …質問することで相手の方に、「ここが大切だ」と思っている jailさんを与えている訳ですから。。 但し、この点について、例えば仕事中等では支障が出る場合もある とおっしゃるかもしれませんね。 けれでもそれは、「聞かなくても考えればわかるでしょう」と期待されている のであったり、仕事に対する考え方が単に違うのかもしれませんし、また、職 場の状態が、じっくり教える余裕がないから起こる支障である可能性もありま すよ。 この場合は、「どういう仕事をしたいか」という意見を見直すことが 必要となるので、jailさんやjailさんの性格の問題とは分けて見つめるもので はないでしょうか。。 > そして、人と接するとき、緊張してしまいます。なので、仕事中や知人と接するときも、嫌われたくないや、失敗したくないという思いから、ハッキリと意見や思いを主張できません。どう変えていき、どういった考えを持っていけばよいか 緊張している時、私達は自分自身に注目しているんですよ。 「恥ずかしさ」を目一杯感じているんです。 …これは自覚はありますか? 先の2つのご質問にも通じるのですが、自分に意識が向いていると、他人が入 る余地がなくなってしまいますよね。 ですからまず、「詮索抜きに相手を見ること」が大切なんです。 そして次に、「今、理屈抜きに感じていること」を知ることです。 考えるより、感じてみてくださいね。 例えば、「今日は言うよ。分かってくれるよね!!」と言う状況では、私達は 相手のことを見ていないのと同じです。相手が理解するかどうか、 同意するかどうかは、その人が決めることなのに、或る一つの反応を 期待してしまっているからです。 こんな時は、「どうして?何を感じて、分かって欲しいと思ったのか」を 自分の中で知って表すとコミュニケーションに変えることが出来ますよ。 「今の自分を変えなきゃ」と思わなくていいですよ。どちらかというと、 友達や仲間に「jailさんから話し掛けることに意欲をもってみる」 といいかもしれません。 「八方美人」な人というのは、色々な人や意見を共感的に受容的に 受け止められる人のことが多いです。それは才能なんですからね。 そして、今まで関わってきた「色々な人」の中に、 jailさんも加わっていきましょう! すると、jailさんの意見に対して、肯定的な人も、否定的な人も、 色んな意見に肯定的な八方美人さん(笑)も現われますよ。 まずは、彼らの反応をただ聞いてみてくださいね。 さて、どんな風にならjailさんは話し掛けられそうでしょうか? 何か参考にしていただければ幸いです。 ご相談ありがとうございました。 伊藤昌代 |