友人の人生・友達の人生

相談者名
船上のピアニスト
こんにちは。私は大学1年生(男性)です。
私には中高6年間一緒だったとある友人がおります。それぞれ別の大学に進んでも、友人が帰省した折に遊ぶほどの仲です。
そんな私の友人なのですが、自分と他者は違うと言えど、どうしてもこれまでの来歴を比較してしまい辛くなってしまうことがあります。
大学受験は、彼は指定校推薦で第一志望合格。私は一般受験で第一志望に不合格。「滑り止め」に進学しました。彼は念願の一人暮らしを始めましたが、私は(半ば強引に)自宅通学です。
さらに、彼は高校在学中に2回、女性から告白されていますが、私はそんなものは一度もありません。(所属の部活が違うので何とも言えない部分はありますが)後輩からの人気や信頼も得ており、同世代や後輩の人脈が非常に厚いです。もっと自分の美点を見よ!と仰るかもしれませんが、本当に何もありません。第一志望に受からなかったのは今でも非常に悔しいし、一人暮らしもしたかったし、そんなに友達の数が多いわけではないし、(むしろ中学から今まで、お前友達が少ない{いない}、とバカにされてきた位)女性との接点は少ないし、あっても恋愛という雰囲気なんて双方に無かったし、後輩に好かれているかなんてわかりません。友人相手にしろ後輩相手にしろ、少なくとも彼のような人気や信頼は無いというのは確実です。堅いように見えてしまって、恐れ多くて、緊張するのでしょうか。それとも、彼が器用なだけなのでしょうか?よくわかりません。
すぐに恋愛がしたいとか、後輩にもっと懐いてほしい、友達がもっとほしいと思っているわけではありません。(無いよりはあったほうがいい、程度のものでしょう。随分欲張りですね。)しかし、時々そんな彼の姿を見たり、彼から対人関係で相談を持ちかけられたりすると「彼は悩んでいるみたいだけど、自分はそういうの(告白や多くの友人・後輩との関係)って無いな。羨ましいな。」と、心の中で思っています。
もっと自分の長所に目を向けるべきなのは、良くわかります。しかし、どうしてもその友人を見ていると、羨ましいと思ってしまいます。劣等感とは違うように思いますが、自分が儚いです。切ないです。どうしたらよいのでしょうか。お力、貸して頂けないでしょうか。どうか、お願いいたします。
カウンセラー
中山けんたろう
船上のピアニストさん、こんにちは。
今回のご相談を担当させていただきます、カウンセラーの中山けんたろうです。
よろしくお願いいたします。

友人とご自分とを比較して辛くなってしまわれるとのこと。
いろいろと比較の対象が書かれてあり、複雑な心境が伝わって参ります。

また、中高6年間一緒だった友人ですし、そんな友人と大学が別々になってしまったこともとても残念でしたね。
でも、ご友人が帰省した折に遊ぶほどの仲とのことですから、元々とても仲が良かったことですし、普段離れて暮らしている分だけ逆に友情が深まっているという面もあるかもしれません。
もしかしたら、今後も一生の友人同士でいられる可能性もありますね。
そのような友人を持てるというのは、それだけで幸せなことだと思います。
これからも、友人関係を大切にしていかれて下さいね。

さて、ご相談内容を読ませていただいてまず思ったことは、「その友人から対人関係で相談を持ちかけられたりする」ということでした。
一体どういうことなのでしょうか。
それは、船上のピアニストさんが、彼から何よりも信頼されている証拠だということです。

対人関係に関する相談を持ちかけるというのは、よほど信頼を置いた友人でないとできないものですよね。
相談内容が第三者に漏れてしまっては、人間関係自体にヒビが入りかねないものですから。
船上のピアニストさんは、彼からものすごく信頼されている何よりの証拠だと思うのです。

「(ご自分には)本当に何もありません」と書いていただいていますが、それほど他人から信頼されるということは、それだけでも立派な美点、長所だと思うのです。
彼から大きな信頼を寄せられるだけのナイスガイ(私の住む関西で言うと「めっちゃえぇやつ」)の自分をまずは受入れてみてはどうでしょうか。

しかし、それだけで船上のピアニストさんのこころが穏やかになるほど単純ではなさそうです。
例えば、中学高校の6年間、ご自分が彼の友人で、彼がそばにいたことにより、安心感を感じたり、彼に頼りがいを感じていたということはなかったでしょうか。
それが、異なる大学に進学することになることにより、今まで彼がそばにいることで感じていた安心感や頼りがいが急になくなってしまい、それらの陰に隠れていた別の感情が今、涌き上がってきているように思えます。

どのような感情かと言いますと、「嫉妬」と「自己嫌悪」なのではないかなと思います。

「羨ましい」と思うのは「嫉妬」の感情です。
彼がすでに手に入れているものを、自分は絶対に手に入れられないと思い込んでしまう時に生まれる感情です。

「恋愛がしたいとか、後輩にもっと懐いてほしい、友達がもっとほしいと思っているわけではありません。」とお書きいただいていますが、本当に本当にそうなのでしょうか。
もう9月になりましたが、この夏は、大学に入って初めての夏!
もっともっと夢や希望に溢れていてもよいと思うのです。
やりたいことをやりたいだけできる、人生でも貴重な時期です!

恋愛がしたい~!!
後輩にもっと懐いて欲しい~!!
友達がもっと欲しい~!!

他にももっとあるかもしれません。
思う存分、ご自分の夢や希望を叶えていってもよいんです。
まずは、ご自分の本当の気持ち、やりたいことに目を向け、「やってもよいんだ」という許可をご自分に与えてあげてください。
そうすることで、手に入れられないと思っていたものが、案外簡単に手に入る場合もあるかもしれませんね。

それから、「儚い」、「切ない」という思いの下に隠れているのは、「自己嫌悪」です。

第1志望の大学に合格できなかった。。。
滑り止めに進学したから、自宅通学を余儀なくされた。。。
女性から告白されたこともない。。。
彼のような人気や信頼は無い。。。

そのようなご自分の境遇に嫌悪感を抱かれていたとしても無理はないと思います。
気がついていただきたいのは、自己嫌悪をしてみても事態は好転しないということです。

今回の場合、自己嫌悪を受け止めてくれそうな人に、自分の思いを打ち明けてみるのが問題解決の抜け道となります。
さて、船上のピアニストさんにとって、「自己嫌悪を受け止めてくれそうな人」というのは誰になるでしょうか。

そうです。彼ですね。

彼に対して、「お前のことが羨ましいよ」って言ってみて下さい。
また、「自分のどこがよいところなのか」を訊いてみて下さい。

彼はどのように受け止め、応えてくれるでしょうか。
船上のピアニストさんが抱えていた思いを初めて知り、親身になって聴いてくれるのではないでしょうか。
また、船上のピアニストさんの思いもつかない美点や長所を伝えてくれるかも知れません。

男同士の友情というのは、阿吽(あうん)の呼吸で育まれていく面もあるとは思いますが、お互いの思っていることは、やはり、きちんと言葉にして言わないとなかなか通じないものですし、わかりあえないものです。
彼からは、対人関係で相談を持ちかけられたりするんですよね。
そうであれば、彼との関係をワンランクアップさせるためにも、ご自分の気持ちを率直に彼に伝えるということをされてみてはどうかなと思います。

今回のご相談が、船上のピアニストさんにとって何かよいヒントになれば幸いです。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

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