友人夫婦の出産を素直に喜べません

相談者名
riri
結婚2年の主婦です。
知人が出産したのですが、素直に喜べず、無責任さと無計画さに怒りを覚えてしまいます。

私自身、子供は欲しくてたまらないのですが、主人から
「お金はどうするの」
「あなたのような精神年齢で責任持って育てられるの」
「自分には育てられる自信がない」
と言われており、見送っています。

今は準備として、子供が居ても続けられる内職を探したり、
子供の教育や食育について教養をつけたりしています。

そんな中、同じ頃に結婚した知人夫婦が妊娠・出産しました。

その知人夫婦は、安定期に入る前に「子供が出来た」と言い回り
妊娠中にタバコも止めず、放射能にも気をつけず、そのせいか分かりませんが
お子さんは先天性の病気をもって生まれました。
そしてその夫婦は、子供が生まれてからも、
夫は「子供がいるから趣味にお金が使えない。」と愚痴り
妻は「お金も自由も無い。」と愚痴ばかりです。

ちなみに自分は、結婚前20代前半で主人の子を妊娠したのですが、悩んだ末
「自分たちが人間として未熟すぎて、育てられる状況ではない。
今の状態で産んだら子供も私達も全員が不幸になってしまう。」
という理由で中絶しています。
私も主人も家庭に問題があったので
自分が受けた不幸を繰り返したくないとつよく思っています。

そんな自分の状況があるせいか、友人夫婦を見ていると
①先立つお金も計画性もないのに子供を持って、子供がかわいそうだと思います。
②私たちには子供がいないので、それだけで、この友人より人間として劣っていると思われているような気がしてしまいます。
③そして何より、あのとき中絶せずに産むべきだったのでは?という激しい後悔に苛まれます。
身近で子供ができる度にこんなに嫌な気持ちになるようではほんとうに辛いです。
一番辛いのは、私によって中絶された子供なのは重々承知です。
私はどう考えたら、またどう行動したら心安く暮らせるのでしょうか?
この知人夫婦とは距離を置くべきでしょうか?
この夫婦と距離を置いても、根本的な解決にならない気がしていて
自分の考え方を変えたく、ご相談いたします。

カウンセラー
大門昌代
ririさん、はじめまして。
今回担当させていただきます大門と申します。
どうぞよろしくお願いします。

まず最初に、友人御夫婦と距離をおくべきかどうかに対することですが、ririさんも気がついておられるとおり、友人御夫婦と距離をとったとしても、根本的な解決にはならないと思います。
距離をとって、ririさんのお気持ちが楽になるのであれば、距離をとるのもありだと思いますが、それで、ririさんが抱えておられるものが、解消される訳ではないです。

ご相談文を読ませていただいて、いくつか気になった点がありますので、お知らせさせていただきますね。

◆完璧な家庭を作り、完璧な親になろうとしておられませんか?

ご主人も、ririさんも家庭に問題があったと書いて下さっていました。
子供の頃、つらい思いをされたのかもしれませんね。
そうすると、自分が大人になったら、素晴らしい家庭を作ろうと思うでしょうし、親になったら、もっと良い親になろうと思うことがあります。
もちろんそれは、素晴らしいことなのですが、家庭に対する不満が大きすぎたり、傷付いた部分が多すぎたりすると、「完璧」にこだわってしまうことがあるのです。
完璧に、100%間違いのない家庭を作り、完璧に、100%間違いのない親になるのというのは、不可能だと思いませんか?
準備をいくらしたとしても、これで完璧とは、なりません。

友人御夫婦は、ririさんからみると、あまりにも無計画に見えるのでしょう。
完璧を目指していると、正反対の無計画な人に対して、腹が立ってきてしまいます。

もちろん、子供に対して「無責任になりましょう」と言うのではないのです。
ですが、「完璧な親などいない」と言うことを、受け入れる必要があると思います。

◆自分を低く評価する癖がありませんか?

子供さんがいないから、人として劣っているなんてことは、ありません。
でも、もしかしたら、ご主人から言われている「お金はどうするの」「あなたのような精神年齢で責任持って育てられるの」という言葉に、「私はダメなんだ」と思っておられるのかもしれませんね。
また、もしかしたら、子供の頃に否定されることが、多かったのかもしれません。
そうすると、「何かをしなければ、認めてもらえない」という想いが強くなってしまいます。
何かをすることで、評価を得ようとするのだけれど、完璧を求めている分、なかなか前に進まなくなってしまいます。
そうすると、前に進めない自分は、価値が無いように感じてしまっているのかもしれませんね。
子供を授かることと、人として優れていることは、何の関係もないのです。

◆中絶してしまったことに、強い罪悪感を持っておられませんか?

もちろん中絶は、良くないことではあります。
でも、そのことで、自分を強く責めすぎているのかもしれませんね。
強く責め、「とても悪いことをしてしまった自分は、子供を授かる資格がない」と、心のどこかで、思っておられるのではないかと感じました。
子供さんを授かるというのは、ririさんが望んでおらっる幸せの一つだと思います。
そんな幸せな状態に、悪いことをした自分がなるなんて、申し訳ないと言う気持ちが、出てきているのかもしれませんね。

罪悪感というのは、罪の意識で、人間なら誰しも感じる感情です。
中絶ということがあったので、ririさんが罪悪感を感じるのは、ごく普通のことです。
ですから、罪悪感を感じるなというのではなく、もし悪いことをしたと思うのであれば、その行いを訂正することが大切であるということに、気付いていただきたいと思います。

罪の意識が強い分、子供を授かったら、やはり完璧に育て、完璧な親になろうとしておられるのかもしれませんね。

この時のことで、「無計画だった自分達」を責めておられませんか?
その自分達を責めている気持ちがあるので、無計画に見える友人御夫婦を見ると、自分達を責めているのと同じだけ、責めてしまいたくなるのだと思います。

自分達の無計画を責めるよりも大切なのは、子供を授かったときに、たくさんの愛情を注いであげられる人間になっていることだと思います。
完璧になることではなく、たくさんの愛情を注いであげられる余裕が、必要なのではないでしょうか。

ririさんは、とても愛情深のです。
子供を愛したい。
子供を幸せにしたい。
子供を大切にしたい。
そんな気持ちが、人一倍強いのです。

だからこそ、子供さんを授かることに、慎重になってしまうのですが、どうぞ自信を持って下さい。
これだけの愛情があれば、完璧でなくとも、子供さんと幸せに暮らしていくことができます。
試行錯誤しながら、親になっていくものですから、最初から完璧な親を目指さなくてもいいのです。

「完璧でなくてもいい」そう思ってみて下さいね。

この度は、ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

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恋愛や結婚、浮気や離婚など男女関係、対人関係やビジネス関係、家族関係や子育て、子供の反抗期、子離れ、親離れ問題など幅広いジャンルを得意とし、お客様からの支持が厚い。 女性ならではの視点と優しさ、母としての厳しさと懐の深さのあるカウンセリングが好評である。PHP研究所より3冊出版。