女性同士の対立を楽しむ男性の心理

相談者名
にっこ
男性心理についてご相談です。
ときどき男性の中には女性同士の対立や、仲の悪い女性同士のいがみ合いを見て楽しむ方がいますが、あれはどういう心理なのでしょう? 男性は女性よりも「バトル」を好む傾向にあると、サイト内のコラムでもよく書いてあるように見受けられましたが、それは「自分以外」のバトルでも楽しいものなのでしょうか。スポーツ観戦をするような心理ですか?
しかし、本当に元々仲が悪い二人ならともかく、仲が悪い事実など何もないのに、お互いから相手の愚痴を引き出しては、別の相手に「AさんがBさんのこと〇〇と言っていましたよ~」などと報告し、本当に二人の間をこじれさせたりするので、迷惑しています。悪意でやっているというより、もともと彼の頭の中に「女性同士は仲が悪いもの」「女性同士のケンカは陰湿」のような思い込みがあり、それを間近で見ることを楽しんでいるようにも見えます。(すげー!て感じで)困るのは、そもそもケンカなどしていなかったのに、片方が愚痴っぽく人の悪口を我慢できないタイプの場合、「相談に乗る」という形でもう片方への愚痴を引き出し、嫌い感情を強化してしまうこと。もしくは、愚痴を言った方も相手を嫌っているわけではなかったのに、勝手に「二人は嫌い合っている」というシナリオを作り上げてしまい、それぞれに対して何かと「AさんはBさんを嫌っているから、ああいう行動はウザいでしょうねえ」などと(はっきりとは言わず)煽るようなことを言って、その人が相手に対する怒りの感情を露わにするのを見て楽しんでいたりすることです。私も一度そのように、嫌ってもいない相手の行動にムカついているかのように煽られたことがありましたが、その相手を何とも思っていなかったので戸惑ったのと、その時の彼の顔が心底嬉しそうで気味が悪かったのが非常に印象的でした。でも、男の人でこういう行動はよくあるとも聞きます。何故こういうことをするのでしょうか? 教えて下さい。
カウンセラー
中山けんたろう
にっこさん、はじめまして。
ご相談を担当させていただきます、中山けんたろうです。
よろしくお願いいたします。

さて、その男性の行為には相当お困りのようですね。
戸惑うのを通り越して、腹に据えかねていらっしゃる状態なのかも。

「人の不幸は蜜の味」と言われますよね。
彼のように自分からは他人を積極的に攻撃せず、他人の不幸をあげつらって、「あ~あ、あんなことになっちゃってるよ・・・。」とほくそ笑むようなことを指しているのですよね。
人を中傷して喜びを感じたり、人の不幸をネタにして楽しんだりするのは、ネガティブプレジャー(否定的な喜び)とも言われたります。

男性は一般的に競争を好む傾向にあるようです。
彼の場合は、競争、つまり、攻撃的な状況に自分の身を置くのではなくて、他人同士が攻撃し合うのを見て楽しんでいるわけです。
「スポーツ観戦」と指摘されたのはとてもわかりやすい例えだと思います。
スポーツ観戦ならことさら問題にはならないわけですが、彼自身が他人同士の感情を煽って仲が悪くなるように仕向けているわけですから、始末におえません。本当に困ったものですね。

また彼は、身近な女性たちは仲が悪くなって愚痴を言い合っているけど、「自分はそのようなことはしない」ということを通して、自分の優位性を確認しているわけです。(彼が煽っているわけですが・・・。)

「女性なんて所詮こんなもの」という彼自身の思い込みを確認し、さらに、「自分は女性たちのように愚痴を言ったりはしない」ということで優越感を感じているのです。

根っこには、女性に対するコンプレックス(劣等感)があります。
女性のことをおとしめないと、自分が優位に立てないと彼は思い込んでいるのです。
女性同士の愚痴を引き出すという行為を通して、実は彼は(一人で勝手に)女性と競争していると言ってもよいでしょう。
女性から愚痴を引き出せば引き出すほど、彼が優位になり、彼が勝つわけです。(彼の思い込みですけどね。)
女性たちをおとしめることで自分が勝ちますから、喜びを感じるわけです。

さてさて、にっこさんは、単に男性心理を知りたいだけではないですよね。
煽られたことで戸惑われたのと、相当気味が悪かったのと、彼に対してどのように対処したらよいか、どのように彼のことを捉えたらよいか、当惑されているのではないかなと思いました。

今、にっこさんは、彼に対してどのような感情を抱いているでしょうか。
もしかしたら、怒りの感情や否定的な感情を持つようになったのではないかなと思います。

もしそうなのであれば、まさに彼の思うつぼの状態です。
「こんなことで怒るなんて。」「こんなことで俺に否定的な感情を持つなんて。」
彼にはそのように受け取られるかもしれません。
彼の罠にはまってしまっている状態ですので、一刻も早く抜け出る必要があります。

とにかく、彼にエサ(つまり、仲が悪いとか、愚痴を言うこと)を与えないことです。
仲が悪いとか、愚痴を言うとか、そういうものは彼の格好の餌食です。
彼のネガティブプレジャーを増幅させて、ますます愚痴を引き出そうとしますから。

彼の罠から抜け出すには、彼のことを否定的に捉えないことです。
かといって、肯定的に捉えましょうというわけでも決してありません。

「よい」とか「悪い」の判断(ジャッジ)をさし挟まずに、ただ単に、「彼はまたやってるんだ~」と「受け流す」だけにして下さい。
彼にとっては、にっこさんが持っているかもしれない否定的な感情も、おいしいエサになるからなんですね。

彼に振り回されることなく、彼にエサを与えることもせず、心穏やかにお仲間同士で仲良く生きて行くのが何よりと思います。
そうすることにより、彼自身もネガティブプレジャーに陥ることなく、本来の楽しみや幸せに目を向ける機会を手に入れることができるようになり、一石二鳥ですね。

最後に一点だけ。
彼は、「仲が悪い事実など何もないのに、お互いから相手の愚痴を引き出す」わけですね。
彼にしてみれば、仲が悪くない女性同士からお互いの愚痴を引き出すというのは、女性の本性を暴いている感覚を味わっているのでしょう。

「仲が良さそうにしているけど、俺が水を向ければ愚痴が出てくるんじゃないか。」

そのようにして女性たちをおとしめ、自分が勝ち、喜びを感じているわけです。
防衛策としては、彼が近づいてきたら適当に「受け流す」のがよいですね。
少々上級技になりますが、女性同士がお互いの愚痴をうまく伝え合って本当に気心の知れた仲になれば、もはや彼が入り込む余地はなくなるわけです。

彼を変えようとしてもなかなか変えられるものではありません。
にっこさんをはじめ女性のお仲間同士が、彼という存在を、より成熟した関係を育んでいく「きっかけ」にすることができれば、もはや彼は問題ではなくなるのです。

今回のご相談が何かのヒントになれば幸いです。
ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

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