別れた彼のことが忘れられません

相談者名
nana
32歳女性です。1年半前に別れた彼のことが忘れられません。

彼は15歳年上で離婚暦があり、すでに結婚している娘さんと、前の奥様の所に大学生の息子さんがいます。前の奥様とは10年の別居を経て離婚しました。私たちは海外の同じ職場で働いており、彼の異動をきっかけにプロポーズされました。しかし、私の父が突然倒れ、私は介護のために帰国。その後も相次いで祖母と母が癌になり、家を離れることが出来なかったため、約2年間、彼とは遠距離でした。その間、父と祖母が亡くなるなど辛い毎日でしたが、お互いを想う気持ちは変わることなく、父の1周忌が終わったら結婚しようと約束しました。

しかし、父の1周忌を終え、彼のもとに行くため仕事も退職した矢先、突然彼からの連絡が途切れました。不安でしたが、彼は自分の気持ちを中々見せない人で、きっと時間が必要なのだと思い見守っていましたが、その1ヵ月後、突然メールで終わりにしたいと言われました。理由は、前の奥様がご病気で、支えたいと思ったからだそうです。私は気持ちがぷつりと切れてしまい、もう何も考えられませんでした。がんばろうという気持ちも持てず、彼には今でも大切に想っていることだけを伝え、お別れしました。情けないですが、現実と向き合うことからひたすら目を背け、心を閉ざしてきました。

ですが、時間と人との関りが少しずつ自分の気持ちを癒してくれました。その中で、最後に会えずに別れたことが大きな心残りになっていることに気付き、1年後、彼にもう1度だけ会いたいとメールをしました。返事は期待していませんでしたが、彼からはすぐに、今度の週末にきちんと返事をしますと返事がありました。ですが結局、半年経った今も連絡はありません。

前向きな気持ちになっていたはずが、約束の日に連絡がなかったことで、もう1回彼に振られたような気持ちに逆戻りしてしまいました。また、きちんと返事をしますと言われたことから、いつまでも彼からの連絡を待っている自分がいます。もう終わったことなのに、いつまでも終われない自分がいます。今でも毎日彼のことを考え、会いたいと思ってしまいます。返事がないことが彼の返事だと自分に言い聞かせ、前に進もうとしていますが、ずっとこのまま動けないような気がして苦しいです。この気持ちとどう向き合っていけば良いのでしょうか。

カウンセラー
井上真由美
nanaさん、こんにちは。
今回のご相談を担当します、井上真由美と申します。
よろしくお願いします。

nanaさん、彼と別れてからの1年半、とても辛かったでしょうね。
何事もなければ一生を共にするつもりだった愛する人から突然別れを告げられ、ケリをつけるために会おうとしたのに、それさえままならず、まるでもう一度彼から振られたような気持ちになってしまったとは・・・。
nanaさんのハートは、一体どれだけ傷ついたことでしょうか。

本当に、よくここまで自分を保ってこられましたね。
まずは、もう一人で抱え込まず、ホッと肩の力を抜いてください。
そして、どうやったら前に進んでいけるのか一緒に考えていきましょうね。

さて。
『どうやったら前に進んでいけるのか』と書きましたが、nanaさんの苦しさというのは、
>前に進もうとしているのに、ずっとこのまま動けない気がして苦しい
ということでしたね。

この苦しさというのは、愛する人と別れなければいけないとなったとき、誰もが少なからず持つ感情です。
まだ自分の中では終わらせられないのに、終わりにしなければいけない。
彼のことを愛する気持ちは持っていてはいけないもの。
でも捨てられなくて、苦しんでしまう。
だって、まだ愛してるのに・・・。

人を想う気持ちは、頭で考えてコントロールできるものではありません。
nanaさんの彼を想う気持ちを自分の手で消そうとしないでいいんですよ。
彼を忘れなきゃいけない、彼を大好きな気持ちを早く捨てなきゃいけないなんて、思わなくていいんです。

大丈夫です。その気持ちを持ったまま、前に進むことはできますよ。

その気持ちを感じると同時に、他に、彼に対してどんな気持ちを抱えているのか、見てあげてください。
今まで色んなことを感じてきたと思います。
彼と結婚したかった気持ち。
彼が、自分の気持ちをなかなか見せてくれないのが、どれだけ不安だったか。
メール1通で関係を終わらせようとした彼に対する思い・・・。

泣いてもいいですよ。怒ってもいいんです。
そして、自分の感情をたくさん出したら、今彼のことでいっぱいになっている心の中に、少しスペースができてくるはずです。
そんな自分を取り戻すスペースができたら、ゆっくりで結構ですから、自分の心の中にある『執着』と向き合ってみようとしてみてください。

nanaさんがご自身で書かれている、
>もう終わったことなのに、いつまでも終われない自分がいます。
>前に進もうとしていますが、ずっとこのまま動けないような気がして苦しいです。
という気持ち。
こういった気持ちを『執着』と呼ぶとすると、nanaさんは一体何に執着しているのでしょうか。

愛する人と別れなければいけない時、人は『別れの理由』『愛されなかった自分』に執着することがあります。
私は、今回ご相談を読んで、nanaさんの『どうして私を愛してくれなかったの?』という心の叫びが聞こえたように思いました。

どうして突然、何の相談もなく別れを選んだの。
どうして連絡をくれなかったの。
どうして私を選んでくれなかったの。
どうして私を愛してくれなかったの。
そんな気持ちが、あるのではないでしょうか。

ただ、私は今回のご相談を読んで、どうして彼はこんな形でのnanaさんとの別れを選んだのか、本当のことは彼に聞かないとわかりませんが、そこには彼自身のものすごい苦しみと葛藤があったように思うのです。

なぜなら、彼のとっている行動が罪悪感によるものが大きいように感じたのです。
男性が別れを切り出す時、よくある形が突然連絡を絶つというやり方です。
これは、やられた側からすると本当に傷つくやり方なのですが、やる側は面と向かって別れを切り出すことが相手に申し訳なくてあまりに辛く、結果的には連絡を絶つというやり方で逃げてしまうのです。

nanaさんの彼の場合、詳しい事情はわかりませんが、離婚されているということで、もともと彼は前の奥様に何かしらの罪悪感があったのかもしれませんね。
そんな中で、前の奥様がご病気になられ、支えたいという気持ちが強くなったのかもしれません。
その一方でnanaさんという恋人の存在も大きいとなると、もしかしたら彼は罪悪感の塊のような気持ちだったのかもしれませんね。
そして、もう一度会おうとしたときも、彼の中で答えが出ない気持ちや、罪悪感や葛藤が苦しすぎて、彼自身がnanaさんと向き合うことすらできなかったのかもしれませんね。

彼の気持ちについては、すべて私の憶測にすぎませんが、私は、決して彼はnanaさんに対していい加減な気持ちではなかったと思いますよ。
ただ、彼は彼なりのどうしようもない事情で、nanaさんに伝える言葉を持てなかったのでしょう。

しかしながら、やはり私は、彼の態度はnanaさんに対して誠実ではなかったと思います。
nanaさんの気持ちに対して、あまりに横暴であると思いました。
だから、どうかnanaさんは、彼がとった態度・やり方について、無理に納得しようとはしないでくださいね。
ただ、nanaさんと彼がお互いを想い合った時間に、何1つ嘘や偽りはなかったと思いますよ。

なので、もしも先ほど言ったように、別れの理由や愛されなかった自分というものに執着を感じているのであれば、ご自分に「あなたは愛されていなかったわけじゃないよ」と言ってあげてください。
それがまず、nanaさんが前に進む第一歩になるはずです。

それから、どうか彼をそこまで愛したことに、誇りを持ってください。
一人の人をそこまで愛したことは、この先のnanaさんの人生の中で、決してマイナスにはなりません。
焦らなくても大丈夫ですよ。必ず今の苦しみに終わりは来ます。

そして、もしできるなら、
“こんなにまで愛することができた彼に、最後に伝えたい言葉はなんだろうか。”
と考えてみてください。

その言葉が、『純粋に人を愛したときに、自分はどんな人間でありたいか』という、nanaさんの愛の強さだと思います。
その気持ちを心の中の一本の柱として、大切にしてくださいね。

長々と申し上げましたが、一人で向き合うには辛い作業だと思います。
よければカウンセリングをご利用くださいね。
nanaさんの心が、再び愛の喜びでいっぱいになることを心より願っております。

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