新婚なのに夜の生活ができない

とても繊細な部分を含むお話かと思いますので、お話できる範囲でお返事頂けたら、と思っています。

夜の夫婦生活に関する問題を見ていくと、まずはご主人に対する不満や嫌悪感が一番最初に出てきます。でも、それを抑圧してしまうと意識レベルから潜在意識にその嫌悪感が押し込められるようになって原因がわからなくなります（そもそも原因がわからないというのは、案外、たくさん原因がありすぎてどれがほんとの原因なのかがわからないってケースも多いくらいです）。
そして、潜在意識に押し込められた嫌悪感は「感覚的」にご主人を拒絶するようになります。
「○○だから、イヤなの！！」ではなくて「なんでか分からないけどイヤなの！」になるわけです。

それから、夫婦の関係が夫と妻の関係ではなく、どこかしら親子・兄妹・姉弟のような関係に思えてくることもあります。特に夫が妻にお母さんを投影するケース、逆に妻が夫にお父さんを投影するケースが一番多いのですが、もし肉親のようにご主人を見てしまったとしたら、それは近親相姦になっちゃいますからイヤな気持ちがするものです。

あとは無意識的な要因を見ていくことが出来ます。
セラピーで扱うのはこの領域が一番多いのですが、自分自身が持っている男性への観念がご主人に投影されていると考えます。お父さん、兄弟、初恋の人、過去の恋愛、上司・部下、その他いろんな関係の中で培ってきた男性観みたいなものですね。ま、いわばご主人は奥さんにとっての「男性代表」みたいなものですから、色んな思いを重ねてしまうのでしょう。
それがポジティブな面もあれど、ネガティブな面もあるかと思います。
例えば、ひどく傷つけられた経験がどこかでまだ生々しくあったとしたら、ご主人に対してもどこかにそんな恐れや怒りや嫌悪感を持ってしまいます。
とはいっても無意識内にあること。なかなか分かりませんね・・・。

でも、必ずこれだけは間違いないのは、セックスに関する問題はそれだけに留まらないってことです。言わば現象としてセックスへの拒絶反応が出てくるようなものですね。
卵アレルギーの人が卵を食べたらジンマシンが出るように。
その卵を食べるって行為が何に当るんだろう？ていうのも一つの見方でしょう。

> はじめまして。私は、新婚１０ヶ月の共稼ぎ夫婦です。実は、何が原因でそうなってしまったのかはわからないのですが、夜の夫婦生活ができないのです。主人が求めてきてくれても私が拒絶反応してしまい、身体に触られる（胸など）のを嫌ってしまうのです。

体に触れられるとどんな気持ちがします？
「気持ち悪い」「痛い」「気色悪い」なんてのが一般的かもしれませんね。

それから、もし、ご主人に不満があるとしたらどんなことでしょうか。
優しい方ではあるんですよね。
そうすると、なかなか不満や気に入らないことがあっても「自分が悪いんじゃないか？」って思って話をすることが出来なくなることもあるかと思います。
まあ、この際ですから、ご主人に対する不満を色々挙げてみてください。

> 主人は私が嫌いなことでもする人なので、主人と話をしていてもすぐに喧嘩になってしまいます。

嫌いなことでもするというのはどんなことでしょうか。
それを辞めて欲しいって訴えても受け入れてもらえずにケンカになるのかな？

だとしたら、いろいろ我慢してることも多いんじゃないかなって感じてしまいます。

> この先、私はどうすればいいのでしょうか？勿論主人のことは今でも愛しておりますが、夜の夫婦生活すらかなり激しい拒絶反応してしまうのです。何も手を打たなければ、自殺してしまいそうな感じなのです。どうか宜しくお願いいたします。

その拒絶反応をしてしまうのを言葉で表現するとしたらどんな言葉でしょうか？
例えば「イヤ！辞めてよー」だとしたら、他に「イヤ！辞めてよー」って思ってることって何かないでしょうか？

それから、ＹＯＵさんにとって、夫婦とは夜の生活をしなければいけないものって感じはしますか？まあ、夫婦だから当然という考えもありますが、その意識が強すぎるとかえってうまくいかなくなることがあります。

セックスに関する問題は今日明日に解決するものではないことがほとんどです。
だから、焦りが一番禁物。
一番いいのはセックスについてご主人と話が出来たら一番いいですね。
「最近、すごく拒絶反応があるの。なんでだろう？」という風に。

この問題ってＹＯＵさん一人のものではありません。
ご主人と一緒に乗り越えていくものだとも思います。

そういう意味では、二人の“絆”“信頼関係”をより深める時期と考えてみるのはいかがでしょうか？

それではお返事お待ちしています。

結婚されて１０ヶ月ということは、付き合ってるときには見えない部分がたくさん見えてくるものだと思うんです。そして、その『個人』を超えて、パートナーシップを築いていく基礎を作り始める大切な時期でもありますね。
簡単に言えば「夫婦」になるとき。
今までの「自分のやり方」を手放して「二人のやり方」を作っていくとき。
そして、ある意味で本当に愛することを学ぶ時期。

> 根本先生、お返事ありがとうございます。体に触れられると、「イヤ！触らないで！ほっといて！」という気持ちになり、思いっきり体を使って抵抗してしまいます。
> 私が嫌っている事は、外で飲んできて夜中に泊まらせるために誰かを連れてこられる事。

奥様方はそのことをあまり喜ばない傾向にあるようですね。
ＹＯＵさんにとってはどうしてかな？ということを考えてみてください。

そして、それをご主人にお話してみましょう。
そのときのポイントは「分かってもらおう、辞めてもらおう」という気持ちからお話するのではなく、「私はそういう風に感じるの」という感じでコミュニケーションしてみることです。

> そして、性行為の途中で寝られる事。以前２回だけですが、あったんです。それも、できなくなった原因の１つかなと思っているんですけど…。

それは・・・どんな感じがします？
屈辱的な感じ、中途半端でイライラしてしまう気持ち、怒り、不満、いっぱいあるんじゃないかなあ。

> 主人に対する不満はここでは書ききれません。我慢できない時に、主人にそういう事が嫌だからしないでと言っても主人は聞き入れてはくれなくてすぐに喧嘩になります。性行為に関しては、拒絶するとやはり不機嫌になり怒られてしまうのです。

なんでそんなに頑なになってしまうんでしょうね・・・。

でも、書ききれないほど不満を抱えてらっしゃるんですね？
それはしんどいです・・・。
ちょっと想像してみてください。この生活があとウン十年続くと・・・。
どんな気持ちになりますか？
きっと今すでにその感情を感じてらっしゃるような気もしますね。絶望や不安でいっぱいな感じ。
そして、今の状態にあとどれくらい耐えられる、我慢できると感じますか？

不満に重さがあると思ってください。
一つ一つは１グラムから１キロくらいの範囲であって、それをお腹の中にいれてると。
平均３００ｇでも、１００個不満があったら３０ｋｇです。
普通、お腹、破裂してしまいますね。
今、どれくらいの重さをお腹に抱え込んでいらっしゃるんでしょうね。

だとしたら上手に解放したり、不満を愛情に変えて体に循環させてあげたいですね。

ＹＯＵさんにとってセックスが唯一不満を解消する手段になっているような気がします。
そこで「イヤ！」って拒絶することで、他では拒絶できない色んな不満を解放してあげてるような感じ。それは彼への怒りの表現でもありますね。

> 私の性格を主人の性格に合わせるように変える方法はあるのでしょうか？

その方法は、ＹＯＵさんの人生を我慢と抑圧の毎日に変えてしまうような気がするんです。
それでＹＯＵさんは幸せになれるのかな？って僕は思うんです。

不満が出るということは、こういう風に考えることが出来ます。
「今の私の心には彼のそんな態度を受け入れられるほどのスペースがないってことなんだ。だから、まずは彼を受け入れられるくらい大きなハートを持ちたいなあ」と。

これなら僕も喜んで協力します。

> この話を主人にしてしまうと、主人との間に亀裂が入ってしまうのではないかという不安があります。何だか悪い方にしか考えられないので、疲れてしまいます。

ＹＯＵさん、よく頑張ってらっしゃると思いますよ。
ご主人に合わせようっていう思いは、二人の関係を大切にしたい、もっと楽しい、幸せなものにしたいって想いからですよね。

先週、心理学講座に「タブー」というお話をさせていただきました。
ＹＯＵさんにとっては恐らくまだまだ愛情が強く、離婚する気もさらさらないと思うんですけど、敢えて「彼と別れる」ってことも選択肢の中にいれてみるのはいかがでしょうか？
「別れちゃいけない」というのは実は最大のタブーになりますし、その思いが自分の首をしめてしまいます。

亀裂が入ることを恐れてはいけません。
その亀裂を乗り越えていくことでより強い絆が二人の間に築けます。
もちろん、僕と理加もそんな時代はありました。
とっても過酷ですけどね。

二つのプロセスが必要な感じですね。
まず一つ目は心の中に溜まりすぎている不満、怒り、イライラ、恨み・辛みなどの感情を解放してあげること。
そして、その上で「どんな自分になればあの主人を受け入れられる妻になれるだろうか？」という目標設定をしていくことです。
そこでは今の自分をもっと素敵な女性に変えていきましょう。
とっても自分が成長し、魅力をたくさん持った女性になることができますね。
もし、ＹＯＵさんが藤原紀香さんや井川遥さんのような魅力を持てたとしたら彼はどうなるでしょうか？あなたから離れられなくなるかもしれませんし、あなたを見つめる目に怒りではなく愛情が深く映っているかも知れません。

まずは、肩の力を抜いて、そして、がんばりましょう。