心がざわざわ

相談者名
えみ
離婚して9年になります。当時16才と12才の男の子と私、3人で生活する事になりました。原因は、DV、借金、無職、家も転々としました。保護命令も出て、その後一度も会っていません。元主人は4~5年は行方知れずで、ここ2~3年でようやく仕事や住まいが落ち着いた様です。子供達とは年に1、2度会っていた様です。私は今でも掛け持ち仕事や子供の事で必死で生きています。正直、元主人の事など気にもならなかったです。ところが、子供の話では目つきも変わって優しいお父さんになってると言うのです。一緒に居た頃は財布の最後のお金まで分捕って行ったのに大学の授業料がきついと言うと振り込んでもくれました。私の知ってる主人とは違い過ぎるのです。今、元主人には同棲している女性が居て再婚する様です。私は落ち込みました。なぜ一緒に居た時に家族を大切に思い頑張ってくれなかったのかと。今更遅いじゃないのと。私には出来なくて、その女性だからできるのかと。心がざわざわしました。でもしばらくすると、昔を思い出し、いつもイライラして気の短い、どなってばかりの人だったから、『今だけよ,いいのは。別れて良かったのよ。』と納得したり、又その繰り返しがあります。ごめんと謝ってつぐなってくれる事を心のどこかで期待してるかと思えば、一人孤独に生きるのが当然なのに、一人では生きられない弱い人ねと思ったり、許せない気持ちもあって落ち着きません。執着心とか、ゆるすとか、少しは理解出来ますが頭で分かっていても、心の奥の奥では上手く考えられません。どうしたらこの思いから解放されますか?
カウンセラー
吉村ひろえ
えみさん
こんにちは、はじめまして。
担当させていただきます、吉村ひろえと申します。
よろしくお願いします。

離婚されて9年。
16才と12才の息子さんをお一人で育てて来られたのですね。
元ご主人のDV、借金、無職、幾度もの引っ越しも余儀なくされ、あげく保護命令まで発令されたとなると、そのご苦労もかなりのものだったと思います。
そして、今現在も掛け持ちで仕事をしながら、お子さん達と懸命に生きておられる。

離婚するまでもしてからも、ここには書ききれない、精神的にも肉体的にも追い詰められることも多々あったのではないでしょうか。
よくここまで頑張って乗り越えて来られましたね。
少しでもえみさんが楽になるお手伝いが出来ればと思います。

離婚後、仕事を掛け持ちお子さんを育てながら必死に生活をしてこられ、これまで気にもしなかった元ご主人の近況を聞いて、心がざわついておられるとのこと。

ここには詳しく書かれていませんが、上のお子さんが16才の時に離婚されたとのことですので、元ご主人とは少なくとも16年間は一緒におられたのだと思うのですが、この16年間もの結婚生活も、今と同様いえ、もしかすると今以上に家庭を守ろうと懸命に努力され、必死だったのではないでしょうか。
元ご主人のDVや借金、無職についても、耐えがたきを耐え、離婚に至るまでも思い悩み、時間と労力を費やされた事でしょう。

一緒にいたころは、財布のお金まで持って行っていたような人が、子供の授業料をすんなり振り込んでくれたり、目つきも変わりとても優しく変化し、今生活を共にしている女性と再婚すると聞けば、それは心がざわついたり色んな感情が湧きたってくるのは当然の事といえます。

「今さらなによ!」 という怒りや悲しみ。
「私には出来なかったのに、他の女性と一緒なら出来るのか?」 という無価値感と疑い。
『今だけよ,いいのは。別れて良かったのよ。』 と自分を諭し、納得させようとする思考。
謝罪と償いを期待する心。
一人孤独に生きるのが当然なのに、一人では生きられない弱い人だと、蔑むような気持ち。

この終わることの無いぐるぐる回る思考と、心のざわつきから解放されるには、えみさんも触れられていますが、元ご主人への執着を手放して許す、ということが目標となってきます。

では、どうやって?

そうですよね。
頭では理解出来ても、実際にどうしたらこの苦しみから抜け出せるのか?

えみさんは、離婚する前も離婚されてからも忙しく必死に生きて来られた訳ですが、その間ご自身が何を感じておられたでしょうか?
DV、借金、引っ越しに次ぐ引っ越し、元ご主人と離れてからも生活のために必死に働き、目の前の対処すべきことが山積していて感情など感じては、前に進むことが出来なかったのではないでしょうか。

私達はあまりに辛く苦しい事が起きると、悲しみや寂しさなどの感情を抑圧してしまうことがあります。
そんなものを感じると、その感情に呑みこまって身動き出来なくなってしまうから。
お子さんに食べさせ、生きていかねばならなかった母であるえみさんが、悲しみや寂しい感情、そんな感情を感じている場合ではなかったとしても不思議ではありません。

今、感じておられる感情は、以前えみさんが抑圧してしまった感情だと考えられます。
そして、心の奥深く沈めた辛く悲しかった感情が、元ご主人の近況を聞いたことにより湧き上がって来ているわけですが、
「今、私は悲しいのだ」
「今だに期待する心があるのだ」
「許せない気持ちも存在している」
どんな感情を感じても良いので、ただただ今のえみさんを受け入れてあげてください。
怒りや悔しさ痛み虚しさ、そんな感情も
「ああそうか、私は今、そんな風に感じているのだ」と。

感情は感じるほどに解放されてゆきます。
そうすると、心に余裕が出てきます。
心に余裕が出来ると、元ご主人を許しやすくなります。
元ご主人を許すことは元ご主人のためではなく、えみさんが楽に自由になるためのものです。

けれど、“今すぐ許さなければいけない” というものでもありません。
“必ず許さなければならない” というわけでもありません。
なぜなら、許せないには許せない訳があるから。
許せないには許せない、えみさんなりの事情があるからです。
今は、どんなえみさんをも受け容れてあげてください。

そして、よければ今のえみさんの思いを聞かせて下さい。
ひとりでがんばらずに、私たちを頼って下さいね。
誰かと一緒の方が、早くこのしんどさから抜け出せます。

えみさんが心穏やかな気楽な幸せに包まれることを祈っています。

ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

恋愛や夫婦、浮気、離婚などのパートナーシップから対人関係、子育て、また、死や自己受容のテーマなど幅広いジャンルを得意とする。 女性的で包容力があり、安心して頼れる姉貴的な存在。クライアントからは「話しをすると元気になる」「いつも安心させてくれる」などの絶大なる支持を得ている。