セックスレスでの離婚に踏ん切りがつきません。

相談者名
kumako
結婚して3年の31歳女性(子なし)です。夫と付き合い始めて3年目に一度彼の浮気疑惑(彼は否定)で別れており、その後やり直して様子を見ている間に彼の転勤が決まり、若干迷いながら焦るように結婚しました。
私も仕事を辞め引っ越したのですが、自分のキャリアを諦めきれず、1年で東京に戻り再就職。その後は週末婚生活を送っています。
自分の仕事のこともありますが、転勤先で私はほぼ毎日一人で過ごし、週末も接待ゴルフなどで1人のことが多かったという背景もあります。
平日は接待以外にも職場仲間との飲みも多く家庭がある人は断ったりしている中、毎回同じ独身メンバーと一緒に飲みに行っているのが理解できず、不満を言いましたが直りませんでした。そんな生活で、これなら私は平日東京で働いてもいいんじゃない?と思ってしまったのです
その後穏やかに週末婚生活をしていましたが、結婚前に一度別れた時から不信感が残っているのか、ずっとセックスレスです。私が30を超えた頃に子供が欲しいと思い試みましたが私が生理的に受け付けられませんでした。その後は彼も誘わなくなり、結婚してからも1度もしていません。
このまま問題(セックスレス、転勤)を解決しないで年を重ねていいのだろうか?とずっと悶々としていました。
そんな中、気が合い理解のある人(既婚)と意気投合し、関係を持ってしまいました。彼は離婚して一緒になろうと言っていましたが、結局奥さんの猛烈な抵抗と罪悪感に勝てず、元に戻りました。罪悪感にも押し潰されそうですが、夫とは何がなんでもできない事を別の人とできてしまった自分にも驚き、肌の触れあいによる愛情表現の大切さも知ってしまった気がしています。

その後、夫と今後を話し合いましたが、夫は「生活態度を改める。その内セックスもきっとできるようになる」、私は「どうしても過去のトラウマからセックスできない、転勤もついてける自信がない」の平行線で渋々離婚に同意している状態です。
傍から見れば仲の良い夫婦だし、兄弟のような関係です。
DVや借金の問題があるわけでもないので、一生独りかもしれない、後悔するかもしれないという恐怖感や、私の我慢が足りないだけか、など考えると離婚届を出せません。何度も考えた上での結論なのに踏ん切りがつかず、毎日涙が止まらず時間だけが過ぎます

カウンセラー
池尾昌紀
池尾昌紀と申します。
ご相談ありがとうございます。

離婚をしたい。
カウンセリングの中で、そうしたご相談はたくさん伺います。

ところが、離婚をしたい場合も、離婚したくない場合も、
ご相談いただく時のほとんどは、どちらを望んでいるのか、自分ではわからない状態なんですね。

私たちの心は、わからない時、とても苦しみます。
離婚に踏み切れないということは、
「納得できない何か」
があるということなんです。

逆に、心が整理できた時、離婚をするのか、しないのか、という「選択」ができるようになると言えるのではないでしょうか。

カウンセリングというのは、そうした「選択」をするために、心を整理するためのものだと私は思っています。

今回のご相談では、
「何度も考えた上での結論なのに」
離婚に踏み切れないという、本当に苦しい胸の内を書いてくださっています。

文章にすれば、わずか2行ほどのこの言葉ですが、
どれほど「何度も考え」苦しみ、悩み、悲しみの涙を流されたのだろうと、
読んでいる私の気持ちも苦しくなるほです。

大切なのは、冒頭に書かせていただいたように
「納得がいかない何か」が心の中にあるのだ、ということに気がつくこと。
今、気づくことができていない何かがあるはずなのです。
だから、踏み切れないのは、ある意味、自然なことなのだと思ってみてください。

もし、そうであるとしたなら、
何がわからないのでしょう。
何を知りたいのでしょう。

まずは、相手の気持ちがわからないままである、ということ。
そして、次に、自分の気持ちがわからない、ということ。
こうしたことが挙げられると思います。

私たちは、誰かの気持ちがわからない時。
特に、それが大切な人であればあるほど、その心理を知りたいと思います。

その思いは、時に、
「相手と同じ行動を取れば、相手の気持ちがわかるのではないか」
と思い、実際に行動に移してしまう場合があります。

これを心理学では「追体験」というのですが、
自覚している場合もありますが、これを無意識にやってしまうことも多いようです。

もし、これが、今回のご相談に当てはまるとしたら、どうでしょう。

kumakoさんが悩まれている問題のひとつは、セックスレスです。
それは、自分が「受け付けられない」と拒んできたこと、また、
その理由は「結婚前に一度別れた不信感が残っているのか」もしれない、と書いてくださっています。

「どうしても過去のトラウマからセックスできない」と終わりのほうで書いてくださっているのは、このことであると思います。

浮気をされた方の心理というのは、時に、浮気をした相手の心理を知りたいと感じることがあります。
なぜ、相手が浮気をしたのか
なぜ、私ではだめだったのか
そうした相手の気持ちを知りたい、と思うことがあるのですね。

浮気をする、というのは、良いやり方とは言えません。
その上で、書かせていただきたいと思います。

今回、kumakoさんが自ら行動に移された浮気は、もしかしたら、あの時の夫の気持ちを知りたいという、無意識の行動だったのかもしれない。
そう考えることはできないでしょうか。

この出来事は、夫が否定していますが、kumakoさんの中で不信感が強く残っているのなら、
浮気をしたことと同じになっているのではないかと思います。

kumakoさん
あなたは、なぜ、浮気をすることになってしまったのでしょう。
その理由やその時感じていた気持ち。
この気持ちを感じることによって、あの時の彼の気持ちの片鱗がわかるとしたら。

そう考えた時、初めて、あの辛い体験をしていた時の、彼と私の状況がわかるかもしれません。

逆に、私とは全く感じ方が違うことがわかれば、この人とはやっぱりやっていけない、そんな結論に至ることもあるはずです。

ここからがスタートだと思うのです。
結婚後に本当に辛い思いをしていた、たくさんの出来事、彼にされたこと。
そうした積み重ねは、もちろん、あるでしょう。

でも、最初の二人のすれ違いの原点である、彼の浮気疑惑で別れたことを、もう一度整理してみることで、本当に、ご主人が真実のパートナーなのかどうかを決めていくことができるのではないでしょうか。

この過去の整理ができていないために、離婚という選択ができないのかもしれないと私は思います。

これは、もう一度、あなたがご主人を愛しているのか、また、彼があなたを愛してくれているのかを確認するチャンスだと思うのです。

kumakoさんは、浮気をしている時、ご主人のことを思う気持ちがあったのではないでしょうか。
いろいろな事情があったにせよ、だからこそ、浮気した方とは別れて、今、二人で向き合うところまでこられているのではないかと思うのです。

繰り返しになりますが、浮気は良いやり方とは言えません。
その上で、のお話なのですが

kumakoさんがやってこられたのは、ご主人を愛するがゆえに、身体を張って行ったこと、ではないかと思うのです。

こうした視点で、もう一度、お二人の今までについて、整理しなおしてみてください。

お一人で整理するのが大変でしたら、カウンセラーをお使いください。

二人が幸せになるための、あなたが楽になるための、お手伝いがさせていただけたら、幸いに思います。

ご相談、ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

名古屋を軸に東京・大阪・福岡でカウンセリング・講座講師を担当。男女関係の修復を中心に、仕事、自己価値UP等幅広いジャンルを扱う。 「親しみやすさ・安心感」と「心理分析の鋭さ・問題解決の提案力」を兼ね備えると評され、年間300件以上、10年以上で5千件超のカウンセリング実績持つ実践派。