頭と心がばらばらの動きをしていて苦しい。

相談者名
さち
私は結婚して20年になります。子どもが三人います。私にはつきあって5年になる人がいます。彼にも家庭があります。私と彼との関係はなかなか理解されにくいですが彼も私も、遊びのつきあいだとは思っておりません。彼と知り合うほぼ同時期くらいだったと思います。私は旦那との関係で気が付いたことがありました。結婚して15年目でした。私は旦那からモラハラを受けていました。私はそれまで旦那の暴言や人を見下したような態度は、旦那の性格的な問題だから仕方がないと思っていました。旦那の母とも同居していて、とても気性の激しい人なため、これ以上自分が意見を言ったりしないほうがいいと考えるようになり、我慢することが多かったように思います。それに、私は結婚に反対されて家出してしまいそのため帰る場所もなく、ここで頑張るしかないって思いが強かったんですね。モラハラに気づいて以来私の中でふっきれたものがあり(それなら我慢することはない。子ども達が独立したら別れよう)と思うように。でも彼とつきあっていく中で、お互いの家庭を大事にしないと、自分たちもうまくいかない。やはり家庭は・・子どもは大事にしなきゃいけない。そう考え、彼ともそう話し合って辛いときには彼の存在に支えてもらいながらここまできました。次第に私は開き直ったことで、私は旦那に対して自分を出せるようになってきたんです。そうしたら・・旦那のモラハラが減ってきました。以前よりもだいぶ楽に生活ができるようになりました。が・・いくらモラハラが減って優しくされても、どうしても昔のことをなかったことには出来ず、表立っては笑ったり会話はするものの表面的な感じがします。そこに今回の震災・・改めて大切にしたいもの、大切にしなきゃいけないものを考えるようになりました。家庭を大切にしなきゃいけない。でもそのためには、旦那とも、身も心も向き合わなければいけないのか・・モラハラが昔よりも減っているんであればそれに感謝して旦那を許し改めて向き合わなくてはいけないのか・・そのためには彼の存在があってはいけないのか・・頭ではそうしなきゃいけないとわかっているけど苦しいです。よろしくお願いします。
カウンセラー
赤松わこ
さちさん初めまして、ご相談ありがとうございます。
担当させて頂きます、赤松わこと申します。
どうぞよろしくお願いします。

今回の大震災は、被災地の方々に大きな被害を及ぼしましたが、
それだけではなく、その様子を見聞きした私達全員の心の中も、
心理的に大きく揺るがせています。

実際にカウンセリングの現場でも、今まで目をそむけて来た、
心の奥底の問題に目を向けざるを得なくなって、ご相談頂く
ケースがとても増えているんですね。

震災を契機に、改めて『家庭の大切さ』に気づかれたさちさんは、
「ご主人を許し、改めて向き合わなくてはいけないのか・・」
「彼との関係を、このまま続けていっていいのだろうか」と、
悩んだ末ご相談下さったんですよね。

この5年間、さちさんにとっては、彼がいてくれたから、何とか
やって来られたのでしょうし、頑張れてもいたのでしょうね。
「彼が支えてくれる」と言う安心感で、変わることが出来たのだと
思います。彼の存在はとても大きかったんだろうと私も感じます。

その結果、さちさんはご主人の前でも、自分が出せるようになって、
ご主人の態度も変わって来られたんですね。
ご主人からしたら、さちさんが変わられたことが、ご主人にとって
「自分を分ってくれた」と思われるようになったのかも知れません。

その背景に別の男性の存在があった、とは夢にも思っておられない
でしょうね。そこにさちさんの、苦悩があることも・・・

三角関係や不倫が起こる場合、心の中では何が起こったか?と言うと、
「パートナーから欲しいもの(優しい言葉や労わり、大事にされる)が、
貰えなかった」と言う思いがまずあって、それを求めていた人の前に、
別の人が表れて、「欲しかったもの」を与えてくれたことで、気持ちが
別の人のほうへ傾いていくんですね。

このような形を、心理学では【不足原則】と言います。

本来はさちさんは、ご主人に求めていたものを、「貰えない」と感じて、
そこに現れた彼にそれを求めた所、彼はさちさんに充分に与えてくれた、
そのことがさちさんの心を癒し、自分に自信を取り戻させてくれたんです。

>私は結婚に反対されて家出してしまいそのため帰る場所もなく、
ここで頑張るしかないって思いが強かったんですね。モラハラに気づいて
以来私の中でふっきれたものがあり(それなら我慢することはない。
子ども達が独立したら別れよう)と思うように。

さちさんがご主人との関係で、追い込まれてしまった原因は、
「帰る場所がなく、ここで頑張るしかない」と思っておられたことで、
選択の余地がなかったからから、と言うことがあげられると思います。

子どもさんを3人も育てられて、それだけも大変だったと思います。
パートナーであるご主人に、分って欲しいと思うことや、優しい言葉が
欲しいと思うことは、山ほどあったのではないでしょうか?
「欲しいものがもらえない」状態だった訳ですね。

さちさんの気持ちが、ふっきれたから彼が現れたのか?
彼が現れたことで、さちさんの気持ちがふっきれたのか?
今となってはどちらでもいい事なのですが、そこで選択肢が出来た、
「我慢することはない、子ども達が独立したら別れよう」と思えた
ことで、気持ちが楽になられたんだろうと思います。

「【モラハラ】を受けていた」と書かれていますが、どうしてご主人が、
変わられたのか?さちさんは分っておられるでしょうか?
先にあげた、「帰る場所がなく、ここで頑張るしかない」と思っていた,
その時の、さちさんはずっと『我慢』をされていたんですよね?

人は我慢して表に出さないようにしようとすると、自分で気づかない内に、
相手に対して嫌味や皮肉、無視・ぞんざいな態度と言った形になって、
逆に態度や言葉の端々で、相手を責める態度をとってしまうんです。

これは【受動攻撃】と言いますが、誰もが知らずにやってしまうんです。
さちさんもかなり『我慢』されたのでしょう?ご主人から労わられたり、
優しくされたりしたことも、少なかったのではありませんでしたか?
気がつかずに攻撃的になっていたことも、ご主人の態度を激しいものに
していた可能性があるんですね。(さちさんが悪い訳ではないんですよ)

「欲しいものはくれないのに、嫌なものばかり与えられる」状態だった訳です。

ところが彼が現れて、さちさんを受け入れてくれてからは、心が満たされて、
優しい気持ちになれますから、ご主人に対しても攻撃的にならなくなった。
別の相手と不倫をしていると言う罪悪感もあって、ご主人を責めなくなって、
結果的にご主人も、さちさんに対して段々優しくなられたんです。
お互い相手に「分かって欲しい」と思いならが、上手く伝えることが
出来なくて、「分ってもらえない」と言う苛立ちから、逆にお互いを
責めてしまっていたんです。愛情がなかった訳ではないんですよ。

ご主人の【モラハラ】は、お母さんとの関係が影響している気がします。
ご主人のお母さんは、気性の激しい方と書かれていましたね?
ご主人は、小さい頃からいつも、怒られてばかりだったのかも知れません。
大人になっても、お母さんに頭が上がらなかったのではありませんか?

そんなご主人が当たれる所と言えば、さちさんしか居なかったのでしょうね。
ご主人は、ご自分に自信がない方のようです。周りの人には出来ないので、
その我慢した鬱憤をさちさんに当たって、発散していたのではないでしょうか?

さちさんには、自分の気持ちを分って欲しかったのだろうと思いますよ。

ところがさちさんも、ご自分が『我慢』するのに精一杯で、自分のしんどさを
ご主人に「分って欲しい」と思っても、いつも「分ってくれない」訳ですから、
どんどん一緒にいるのが、嫌になっていたんだろうなと思います。
そんな思いでいれば、ご主人に対して優しくはなれなかったでしょうね。
そんな気持ちでいれば、【受動攻撃】も起きてしまうでしょう。
ご主人もさちさんも、お互い仕方なかったんですよ。

過去のご主人の言動や行動を、「許せない」お気持ちも分かります。
でも今のご主人は変わられたでしょう?さちさんも変わられましたよね。
過去にこだわり続けるか?これから先の未来を見て行くのか?

さちさんにとって、彼の存在が大きなものであることは、言うまでもなく
ハッキリしていることですね。彼がいなければ、今のさちさんはいない、
と言ってもいいでしょうから。大切なお気持ちはよく分かります。
それでも悩まれるのは、彼だけでなくご主人に対しても、未だに愛情が
残っているからに他ならないですよね。

ご自分の人生です、「何が自分の幸せなのか?」を最優先に考えて下さい。
自分のために考えて、自分のために1番いい結論を出してあげてください。

今の状態を続けることで、【罪悪感】が大きくなるばかりなら、1人で
考えて「何とかしよう」と思われるのは、しんどいと思います。
よかったら私達カウンセラーに、お話を伺わせて頂けませんか?
カウンセリングサービスでは、電話でのご相談(初回は無料です)も、
承っておりますので、ご遠慮なくお電話下さい。お待ちしております。

さちさんが納得のいく選択が出来るよう、少しでも参考になれば幸いです。
ご相談ありがとうございました。

この記事を書いたカウンセラー

About Author

家族関係・対人関係・パートナーシップ・自己肯定自己実現を得意分野とし、がん看護・認知症介護の経験から医療・福祉関係にも精通している。 深層心理への唯一のアプローチである【感覚・感情】を解放する、癒しのスペシャリスト。 「体感で楽になった」「腑に落ちる」「納得がいった」と好評をえている。