エルレさん、こんにちは。 池尾昌紀と申します。ご相談ありがとうございます。エルレさんは、とても優しく、そして本当にご主人を愛しておられる方なのだな、と思いました。 夫に浮気をされた場合、妻は女性としての自分を全面的に否定された気持ちになります。 それは本当に傷つくことです。 そうした場合、夫への怒りがわいてきて、夫を攻撃してしまったりします。 ひどいことをしたのは夫なのだから、とか、顔を見るたびに、夫にされたことを思い出して責めてしまうとか。 きっと、そうした怒りも持っておられるし、もしかしたら夫にぶつけることもあったかもしれません。 けれど、文面から感じるのは、むしろ「私が悪かったんだ」という自分への攻撃です。 夫のふるまいよりも、自らのふるまいを反省し、そのことで自分を責めておられる。 とても優しい心をお持ちだから、そうなってしまうのだろうと思うのです。 ご自身を責める気持ちの前に、ちょっと考えていただきたいことがあります。 それは、「子育ては大変だ」ということです。 二人目のお子さんを出産された時には、上のお子さんは1歳半だったと思うのですが、1歳半のお子さんと生まれたばかりの赤ちゃんを育てていくのは、本当に大変です。 こういう時期は、今まではできていた家事などに手が回らなくなったり、ご主人をかまっていられなくなったりします。 育児でいっぱいいっぱいになってしまうからなんですね。 そうなると、ご主人も寂しい思いをしたり、居場所がなくなった感じになったりして、不満が募る、ということが起こったりします。 でも、そこで自分が至らなかったのだ、と責めてしまうのは、ちょっと自分がかわいそうではありませんか? 思い出していただきたいのです。どれほど育児が大変だったか。 余裕があれば、できたことも、余裕がなければやってあげることはできません。 まずは、「子育ては大変だったな」と自分を労ってあげる、がんばってきた自分を認めてあげるところから初めていただいたいのです。 そして、ご主人も「子育ては大変だった」はずなんですね。 父親は父親なりに、子どもができたことで、経済的にも、人間的にもしっかりしなければ、とプレッシャーを感じます。 けれど、自分なりにがんばっていることが、奥さんにわかってもらえないような気分になることもあります。 つまり、子育て中の夫婦は、妻も夫も悩み苦しんでいる、ということなんです。 もしかしたら、今回のご相談は、初めてのお子さんの時もそうだったことが、きっかけなのかもしれません。 そうした視点で、もう一度整理しなおすことは、これからご夫婦の関係を取り戻すのに役に立つのではないでしょうか。 家族としてしかみられなくなったと語るご主人が、いつから、どうしてそうなったのか。 その分岐点を探すきっかけは、子育ての大変さにあることもあるのです。 今、お二人は、本当に二人でやっていくのか、別れるのかという大きな選択の時期に来ています。 これから関係が修復できるのか、というご質問ですが、僕はその答えは「修復できる」だと思います。 ただ、エルレさんが今思っておられる意味のものとは違うかもしれません。 僕が思う答えは、「お二人が幸せになる」という意味です。 そう思う理由は、僕自身、夫婦の絆を取り戻す事ができた経験があるからです。 僕はカウンセリングによって救われ、その経験から、自分もいろんなご夫婦の幸せのお手伝いをしたいとカウンセラーになりました。 でも、悩んでいた当時は、本当に苦しかったし、将来のことが見えなかった時期もあります。 心理学には「問題を乗り越えたら宝物がやってくる」という言葉があります。 問題は、今の自分や、パートナーとの関係を変えていくきっかけを与えてくれるもの。 問題は人生に深く関わることだけに、人としての成長や、成熟していくための様々な要素を磨きあげてくれる。つまり、自分を磨き、成長させてくれる大チャンス!なのです。 今、問題があるだけでなく、過去に問題があって傷になっていることでも、それを癒し乗り越えた時には、すべてがギフトになります。 そして、問題を乗り越える原動力は、結局は、相手への愛の力だと僕は思います。 エルレさん。 あなたがご主人を愛しているこの思いが、その力になります。 そして、ご主人もまた、その愛を持っている人だと思うのです。 それは、ご主人が「自分がこれからどうしていったらいいのかわからない」と言われたことにヒントがあるのではないでしょうか。 あなたへの愛がないのに、自分の人生をこんなふうに深刻に悩むはずはない、と僕は感じます。 今回、こうしてご相談をくださった、ご自身の勇気を信じてあげてください。 もう、ひとりでやらなくてもいいんです。 家族、友達、周りの人の力を借りましょう。 カウンセラーを使っていただいても結構です。 どうか、ご自身の愛の力を信じて、この問題を乗り越え、ご自身の幸せを手に入れてください。 僕はきっとできると思います。 ご相談ありがとうございました。 |