普通に生活しているけれど。
長い間、自分の人生が停滞している感覚がある。
楽しい、面白い、ワクワクする……。
そんな感覚を、長い間味わってない。
毎日が、つまらない。
だけど、何をしたらいいかわからない。
そんなときって、あるものです。
人生の流れが、行き詰っているようなとき。
もしかしたら、「心惹かれること」は身の周りに存在しているのかもしれません。
だけど、気づかない。
気づかないというより、心を閉ざしているのかもしれません。
何かを変えたい、変わりたい――。
まずはその思いを、大事にしてみる。
そして、「変わっていいんだ」「心が惹かれるものに手を出していいんだ」と思ってみる。
そこから、何かが変わることもあるんです。
人は、心惹かれるものに手を伸ばすことの許可を出していないことって多いんです。
例えば
「仕事になるわけでも、恋人ができるわけでもないでしょう」(意味のないことはしてもムダ)
「年を取ったら、やりたいな」(楽しみの先送り)
と、思っていたりするんです。
でも、自分の心に栄養を与えても、いいのかもしれません。
いまの自分を楽しませても、いいのかもしれません。
◇ ◇ ◇
例えば、私の場合……。
心惹かれることに手を伸ばす許可が下りたのは、本を手にしたことがきっかけでした。
冒険家が書いた子ども向けの本でした。
なんとなく、手に取ってみたんです。
すると、「いいな~。ここ、行ってみたい」という気持ちがわいてきました。
そして、思いました。
「なら、行けばいいじゃん」
こんなふうにも、思いました。
「そっか、行ってもよかったのか。
長い間、毎日がつまらなかったわけだ。
だって、行きたいところに、行ってなかったんだもん。
やりたいこと、やってなかったんだもん」
私が行きたかった場所は、標高の高い場所。
ただ好きだったんです。
旅の仲間に電話しました。
「標高の高いところに、行きたいんだよね。空に近い場所」
そして教えてもらったのが、太陽の島。南米のチチカカ湖の島でした。
島のテッペンに宿を見つけ、朝日と夕日と湖に写る月光を眺めて過ごしました。
昼間は、散歩をして過ごしました。
標高4000メートルの一本道。
ずっと続く一本道を歩きながら、空と会話をしていました。
「なんて幸せなんだろう。ここに来られてよかった」
そのとき、心のワクワクを取り戻し始めたのです。
この感覚、何年ぶりだろう。10年ぶり? 15年ぶり?
そこから、自分の人生を取り戻し始めました。
私はどんなふうに生きたいの? 何がしたいの? 人生で何ができたらうれしいの?
いまからでも挑戦してみる?
そして、新しい人生の扉が開いたのです。
43歳のときでした。
自分が行きたかった場所に行ったことで、心が生き返りました。
そして、許可が下りたんです。
自分のやりたいことをやる許可が。
◇ ◇ ◇
心惹かれることや心満たされることを心の奥に持っているものです。
でも、思うんです。
それをして、何になる?
すべきことは、他にあるんじゃない?
本当はしなきゃいけないのに、できていない。
本当はこうならなきゃいけないのに、なれていない。
そう思うと余計に、「やらなきゃいけないことは、そっちでしょ」と感じてしまう。
そんなふうに、自分の心を楽しませることを封印して、長い間生きてきた気がします。
味気ない、心が動くことのない日々でした。
だけど……心惹かれること、やってよかったんです。
それが何であっても、心惹かれるのにはたぶん理由があるはずだから。
やってみたいことを、やっていい。
いつだって、自分の心を満たすものを選んでいい。
心惹かれることや心満たすことをつかんでいく。自分にやさしくするんです。
やらなきゃいけないことで心を埋め尽くしてきたとしても、心の中にあるんです。
ワクワクしたい気持ち。
人生を創造したい気持ち。
いまは冬眠中かもしれないけれど。
もし、味気ない日々の中にいるのなら、自分に質問してみるといいかもしれません。
・心惹かれることって、何だろう。
・やってみたいのに、抑えていることって何だろう。
・手を伸ばしたかったのに「無理かも」と諦めたことって何だろう。
・何が私を幸せにするんだろう。
そうやってアンテナを立てながら、小さな行動をする。
気になったものを手に取ってみる。
本屋さんに行く、気になるセミナーやおけいこに出かける、カウンセリングを受けてみる、行きたいところに行ってみる、ふと思い出した友達に連絡をしてみる。
イベントでたまたま隣に座った人に興味を持ってみる、話しかけてみる。
そんなことで、いいんです。
ちょっとでも気になったことに、手を伸ばしてみるんです。
これまで「面倒だな」「意味ないな」で片付けたことも、アンテナに引っかかったら手を伸ばしてみる。
そして面白かったものには、ハマってみる。
そんな小さな積み重ねが、人生に流れを呼び込むでしょう。